Excelで消費税を計算したら「1078.2円」のような端数が出てきた経験はありませんか。切り捨てると請求漏れになりそうだし、四捨五入だと基準があいまいで不安が残ります。
ROUNDUP関数を使えば、指定した桁数で「値そのもの」を常に切り上げられます。この記事では基本の書き方から桁数の指定パターン、実務での活用例、似た関数との使い分けまでまとめて紹介します。
この記事は次のような人におすすめ
ROUNDUP関数とは?
ROUNDUP(ラウンドアップ)関数は、数値を指定した桁数で常に切り上げる関数です。名前は英語の「round up(上方向に丸める)」に由来しています。
たとえば「3.141」を小数第2位で切り上げると「3.15」になります。四捨五入ではないので、小数第3位が「1」であっても必ず切り上がります。常にゼロから遠い方向へ丸めるのがポイントです。
Excel 97以降のすべてのバージョンで使用でき、Microsoft 365やGoogleスプレッドシートにも対応しています。
ROUNDUP関数の書き方(構文と引数)
基本構文
=ROUNDUP(数値, 桁数)
引数は2つだけ。どちらも必須です。
引数の説明
| 引数 | 必須/任意 | 内容 |
|---|---|---|
| 数値(number) | 必須 | 切り上げたい数値。セル参照や数式もOK |
| 桁数(num_digits) | 必須 | 何桁まで残して切り上げるかを指定する整数 |
桁数に小数を渡した場合は、整数部分だけが使われます。たとえば桁数に「1.9」を指定しても「1」として扱われます。
桁数(第2引数)の指定パターン
ROUNDUP関数の使いこなしは、この桁数の理解がカギです。正・0・負の3パターンを表にまとめます。
| 桁数 | 切り上げ方 | 例: ROUNDUP(1234.567, 桁数) | 結果 |
|---|---|---|---|
| 2 | 小数第2位まで残す | =ROUNDUP(1234.567, 2) | 1234.57 |
| 1 | 小数第1位まで残す | =ROUNDUP(1234.567, 1) | 1234.6 |
| 0 | 整数に切り上げる | =ROUNDUP(1234.567, 0) | 1235 |
| -1 | 10の位で切り上げる | =ROUNDUP(1234.567, -1) | 1240 |
| -2 | 100の位で切り上げる | =ROUNDUP(1234.567, -2) | 1300 |
| -3 | 1000の位で切り上げる | =ROUNDUP(1234.567, -3) | 2000 |
覚え方は「正の桁数は小数点の右側を残す」「負の桁数は整数部分を大きな単位で切り上げる」です。ROUND関数と桁数の考え方は同じなので、ROUNDを使ったことがあればすぐに慣れます。
ROUNDUP関数の使い方と実務活用例
数値を直接入力する
もっともシンプルな使い方です。
=ROUNDUP(3.14159, 2)
結果は「3.15」です。小数第3位以降がすべて切り上げられます。
セル参照を使う
A1に「1234.567」が入っているとき、整数に切り上げてみましょう。
=ROUNDUP(A1, 0)
結果は「1235」です。小数部分が少しでもあれば、整数が1つ繰り上がります。
数式の結果をそのまま切り上げる
他の関数と組み合わせると、計算結果を直接切り上げられます。
=ROUNDUP(B2 * 1.1, 0)
B2に「985」が入っていれば、985 x 1.1 = 1083.5 です。結果は「1084」になります。端数を取りこぼしたくない計算に便利です。
整数部分を大きな位で切り上げる
桁数に負の数を指定すると、整数部分を丸められます。
=ROUNDUP(48100, -3)
結果は「49000」です。千の位より下に端数があれば千円単位で繰り上がるので、予算見積もりに役立ちます。
ここからは、実務でよく使うパターンを紹介します。
消費税の端数を切り上げる
契約で「消費税の端数は切り上げ」と決まっている場合に使います。B2に税抜価格が入っているとします。
=ROUNDUP(B2 * 0.1, 0)
B2が「1,980円」なら 1980 x 0.1 = 198 で、結果は「198」です。税抜価格が「1,985円」なら 1985 x 0.1 = 198.5 となり、結果は「199」に切り上がります。
四捨五入・切り捨ての場合は?
取引先との契約で「消費税は四捨五入」ならROUND関数、「切り捨て」ならROUNDDOWN関数を使ってください。関数名を変えるだけで切り替えられます。
必要な箱数を求める(天井計算)
商品120個を1箱50個入りの段ボールに詰めるとき、何箱必要かを計算します。
=ROUNDUP(120/50, 0)
120 / 50 = 2.4 なので、結果は「3」です。2箱では20個入りきらないため、3箱必要になります。この「余りが出たら1つ多く用意する」パターンはROUNDUP関数の代表的な使いどころです。
予算を千円単位で切り上げる
社内稟議で予算を余裕を持たせたい場面です。
=ROUNDUP(A2, -3)
A2に「1,234,567円」が入っていれば結果は「1,235,000円」です。千円未満が切り上がるので、見積もりに安全マージンを持たせたいときに重宝します。
平均値を小数第1位で切り上げる
テスト結果やアンケートの平均スコアを控えめではなく安全側で表示したい場面です。
=ROUNDUP(AVERAGE(B2:B10), 1)
平均が「3.812」なら結果は「3.9」です。切り上げなので「3.8」にはなりません。「合格ラインを厳しく判定したい」ときに向いています。
SUM関数と組み合わせて合計を切り上げる
複数の金額を合計してから端数処理したいケースです。
=ROUNDUP(SUM(A2:A10) * 1.1, 0)
この式では、A2からA10の合計に消費税10%をかけた結果を切り上げて整数にしています。個別に切り上げるより合計後にまとめて処理したほうが金額のズレが小さくなります。
よくあるエラーと対処法
| 症状 | 原因 | 対処法 |
|---|---|---|
| #VALUE! エラー | 引数に数値として認識できない文字列が入っている | セル参照先に全角数字やスペースが混入していないか確認する |
| 結果が想定と異なる | 桁数の指定ミス(正負を逆にしている) | 正の桁数は小数側、負の桁数は整数側を切り上げる |
| 予想以上に大きい値になる | 負の桁数が大きすぎる | =ROUNDUP(99, -3) は「1000」になる。桁数を見直す |
| 小数の誤差が出る | 浮動小数点の内部誤差 | =ROUNDUP(2.0-1.1, 1) の結果を確認。気になる場合はROUND関数と併用する |
負の数の切り上げ方向
ROUNDUP関数は常に「ゼロから遠い方向」に切り上げます。
=ROUNDUP(-3.2, 0)
結果は「-4」です。「-3」ではありません。負の数の場合は絶対値を大きくする方向に丸める点に注意してください。
正の数なら値が大きくなり、負の数なら値が小さくなる(絶対値は大きくなる)と覚えておくと混乱しにくいです。
似た関数との違い・使い分け
Excelには切り上げ関連の関数がいくつかあります。どれを使うか迷ったときは、以下の比較表を参考にしてください。
| 関数 | 切り上げ方 | 引数 | 使いどころ |
|---|---|---|---|
| ROUNDUP | 桁数指定で切り上げ | 桁数 | 消費税・必要数の切り上げ |
| CEILING | 倍数指定で切り上げ | 倍数 | 15分単位・100円単位の切り上げ |
| INT | 整数に切り捨て | なし | 整数部分だけ取り出したいとき |
ROUNDUP と CEILING の違い
ROUNDUPは「桁数」で指定し、CEILING関数は「倍数」で指定します。
=ROUNDUP(17, -1)
=CEILING(17, 5)
ROUNDUPの結果は「20」(10の位で切り上げ)、CEILINGの結果は「20」(5の倍数で切り上げ)です。この例ではたまたま同じ結果ですが、考え方が違います。「5の倍数」「15分刻み」のような任意の倍数にはCEILING関数が向いています。
ROUNDUP と ROUNDDOWN の違い
方向が正反対です。ROUNDUPは常にゼロから遠い方向、ROUNDDOWN関数は常にゼロに近い方向に丸めます。
=ROUNDUP(3.14, 1)
=ROUNDDOWN(3.14, 1)
ROUNDUPの結果は「3.2」、ROUNDDOWNの結果は「3.1」です。「多めに見積もりたい」ならROUNDUP、「少なめに見積もりたい」ならROUNDDOWNを選んでください。
丸め関数6種の早見表
切り上げだけでなく、四捨五入や切り捨ても含めた全体の関係を整理します。
| 関数 | 丸め方 | 第2引数 | 使いどころ |
|---|---|---|---|
| ROUND | 四捨五入 | 桁数 | 一般的な端数処理 |
| ROUNDUP | 常に切り上げ | 桁数 | 必要数の計算(箱数など) |
| ROUNDDOWN | 常に切り捨て | 桁数 | 控えめな見積もり・消費税切り捨て |
| MROUND | 倍数で四捨五入 | 倍数 | 500円単位、15分単位など |
| FLOOR | 倍数で切り捨て | 倍数 | 勤怠の時間切り捨て |
| CEILING | 倍数で切り上げ | 倍数 | 料金の切り上げ(タクシー料金など) |
「桁数で丸めたい」ならROUND系3兄弟(ROUND/ROUNDUP/ROUNDDOWN)、「特定の倍数で丸めたい」ならMROUND/FLOOR/CEILINGと覚えておくとスムーズです。
まとめ
ROUNDUP関数は、数値を指定した桁数で常に切り上げるときに使う関数です。
ポイントを整理します。
- 構文は
=ROUNDUP(数値, 桁数)の2引数だけ - 常に「ゼロから遠い方向」に切り上げる(四捨五入ではない)
- 桁数が正なら小数側、0なら整数に、負なら大きな位で切り上げる
- 消費税の切り上げ、必要箱数の計算、予算の千円単位処理に便利
- 四捨五入ならROUND、切り捨てならROUNDDOWN、倍数指定ならCEILINGを使い分ける
まずは =ROUNDUP(A1, 0) で整数に切り上げるところから試してみてください。
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