「退職する人のGoogleドライブに、チームの見積書が入ったままだ」。年度末や期初の異動シーズンには、こんな不安がつきものです。原因の多くは、チームのファイルが個人の「マイドライブ」に置かれていること。
マイドライブのファイルは、持ち主のアカウントに紐づいています。オーナーを移さないままアカウントが削除されると、チームで共有していたファイルも消えるおそれがあります。気づいたのが数週間後なら、もう取り戻せないかもしれません。
この記事では、マイドライブと共有ドライブの違いを「退職・異動」の視点で整理します。オーナー移管のチェックリストと、共有ドライブへの移行手順を順に解説。Googleグループを使った権限設計や社内ルール雛形もまとめたので、管理者権限がない現場担当の方も今日から動けるはずです。
なお、共有ドライブは Google Workspace の機能。会社や学校で Google Workspace を使っている方に向けた内容です。
【結論】退職でGoogleドライブのファイルが消える理由|マイドライブと共有ドライブ
結論から言うと、消えるリスクがあるのは「退職者がオーナーになっているマイドライブのファイル」です。共有ドライブのファイルは組織がオーナーなので、メンバーのアカウントを削除しても削除の対象になりません。
つまり、チームのファイルは最初から共有ドライブに置くのが一番確実な対策。すでにマイドライブにあるファイルは、退職前にオーナーを移すか、共有ドライブへ移動しておきましょう。
対象となる環境(対応バージョン)
対応バージョン: Google Workspace(2026年10月時点)
– 共有ドライブ対応エディション:Business Starter / Business Standard / Business Plus / Enterprise Standard / Enterprise Plus / Education / Nonprofits 向け
– 共有ドライブの作成には、職場・学校のアカウントと管理者の許可が必要
– アカウント削除時のデータ移行や、他人のファイルのオーナー変更は管理者の操作
Business と Enterprise のエディションでは、初期設定で全ユーザーが共有ドライブを作成できます。一方、Education では初期設定で作成が無効です。管理者が「共有ドライブを作成できるユーザー」を絞っている組織もあるでしょう。
また、Frontline Starter など共有ドライブに対応していないライセンスもあります。この場合、共有ドライブでは「閲覧者」の権限しか持てず、ファイルのアップロードもできません。自分の環境がどれに当たるか分からなければ、社内の管理者に確認してみてください。
消える仕組み:ファイルは「オーナーのアカウント」に紐づいている
Googleドライブのファイルには、必ずオーナー(所有者)がいます。マイドライブで作ったファイルのオーナーは、作った本人のアカウントです。
【マイドライブ】
ファイルのオーナー = 作った人の個人アカウント
└ アカウントを削除 → オーナーのファイルも削除の対象
※共有相手は「見せてもらっている」だけで、持ち主ではない
【共有ドライブ】
ファイルのオーナー = 組織
└ メンバーが退職 → ファイルは共有ドライブに残る
ここで見落としやすいのが「共有しているから大丈夫」という思い込み。共有はあくまで閲覧や編集を許可しているだけで、所有権を渡したわけではありません。
公式ヘルプによると、共有ドライブ内のファイルはユーザーを削除しても削除されません。他のユーザーが所有するファイルも同様です。逆に言えば、退職者がオーナーのファイルこそ、削除前に移す必要があるということ。
先にやる3ステップ
退職や異動が決まったら、次の3つを順番に進めましょう。
- チームのファイルのオーナーが誰かを確認する
- チームで使い続けるファイルを、共有ドライブへ移動する(または後任にオーナー権限を譲渡する)
- 移しきれなかったファイルのデータ移行を、アカウント削除の前に管理者へ依頼する
各ステップの詳しいやり方は、このあとのセクションで解説します。まずはチームのフォルダをリスト表示にして、「オーナー」欄に誰の名前が並んでいるかを確かめてみてください。
マイドライブと共有ドライブの違いを比較表で整理
マイドライブと共有ドライブは、どちらが優れているというより役割が違います。退職・異動に関わる項目を中心に、違いを表にまとめました。
比較表
| 比較項目 | マイドライブ | 共有ドライブ |
|---|---|---|
| ファイルのオーナー | 作成した個人 | 組織 |
| アカウント削除時 | 削除前に移行しないと削除の対象 | ユーザー削除の対象外 |
| 権限の付け方 | ファイル・フォルダごとに共有 | ドライブのメンバーに5段階の役割 |
| オーナー権限の譲渡 | 組織内のユーザーへ譲渡できる | 対象外(オーナーは組織) |
| 使える人 | Google アカウントの利用者 | 対応エディションの職場・学校アカウント |
| 主な上限 | ― | 1つあたり500,000アイテム、フォルダ階層100 |
| 向いている用途 | 個人の下書き・作業メモ | チームの成果物・引き継ぐ資料 |
いちばん大きな違いは「オーナーが個人か、組織か」です。この1点が、退職時にファイルが残るかどうかを分けます。
使い分けの目安
マイドライブは「自分の机の引き出し」、共有ドライブは「部署の共用キャビネット」と考えると分かりやすいでしょう。下書きや個人的なメモはマイドライブ、チームで使う資料や完成版は共有ドライブ、という分け方が基本。
ただし、共有ドライブのファイルはメンバー全員が役割に応じてアクセスできます。人事評価のように一部の人だけが見るべき資料は、メンバーを絞った別の共有ドライブに分けるのが無難です。
基本操作・共有設定の詳細はこちら
フォルダ整理や検索演算子などの基本操作は、Googleドライブの使い方ガイドで解説しています。ファイル単位で「誰に何を触らせるか」を決めたいなら、共有・保護の設計ガイドも参考にしてみてください。
ここから先は、退職・異動の運用に絞って解説します。表の違いを頭に入れたうえで、次のチェックリストに進みましょう。
退職・異動前のオーナー移管チェックリスト
退職の場合、アカウントが削除される前にファイルを移すことが最優先です。異動ならアカウントは残るため、すぐにファイルが消えることはありません。
とはいえ、異動した人がオーナーのままだと、その人が将来退職したときに同じ問題が起きます。異動のタイミングでチームのファイルを整理しておくと安心です。
時系列チェックリスト(退職決定〜アカウント削除後)
期日はあくまで目安。社内の退職手続きのスケジュールに合わせて調整してください。
| 時期(目安) | やること | 担当 |
|---|---|---|
| 退職・異動の決定直後 | チームで使うファイルと、そのオーナーを洗い出す | 本人+チームリーダー |
| 最終出社の2週間前まで | チームのファイルを共有ドライブへ移動する | 本人 |
| 最終出社の2週間前まで | 共有ドライブに移さないファイルは、後任へオーナー権限を譲渡する | 本人 |
| 最終出社の1週間前まで | 後任やチームがファイルを開けるか確認する | チームリーダー |
| 最終出社日まで | 移しきれなかったファイルのデータ移行を管理者に依頼する | チームリーダー |
| アカウント削除の前 | 移行先ユーザーへ、ドライブのデータを移行する | 管理者 |
| 削除後20日以内 | 漏れに気づいたら、ユーザーの復元を管理者に依頼する | チームリーダー→管理者 |
アカウントを削除しても、20日以内なら管理者がユーザーを復元できます。ただし20日を過ぎると復元できないため、「削除後に気づけば何とかなる」とは考えないほうがよいでしょう。
現場担当ができること/管理者に頼むこと
管理者権限がなくても、本人が在籍しているうちなら多くの作業を進められます。逆に、本人がいなくなった後は管理者にしかできない作業が中心になります。
| 作業 | 現場担当(管理者権限なし) | 条件・補足 |
|---|---|---|
| 自分がオーナーのファイルを譲渡 | できる | 組織内のユーザーにのみ譲渡でき、相手の承諾は不要 |
| 他人がオーナーのファイルを譲渡 | できない | オーナー本人か、Workspace 管理者(情シス)が行う |
| マイドライブから共有ドライブへファイルを移動 | できる | 移動先で投稿者以上の役割が必要。初期設定では自分がオーナーのファイルのみ |
| フォルダごと共有ドライブへ移動 | 条件つきでできる | 移動先の共有ドライブで「管理者」の役割が必要 |
| 退職者のファイルをまとめて移行 | できない | 管理者が管理コンソールで行う |
| 削除したアカウントの復元 | できない | 管理者が削除後20日以内に行う |
管理者によるデータ移行は、同じ組織のユーザー間でしか行えません。移行先のユーザーは、有効なアカウントでドライブが使える状態であり、ストレージにも余裕が必要です。
特権管理者なら、アカウントの削除処理の途中でもデータを移行可能。一方、それ以外の管理者は、削除の前に移行を済ませておく必要があります。依頼するときは、どちらの管理者が対応するかも確認しておきましょう。
自分のファイルのオーナー権限を後任に譲渡する手順
本人が在籍中なら、パソコンのブラウザでGoogleドライブを開き、次の手順で譲渡できます。
- Googleドライブで、譲渡したいファイルを右クリックする
- 「共有」にカーソルを合わせる
- 表示されたメニューの「共有」をクリックする
- 後任の名前が共有相手にない場合は、先に追加する
- 後任の名前の横にある下矢印をクリックする
- 「オーナー権限の譲渡」を選ぶ
職場・学校のアカウントで組織内のユーザーに譲渡する場合、新しいオーナーの承諾は必要ありません。操作した時点で譲渡が完了します。
注意したいのは、フォルダのオーナーを譲渡しても、中のファイルのオーナーは元のままという点です。フォルダを開き、中のファイルを全選択してから譲渡するなど、ファイル単位での譲渡も忘れないでください。
情シス(管理者)への依頼文テンプレート
移しきれなかったファイルは、管理者にデータ移行を依頼します。以下をコピーして、社名やメールアドレスを書き換えて使ってください。
件名:【データ移行のお願い】◯◯さん(◯月◯日退職)のGoogleドライブ
情報システム担当 ◯◯様
お疲れさまです。◯◯部の◯◯です。
◯月◯日付で退職する◯◯さんについて、
アカウント削除の前にGoogleドライブのデータ移行をお願いできますでしょうか。
■対象ユーザー:◯◯(xxx@example.co.jp)
■移行先ユーザー:◯◯(yyy@example.co.jp)
■アカウント削除の予定日:◯月◯日
■補足
・チームで使うファイルは、共有ドライブ「◯◯部」へ移動済みです
・マイドライブに移しきれなかったファイルが残っています
・移行先ユーザーのストレージ容量に余裕があるか、あわせてご確認ください
・Gmail・カレンダーの移行が必要かどうかは、別途ご相談させてください
よろしくお願いいたします。
削除の予定日を書くのは、管理者の種類によっては削除前に移行を済ませる必要があるからです。Gmail やカレンダーも、削除前なら別のユーザーへ移行できます。
また、管理者による移行では、ゴミ箱内のアイテムが対象外になる点にも注意。本人には、ゴミ箱に入れた必要なファイルを元に戻しておくよう伝えておきましょう。
マイドライブから共有ドライブへ移行する手順
オーナーの譲渡は「人から人へ」の引き継ぎなので、次の異動でまた同じ作業が発生します。チームのファイルを共有ドライブへ移しておけば、引き継ぎの手間は大きく減らせるでしょう。
移行前に確認すること
移動する前に、共有ドライブでの自分の役割を確認しておきましょう。必要な役割は、移動するものによって変わります。表の「管理者」は共有ドライブ内の役割で、情シスなどの Workspace 管理者とは別物です。
| 移動するもの | 移動先の共有ドライブで必要な役割 |
|---|---|
| ファイル | 管理者・コンテンツ管理者・投稿者のいずれか |
| フォルダ | 管理者 |
初期設定で移動できるのは、自分がオーナーのファイルだけです。編集者として共有されたファイルも移せるかは、管理コンソールの「共有ドライブへのファイルの移行をユーザーに許可する」設定で決まります。役割が足りているのに移動できないときは、管理者に状況を伝えて確認してもらいましょう。
移動の手順
- 移動先の共有ドライブに、受け皿となるフォルダを作る
- マイドライブで、移動したいファイルまたはフォルダを選ぶ
- 右クリックメニューから「整理」→「移動」を選ぶ
- 移動先として、共有ドライブ内のフォルダを指定する
- 「移動」をクリックする
- チームのメンバーに、移動後のファイルを開けるか確認してもらう
マイドライブから共有ドライブへのドラッグ&ドロップでも移動できます。最初は少数のファイルで試し、権限の変わり方を確かめてから本格的に移しましょう。
移動で権限はどう変わる? Before/After
共有ドライブへ移すと、オーナーと権限の仕組みが変わります。主な変化を表にまとめました。
| 項目 | 移動前(マイドライブ) | 移動後(共有ドライブ) |
|---|---|---|
| オーナー | 自分 | 組織(自分は作成者として残る) |
| ファイルに直接設定した共有 | 共有相手が開ける | 維持される |
| 親フォルダから引き継いだ共有 | フォルダの共有相手が開ける | コピーされない |
| 開ける人 | 自分と共有相手 | 共有ドライブのメンバー+直接共有の相手 |
| 自分のアクセス | オーナーなので常に開ける | 共有ドライブでの役割しだい |
| オーナー権限の譲渡 | できる | できない |
特に気をつけたいのは「親フォルダから引き継いだ共有」。フォルダ単位で取引先と共有していた場合、中のファイルだけを移すと、その取引先は開けなくなる可能性があります。
自分が作ったファイルでも、共有ドライブから外されれば開けなくなることがあります。また、共有ドライブ側の共有設定のほうが厳しい場合、移動に伴ってアクセス権が変わることもあるでしょう。移動後は、社外の共有相手も含めて開けるかを確認してください。
移せないファイル・上限・注意点
フォルダごと移動するときは、中身によって移動が拒否されることがあります。代表的なケースは次のとおり。
- 移動できないアイテムが25個以上、または全体の10%以上あるフォルダ
- 別の組織が所有するアイテム(取引先から共有されたファイルなど)
別組織のファイルは、その組織のオーナーに相談するのが確実です。移動が拒否されたら、該当ファイルを除いてから移すとよいでしょう。
共有ドライブには、次のような上限もあります。
| 項目 | 上限 |
|---|---|
| 共有ドライブ1つあたりのアイテム数 | 500,000(ファイル・フォルダ・ショートカット・ゴミ箱内を含む) |
| フォルダ階層 | 100 |
| 1ユーザーが24時間にアップロード・コピーできる量 | 750 GB |
| ファイル1つの最大サイズ | 5 TB |
ほかに、共有ドライブ1つに追加できるメンバー数にも上限が設けられています。大人数の部署なら、個人ではなくGoogleグループ単位での追加がおすすめ。
Googleグループで作る、異動に強い共有ドライブの権限設計
共有ドライブに移しても、メンバーを個人単位で追加していると異動のたびに設定の変更が必要です。部署ごとのGoogleグループをメンバーにしておけば、グループの入れ替えだけで済みます。
共有ドライブの5段階の役割
共有ドライブのメンバーには、次の5つのうちいずれかの役割を割り当てる仕組み。
| 役割 | できること |
|---|---|
| 管理者 | メンバーの管理や共有ドライブの削除を含む、すべての操作 |
| コンテンツ管理者 | ファイルの編集・移動・削除、フォルダの共有 |
| 投稿者 | ファイルの編集・アップロード(共有ドライブ内での移動・削除はできない) |
| 閲覧者(コメント可) | ファイルの閲覧とコメント |
| 閲覧者 | ファイルの閲覧のみ |
ヘルプのページによっては、「閲覧者(コメント可)」が「コメント投稿者」と表記されています。共有ドライブ自体の削除には、管理者の役割に加えて、ドライブが空であることが条件。
メンバーには、組織内のユーザーやGoogleグループを追加できます。組織の設定で許可されていれば、社外のユーザーも追加可能。
部署ドライブ×グループの権限表(例)
役割ごとにグループを分けて、共有ドライブに割り当てる例です。グループ名は自社の命名ルールに合わせて変えてください。
| 共有ドライブ | 管理者 | コンテンツ管理者 | 投稿者 | 閲覧者 |
|---|---|---|---|---|
| 営業部 | 営業部長+情シス担当(個人で2名以上) | sales-leaders@ | sales@ | ― |
| 経理部 | 経理部長+情シス担当(個人で2名以上) | keiri-leaders@ | keiri@ | ― |
| 全社共有(規程・テンプレート) | 総務部長+情シス担当(個人で2名以上) | soumu@ | ― | all@ |
設計のポイントは3つあります。
- 管理者は2名以上にする(1人だと、その人の不在時にメンバーを変更できない)
- 日常の担当者は投稿者にする(誤ってファイルを移動・削除する事故を防げる)
- 整理や削除を担うリーダー層だけをコンテンツ管理者にする
社外の人が入ったグループを追加する場合は、外部共有の設定が関わります。事前に管理者へ確認しておきましょう。
異動時はグループの入れ替えだけで済ませる
たとえば、田中さんが営業部から経理部へ異動するとします。グループで設計していれば、作業は次の2つだけ。
- 田中さんを sales@ グループから外す
- 田中さんを keiri@ グループに追加する
共有ドライブ側の設定には触れず、ファイルもそのまま残ります。マイドライブ運用のように、何十件ものファイルで共有相手を付け替える必要はありません。
ただし、共有ドライブ内のファイルに個人を直接共有している場合、その共有はグループの変更では外れません。異動のときは、直接共有の残りがないかもあわせて確認しましょう。チームの連絡手段も整えるなら、Google Chatスペースの運用術が参考になります。
個人マイドライブ禁止ルール雛形(コピペ可)
運用を定着させるには、ルールを文書にして共有しておくのが近道です。以下の雛形を、自社に合わせて書き換えて使ってみてください。
【Googleドライブ運用ルール】
1. 置き場所
・チームで使うファイルは、部署の共有ドライブに保存する
・個人のマイドライブには、下書きと個人メモだけを置く
・完成した資料や、取引先と共有する資料はマイドライブに置かない
2. 権限
・共有ドライブのメンバーは、原則としてGoogleグループで追加する
・個人を直接メンバーにするのは、各ドライブの管理者(2名以上)のみとする
・社外の人と共有する場合は、◯◯部の承認を得る
3. 異動・退職
・異動・退職が決まったら、最終出社の2週間前までに
マイドライブ内の業務ファイルを共有ドライブへ移す
・チームリーダーは、移行後にファイルを開けるか確認する
・移しきれなかったファイルは、アカウント削除の前に
情報システム担当へデータ移行を依頼する
4. 削除・整理
・共有ドライブ内のファイルの移動・削除は、コンテンツ管理者が行う
・誤って削除した場合は、すぐに◯◯へ連絡する
ルールは作って終わりではなく、異動シーズンの前に読み返す機会を作ると形骸化しにくくなります。スプレッドシート単位の細かな共有設定は、スプレッドシートの共有・権限設定ガイドもあわせて確認してみてください。
よくある質問とまとめ
最後に、マイドライブと共有ドライブの運用でよく出る疑問をまとめました。
退職者のアカウントを削除した後でも、ファイルは戻せる?
アカウントの削除から20日以内なら、管理者がユーザーを復元できます。公式ヘルプによると、移行しなかったドライブのファイルは20日間保存されるとのこと。ユーザーを復元すれば、それらのファイルにもアクセスできると案内されています。
復元しなければ、ファイルは完全に削除される扱いです。削除後に共有相手からどう見えるかを当てにせず、管理者が削除前にオーナー権限を移行することを前提に動きましょう。
個人の無料Gmailでも共有ドライブは使える?
共有ドライブは Google Workspace の機能。公式ヘルプも、職場・学校のアカウントで使う前提で説明しています。自分で作成するには、対応エディションの職場・学校アカウントが必要と考えておきましょう。
個人の Google アカウント同士では、オーナー権限の譲渡に相手の承諾が必要です。組織内なら承諾不要の職場・学校アカウントとは、この点でも勝手が違うといえるでしょう。
共有ドライブを作成できないのはなぜ?
主な原因は次の3つです。
- 利用中のエディションが共有ドライブに対応していない
- 管理者が「共有ドライブを作成できるユーザー」を制限している(Education は初期設定で無効)
- 自分のライセンスが共有ドライブ非対応(Frontline Starter など)
いずれも現場では変更できないため、管理者に相談してください。作成だけ情シスに頼む手もあります。部署の担当者を共有ドライブの「管理者」役割にしてもらえば、メンバーの追加は部署側で行えます。
容量や上限はどうなる?
共有ドライブには、1つあたり500,000アイテム、フォルダ階層100といった上限があります。ファイル1つの最大サイズは5 TBで、1ユーザーが24時間にアップロード・コピーできる量は750 GBです。
ストレージ容量の割り当ては契約内容で変わるため、管理者に確認するのが確実。退職者のファイルをデータ移行する場合は、移行先ユーザーのストレージに余裕があるかも見ておきましょう。
アカウントを「停止」するだけならファイルは消えない?
停止は一時的にアクセスを制限する操作で、削除はアカウントとデータを永続的に消す操作です。データを残したい場合は、アーカイブの利用が推奨されています。
ただし、停止はあくまで一時的な措置。停止中の見え方を当てにせず、停止する前にオーナーの移行や共有ドライブへの移動を済ませておくと安心でしょう。
まとめ
マイドライブと共有ドライブの違いは、「ファイルのオーナーが個人か、組織か」に集約されます。退職・異動でファイルを失わないための要点を振り返ります。
| 場面 | やること | 担当 |
|---|---|---|
| 日常の運用 | チームのファイルは共有ドライブに置く | 全員 |
| 権限の設計 | 共有ドライブのメンバーはGoogleグループで追加する | 共有ドライブの管理者 |
| 退職・異動の前 | 共有ドライブへの移動、または後任へのオーナー譲渡 | 本人 |
| 移しきれなかった分 | アカウント削除前のデータ移行を依頼する | チームリーダー→管理者 |
| 削除後に漏れが発覚 | 20日以内にユーザーの復元を依頼する | チームリーダー→管理者 |
いきなり全ファイルを移す必要はありません。まずはチームのフォルダで「オーナー」欄を確認しましょう。退職予定者の名前が並んでいるファイルから、共有ドライブへ移してみてください。
