Excelを使用していると、ファイルの種類(拡張子)をとくに気にしないことが多いかもしれません。
しかし、Excelファイルには実はいくつかの種類があり、それぞれ特徴や使い方が異なります。
アイコンはほとんど同じだからと適当にファイルの種類を変更すると、取り返しのつかない事態に陥ることもあります。
実際に私が保存していたファイルの種類を同僚によって変更して保存されたことにより、作成していたマクロが「すべて消える」事件が発生しました。
長時間かけて作っただけにショックが大きかったのを覚えています。
今回は、Excel VBAやマクロを使う際に必ず知っておきたいExcelファイルの種類について、わかりやすく解説します。
複数人で同じファイルを使用する方や、これからExcelマクロを作成しようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
必ず知っておきたい4種類のExcelファイル形式
Excelファイルには主に4種類のファイル形式があります。
この4つを知っていれば、ほとんどの場面で困ることはありません。
ファイル形式と拡張子はセットで覚えておきましょう。
| ファイル形式 | 拡張子 | マクロ保存 |
|---|---|---|
| Excel ブック | .xlsx | 不可 |
| Excel 97 – 2003 ブック | .xls | 可能 |
| Excel マクロ有効ブック | .xlsm | 可能 |
| Excel バイナリ ブック | .xlsb | 可能 |
バイナリブックに関しては出番が少ないかもしれませんが、一般企業で使用しているファイル形式はほとんどの場合この4つの中のどれかになっています。
Excelを頻繁に活用している企業では、これらの他にテンプレートやアドインがある可能性も考えられます。
ここに記載していないファイル形式については、別の記事でも解説していますので、良かったら確認してください。
各ファイル形式の特徴と使い方
それぞれのファイル形式の特徴と使い方を詳しく解説します。
1. Excel ブック「.xlsx」
Excel 2007以降で標準的に用いられているファイル形式です。
Excel 2007以降では、ファイルの種類を何も変更せずに保存すると、この形式で保存されます。
特徴:
- マクロを使わずに作業をする場合は、このファイル形式のまま保存しても問題ありません
- マクロをこのファイルに保存することはできませんので注意が必要です
使い方:
- 通常のExcel作業(データ入力、計算、グラフ作成など)で使用
- マクロを使わない場合の標準形式
2. Excel 97 – 2003 ブック「.xls」
Excel 2007以前のバージョンで標準的に用いられていたファイル形式です。
特徴:
- この形式ではマクロの保存が可能です
- 行数と列数の上限が「.xlsx」よりも低い
- このファイル形式自体が数十年前の代物になっており、過去の遺産となりつつあります
使い方:
- 新しくこのファイル形式で作成するのはオススメしません
- 古いファイルを開く際に使用されることがあります
3. Excel マクロ有効ブック「.xlsm」
「.xlsx」のファイルにマクロが保存できるようになったファイル形式です。
特徴:
- マクロの保存が可能
- Excel 2007以降の標準的な機能をすべて使用可能
使い方:
- これからマクロを作成する場合は、このファイル形式で作成するのがオススメです
- Excel VBAやマクロを使用する際の標準形式
4. Excel バイナリ ブック「.xlsb」
このファイル形式はあまり見かけることがないと思いますが、思わぬところで出現する可能性があります。
特徴:
- バイナリデータでファイルを保存するファイル形式です
- バイナリデータとは、主にコンピュータが理解するために「0」と「1」の羅列で記述されているデータのことです
- バイナリデータで保存されているため、ファイルサイズを小さくできるメリットがあります
- マクロの保存をすることも可能です
使い方:
- メールで送受信する際にウイルス扱いされてしまうこともあるため、とくに理由がなければ使用しない方が良いでしょう
- ファイルサイズを小さくしたい場合に限り使用を検討
まとめ:Excelファイル形式を理解してマクロを安全に使おう
今回は、Excel VBAやマクロを使う際に必ず知っておきたいExcelファイルの種類について解説しました。
今回のポイント
- Excelファイルには主に4種類のファイル形式がある
- .xlsx:通常のExcelブック(マクロ保存不可)
- .xls:Excel 97-2003ブック(古い形式)
- .xlsm:マクロ有効ブック(マクロ保存可能・推奨)
- .xlsb:バイナリブック(特殊用途)
- マクロを作成する場合は「.xlsm」形式を使用する
- これからマクロを作成する場合は、このファイル形式で作成するのがオススメです
- ファイル形式を間違えるとマクロが消える可能性
- アイコンはほとんど同じだからと適当にファイルの種類を変更すると、取り返しのつかない事態に陥る可能性があります
Excelファイル形式を知るメリット
何気なく使っていると拡張子なんて見ないと思いますが、これを知っているだけで業務効率が劇的に上がる可能性も秘めています。
たとえば、前任者が使用していたファイルがExcelマクロ有効ファイル(.xlsm)だった場合、「もしや何らかの業務が自動化されているのでは?」という気づきにも発展します。
マクロ実行前にしっかり内容のチェックは必要ですが、もし便利なマクロが保存されていたらラッキーですよね!
Excel VBAやマクロを使う際は、必ず適切なファイル形式を選択するようにしましょう。

コメント