Excelで計算式を入れたいけど、やり方がわからない。
そんな悩みを持っている方、意外と多いのではないでしょうか。
四則演算はExcelのすべての基本です。
ここがあいまいなままだと、表やデータの作成で毎回つまずいてしまいます。
この記事では、足し算・引き算・掛け算・割り算の基本操作から実務活用まで順番に解説していきます。
消費税の計算や前年比の求め方、計算結果の端数処理なども紹介しています。
すぐに使える例ばかりなので、ぜひ最後まで読んでみてください。
この記事は次のような人におすすめ
– Excelで足し算・引き算・掛け算・割り算のやり方を知りたい人
– セル参照を使った計算方法を覚えたい人
– 消費税や前年比など、実務で使う計算をExcelでやりたい人
対象環境: Microsoft Excel 2016以降 / Microsoft 365(Windows・Mac共通)
Excelの四則演算とは?基本のルールを押さえよう
四則演算とは、足し算・引き算・掛け算・割り算の4つの計算のことです。
Excelでもこの4つの計算ができますが、いくつか知っておくべきルールがあります。
数式は「=」(イコール)から始める
Excelで計算するには、セルに「=」を入力してから数式を書きます。
この「=」がないと、入力した内容がそのまま文字として表示されてしまいます。
「これは計算式ですよ」とExcelに教えてあげるための記号だと思ってください。
| セルに入力した値 | セルの表示 | 解説 |
|---|---|---|
| 1+3 | 1+3 | 「=」がないので文字としてそのまま表示 |
| =1+3 | 4 | 「=」があるので計算結果を表示 |
Excelで使う演算子の一覧
Excelでは、数学で使う「×」や「÷」の記号は使えません。
代わりに、次の演算子(計算に使う記号)を使います。
| 計算 | 演算子 | 数学の記号 | Excelでの入力例 | 結果 |
|---|---|---|---|---|
| 足し算 | +(プラス) | + | =3+2 | 5 |
| 引き算 | -(マイナス) | – | =5-2 | 3 |
| 掛け算 | *(アスタリスク) | × | =4*8 | 32 |
| 割り算 | /(スラッシュ) | ÷ | =12/4 | 3 |
「×」と「÷」はExcelでは使えないので注意してくださいね。
掛け算は「*」(アスタリスク)、割り算は「/」(スラッシュ)です。
Excelで四則演算する方法【基本編】
ここからは、4つの計算のやり方を1つずつ見ていきましょう。
どれもセルに数式を入力してEnterキーを押すだけなので、実際に手を動かしながら試してみてください。
足し算をする方法
足し算は「+」(プラス)を使います。
=1+3
結果: 4
複数の数値を足すこともできます。
=10+20+30
結果: 60
引き算をする方法
引き算は「-」(マイナス / ハイフン)を使います。
=10-3
結果: 7
掛け算をする方法
掛け算は「*」(アスタリスク)を使います。
=4*8
結果: 32
数学では「×」を使いますが、Excelでは使えません。
キーボードでは Shift + 8 で「*」を入力できます。
割り算をする方法
割り算は「/」(スラッシュ)を使います。
=12/4
結果: 3
割り切れない場合は、小数で表示されます。
=10/3
結果: 3.333…
商(整数部分)だけを求めたい場合はQUOTIENT関数、余りを求めたい場合はMOD関数が便利です。
セル参照を使った四則演算【実務の基本】
ここまでは数値を直接入力して計算しましたが、実務ではセル参照を使うのが基本です。
セル参照とは
セル参照とは、数式の中で「A1」や「B2」のようにセルの位置を指定することです。
セルの値が変わると、計算結果も自動で更新されます。
たとえば、A1に「100」、B1に「50」と入力されている場合、次のようになります。
=A1+B1
結果: 150(A1の100とB1の50を足した値)
A1の値を「200」に変更すると、結果も自動で「250」に変わります。
数値を直接書くよりも、セル参照を使ったほうが修正に強い数式になりますよ。
相対参照と絶対参照の違い
セル参照には「相対参照」と「絶対参照」の2種類があります。
| 種類 | 書き方 | コピーしたとき |
|---|---|---|
| 相対参照 | A1 | コピー先に合わせてずれる |
| 絶対参照 | $A$1 | コピーしてもずれない |
相対参照は数式をコピーすると参照先が自動でずれます。
一方、絶対参照は「$」を付けることで参照先を固定できます。
消費税率のように「全行で同じセルを参照したい」ときは、絶対参照を使います。
セルを選択して F4キー を押すと「$」が自動で付くので覚えておくと便利です。
四則演算の計算順序と括弧の使い方
四則演算には計算する順番のルールがあります。
これは数学と同じルールです。
- 括弧 () の中を最優先で計算する
- 掛け算 (*) と割り算 (/) を計算する
- 足し算 (+) と引き算 (-) を計算する
同じ優先順位の計算は、左から順に処理されます。
| 計算式 | 結果 | 計算の流れ |
|---|---|---|
| =6*1+3 | 9 | 6×1=6 → 6+3=9 |
| =6*(1+3) | 24 | 1+3=4 → 6×4=24 |
| =10-2*3 | 4 | 2×3=6 → 10-6=4 |
| =(10-2)*3 | 24 | 10-2=8 → 8×3=24 |
計算の順番を変えたいときは括弧 () を使いましょう。
括弧の中が先に計算されるので、意図した結果が得られます。
実務で使える四則演算の活用例
基本を押さえたら、実際の業務で使える計算例を見てみましょう。
消費税の計算
商品の税込価格を求めるには、価格に1.1を掛けます。
たとえば、A列に商品名、B列に税抜価格が入っている場合はこうなります。
=B2*1.1
消費税率が変わっても対応できるように、税率をセルに入力して絶対参照で指定するのがおすすめです。
たとえば、D1に「1.1」と入力しておきます。
=B2*$D$1
こうすれば、D1の値を変更するだけで全行の計算が更新されます。
前年比(成長率)の計算
前年比は「今年の値 ÷ 前年の値」で求められます。
=B2/C2
結果を「120%」のようにパーセントで表示したい場合は、セルの表示形式を「パーセンテージ」に変更してください。
増減率(何%増えたか)を求めたいときはこうします。
=(B2-C2)/C2
合計金額の計算(単価 × 数量)
見積書や請求書でよくある「単価 × 数量」の計算です。
=B2*C2
B列に単価、C列に数量が入っている場合にこの数式を使います。
たくさんの行をまとめて合計したいときは、SUM関数を組み合わせると効率的です。
平均値の計算
テストの平均点や月次売上の平均など、平均値を求める場面も多いですよね。
平均は「合計 ÷ 個数」で計算できます。
=(B2+B3+B4+B5)/4
ただし、対象セルが多い場合はAVERAGE関数を使いましょう。
範囲を指定するだけで平均値を求められます。
=AVERAGE(B2:B5)
四則演算の計算結果を丸める方法
四則演算で出た計算結果を、そのまま使うと端数が邪魔になることがあります。
消費税で「1,234.56789…円」のような半端な数値が出たとき、そのままでは困りますよね。
そんなときは、丸め関数を組み合わせましょう。
四捨五入する(ROUND関数)
消費税の計算結果を小数点以下で四捨五入する例です。
=ROUND(B2*1.1, 0)
第2引数の「0」は「小数点以下を丸める」という意味です。
詳しい桁数の指定方法はROUND関数の使い方で解説しています。
切り捨てる(INT関数 / FLOOR関数)
割り算の結果から整数部分だけを取り出したい場合は、INT関数が便利です。
=INT(B2/C2)
「100円単位で切り捨て」のように倍数で丸めたい場合は、FLOOR関数を使います。
=FLOOR(B2*1.1, 100)
指定した倍数で丸める(MROUND関数)
「50円単位」「500円単位」のように、特定の倍数に丸めたい場合はMROUND関数が便利です。
=MROUND(B2*1.1, 50)
丸め関数の使い分け
丸め関数にはROUND・INT・FLOOR・CEILINGなど複数の種類があります。それぞれの違いはROUND関数の丸め6種の使い分けでまとめて解説しています。
四則演算で便利な関数との使い分け
四則演算の演算子だけでも計算はできますが、大量のデータを扱う場合は関数を使ったほうが効率的です。
| やりたいこと | 演算子 | 関数 | 使い分けの目安 |
|---|---|---|---|
| 複数セルの合計 | =A1+A2+A3+… | =SUM(A1:A10) | 3セル以上なら関数が楽 |
| 複数セルの平均 | =(A1+A2+A3)/3 | =AVERAGE(A1:A10) | 3セル以上なら関数が楽 |
| 複数セルの掛け算 | =A1A2A3*… | =PRODUCT(A1:A10) | 3セル以上なら関数が楽 |
| 割り算の商(整数) | – | =QUOTIENT(A1,B1) | 整数の商が必要なとき |
| 割り算の余り | – | =MOD(A1,B1) | 余りが必要なとき |
| 計算結果の四捨五入 | – | =ROUND(A1/B1, 0) | 端数を丸めたいとき |
少ないセル(2〜3個)の計算なら演算子で十分です。
セルが多い場合やコピーして使い回す場合は、関数を使うとミスを防げます。
それぞれの関数の詳しい使い方は、以下の記事で解説しています。
四則演算でよくあるエラーと対処法
四則演算をしていると、計算結果の代わりにエラーが表示されることがあります。
ここではよくあるエラーと対処法を紹介します。
| エラー・症状 | 原因 | 対処法 |
|---|---|---|
| #DIV/0! | 0や空白セルで割り算した | 割る側のセルを確認する / IFERROR関数で囲む |
| #VALUE! | 文字列を含むセルで計算した | セルの値や表示形式を確認する |
| 循環参照の警告 | 自分自身のセルを参照している | 数式の参照先を別セルに修正する |
| 計算結果がずれる | 浮動小数点の誤差 | ROUND関数で丸める |
#DIV/0! エラー
原因: 0または空白のセルで割り算をした場合に発生します。
=10/0
このように0で割ると「#DIV/0!」が表示されます。
対処法: 割る側のセルが0や空白でないか確認しましょう。
データが未入力の場合にエラーを避けたいときは、IFERROR関数で囲むのがおすすめです。
=IFERROR(B2/C2,"")
こうすると、エラーになる場合は空白が表示されます。
#VALUE! エラー
原因: 数値以外のデータ(文字列)を含むセルで計算した場合に発生します。
たとえば、A1に「東京」(文字列)が入っているとき、次の数式を入力すると「#VALUE!」が表示されます。
=A1+10
対処法: 計算に使うセルに文字列が混ざっていないか確認してください。
数字に見えても「文字列として入力されている」ケースがあるので、セルの表示形式も確認しましょう。
循環参照の警告
原因: 数式が自分自身のセルを参照している場合に発生します。
たとえば、A1に次の数式を入力すると循環参照になります。
=A1+10
A1の計算にA1自身が必要なので、永遠に計算が終わりません。
Excelが警告メッセージを表示してくれます。
対処法: 数式の参照先を確認して、自分自身を含んでいないか確認しましょう。
意図せずセルをずらし忘れたケースが大半です。
計算結果が微妙にずれる(浮動小数点の誤差)
Excelでは、小数の計算で微妙な誤差が出ることがあります。
=0.1+0.2
結果は「0.3」と表示されますが、内部的には「0.30000000000000004」のような値になっています。
これはExcelの仕様で、コンピュータの小数計算で避けられない現象です。
対処法: 比較や集計で誤差が問題になる場合は、ROUND関数で丸めてから使いましょう。
=ROUND(0.1+0.2, 1)
エラーの種類をもっと詳しく知りたい方は、Excelのエラー値一覧の記事も参考にしてみてください。
まとめ
この記事では、Excelでの四則演算の方法を基本から実務活用まで解説しました。
ポイントをおさらいしましょう。
- 数式は 「=」から始める のがルール
- 掛け算は「*」、割り算は「/」を使う(「×」「÷」は使えない)
- 実務では セル参照 を使うのが基本(相対参照と絶対参照を使い分ける)
- 計算の順番を変えたいときは 括弧 () を使う
- 端数が出たら ROUND関数やINT関数 で丸める
- 大量のデータには SUM関数やPRODUCT関数 が便利
- #DIV/0! や #VALUE! エラーが出たら原因を確認
四則演算はExcelの土台となる操作です。
ここをしっかり押さえておけば、もっと高度な関数や機能もスムーズに覚えられますよ。
Excelの関数をもっと学びたい方は、機能別エクセル関数一覧も活用してみてください。
この記事で紹介した関数・関連記事
- SUM関数の使い方 – 複数セルの合計を一発で求める
- AVERAGE関数の使い方 – 平均値を求める
- PRODUCT関数の使い方 – 複数セルの掛け算をまとめて行う
- QUOTIENT関数の使い方 – 割り算の商(整数部分)を求める
- MOD関数の使い方 – 割り算の余りを求める
- ROUND関数の使い方 – 計算結果を四捨五入する
- INT関数の使い方 – 小数を整数に切り捨てる
- IFERROR関数の使い方 – エラー表示を防ぐ
- Excelのエラー値一覧 – エラーの種類と対処法まとめ
- 機能別エクセル関数一覧 – 目的から関数を探す
