ExcelのSIN関数やCOS関数を使おうとして、思った通りの結果にならなかった経験はありませんか。「=SIN(30)」と入力しても0.5にならず、見慣れない数値が返ってきて困りますよね。
原因はExcelの三角関数が「ラジアン」という単位を使うからです。RADIANS関数を使えば、普段なじみのある角度(度数法)をラジアンに変換できますよ。
この記事では、RADIANS関数の基本的な書き方から、SIN・COS・TANとの組み合わせ方、DEGREES関数との違いまで解説します。
ExcelのRADIANS関数とは?
RADIANS関数は、角度(度数法)をラジアン(弧度法)に変換するExcelの関数です。読み方は「ラジアン」です。
ラジアンとは、円の半径と同じ長さの弧に対する中心角のことです。360度がちょうど2π(約6.2832)ラジアンに相当します。
ExcelのSIN関数やCOS関数、TAN関数は、すべてラジアン単位の値を引数に取ります。「30度のサインを求めたい」というときには、まずRADIANS関数で30をラジアンに変換してからSIN関数に渡す必要があるのです。
対応バージョンはExcel 2003以降で、Microsoft 365でも使えます。
RADIANS関数の書き方(構文と引数)
基本構文
=RADIANS(角度)
引数は「角度」の1つだけです。とてもシンプルな関数ですよ。
引数の説明
| 引数 | 必須/省略可 | 説明 |
|---|---|---|
| 角度 | 必須 | ラジアンに変換したい角度を度数法で指定します |
角度にはセル参照や数値を直接入力できます。負の値も指定可能で、たとえば「-90」を渡すと「-π/2(約-1.5708)」が返ります。
内部的には、次の計算が行われています。
ラジアン = 角度 × π ÷ 180
つまり =RADIANS(180) と =PI() は同じ値(約3.1416)を返しますよ。PI関数もあわせて覚えておくと便利です。
RADIANS関数の基本的な使い方
代表的な角度をRADIANS関数で変換すると、次のようになります。
| 数式 | 結果(ラジアン) | 補足 |
|---|---|---|
| =RADIANS(0) | 0 | 0度 |
| =RADIANS(30) | 約0.5236 | π/6 |
| =RADIANS(45) | 約0.7854 | π/4 |
| =RADIANS(60) | 約1.0472 | π/3 |
| =RADIANS(90) | 約1.5708 | π/2 |
| =RADIANS(180) | 約3.1416 | π |
| =RADIANS(360) | 約6.2832 | 2π |
セル参照を使う場合は、A1セルに角度を入力しておき、別のセルに =RADIANS(A1) と入力します。A1の値を変えるだけで変換結果が自動更新されるので便利です。
RADIANS関数の実践的な使い方・応用例
SIN・COS・TANと組み合わせる
RADIANS関数の一番多い使い道は、三角関数と組み合わせることです。
たとえば「30度のサイン」を求めるには、次のように書きます。
=SIN(RADIANS(30))
この数式は0.5を返します。RADIANS(30)でまず30度をラジアン(約0.5236)に変換し、その値をSIN関数に渡しています。
同じように、60度のコサインや45度のタンジェントも求められます。
| 求めたい値 | 数式 | 結果 |
|---|---|---|
| sin 30° | =SIN(RADIANS(30)) | 0.5 |
| cos 60° | =COS(RADIANS(60)) | 0.5 |
| tan 45° | =TAN(RADIANS(45)) | 1 |
| sin 90° | =SIN(RADIANS(90)) | 1 |
| cos 0° | =COS(RADIANS(0)) | 1 |
三角関数をExcelで使う場合は、ほぼ必ずRADIANS関数とセットになります。「三角関数の前にはRADIANS」と覚えておきましょう。
座標の回転計算に使う
点(x, y)を原点を中心にθ度回転させたい場合の計算式です。
回転後のx = x × COS(RADIANS(θ)) - y × SIN(RADIANS(θ))
回転後のy = x × SIN(RADIANS(θ)) + y × COS(RADIANS(θ))
たとえば点(3, 4)を90度回転させる場合は、次のように入力します。
=3*COS(RADIANS(90))-4*SIN(RADIANS(90)) → 結果: -4
=3*SIN(RADIANS(90))+4*COS(RADIANS(90)) → 結果: 3
建築・測量のデータ処理や、グラフ上の座標計算に活用できますよ。
逆三角関数の結果を度数法に戻す
ASIN関数やACOS関数、ATAN関数などの逆三角関数はラジアンで結果を返します。度数法に戻したいときはDEGREES関数を使います。
=DEGREES(ASIN(0.5)) → 結果: 30(度)
RADIANS関数で「度→ラジアン」、DEGREES関数で「ラジアン→度」と覚えておくと、変換の方向で迷うことがなくなりますよ。
よくあるエラーと対処法
#VALUE!エラー
角度に文字列を指定すると#VALUE!エラーが発生します。
=RADIANS("三十") → #VALUE!エラー
セル参照先に文字列が入っている場合も同様です。角度は必ず数値で指定してください。
数値と文字列が混在するセル範囲を扱う場合は、ISNUMBER関数で事前にチェックすると安心です。
=IF(ISNUMBER(A1), RADIANS(A1), "数値を入力してください")
#NAME?エラー
関数名のスペルを間違えると#NAME?エラーが表示されます。
=RADIAN(30) → #NAME?エラー(正しくはRADIANS)
「RADIAN」ではなく「RADIANS」と末尾に「S」が必要です。入力時にオートコンプリートの候補から選ぶとスペルミスを防げますよ。
RADIANS関数とDEGREES関数の違い
RADIANS関数とDEGREES関数は、変換の方向が正反対の関数です。
| 項目 | RADIANS関数 | DEGREES関数 |
|---|---|---|
| 変換方向 | 度 → ラジアン | ラジアン → 度 |
| 構文 | =RADIANS(角度) | =DEGREES(ラジアン) |
| 使用例 | =RADIANS(90) → 約1.5708 | =DEGREES(1.5708) → 約90 |
| 主な用途 | SIN/COS/TANに角度を渡す前の変換 | ASIN/ACOS/ATANの結果を度に戻す |
この2つの関数は逆関数の関係にあります。つまり、次の数式は元の値に戻ります。
=DEGREES(RADIANS(90)) → 90
=RADIANS(DEGREES(1.5708)) → 約1.5708
三角関数を使った計算では、入口でRADIANS、出口でDEGREESを使うパターンが定番です。
まとめ
RADIANS関数は、角度(度数法)をラジアン(弧度法)に変換する関数です。
ポイントを整理しておきましょう。
- 構文は
=RADIANS(角度)で、引数は1つだけ - ExcelのSIN・COS・TANはラジアンを引数に取るため、度数法の角度を使う場合はRADIANS関数での変換が必須
- 逆の変換(ラジアン→度)にはDEGREES関数を使う
- 文字列を渡すと#VALUE!エラー、スペルミスで#NAME?エラーが出る
三角関数を使う場面では、RADIANS関数はほぼ必須のパートナーです。SIN・COS・TANと一緒に覚えておくと、計算がスムーズに進みますよ。
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