スプレッドシートのCOTH関数の使い方|双曲線余接

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スプレッドシートで「双曲線余接(ハイパボリックコタンジェント)」を計算したいとき、どの関数を使えばいいか迷っていませんか?

双曲線関数の中でもコタンジェント系はなじみが薄くて、書き方がわからないですよね。

そんなときに使うのがCOTH関数です。=COTH(値) と書くだけで、双曲線余接をかんたんに求められます。数学的にはTANH関数の逆数にあたる関数ですよ。

この記事では基本の書き方から、TANH関数との関係、COT関数との違い、引数0でエラーになる注意点まで紹介します。

スプレッドシートのCOTH関数とは?

COTH関数(読み方: ハイパボリックコタンジェント関数)は、指定した値の双曲線余接を返す関数です。名前は英語の「Hyperbolic Cotangent」の略に由来します。

たとえば =COTH(1) と入力すると「1.31303…」が返ります。これが1の双曲線余接の値です。

COTH関数の特徴は、TANH関数の逆数であることです。TANH(x)の結果が-1から1の範囲に収まるのに対して、COTH(x)の結果は1より大きいか-1より小さい値になります。

COTH関数にできることをまとめると、次のとおりです。

  • 指定した値の双曲線余接を返す
  • TANH関数の逆数として検算に使う
  • COSH関数SINH関数の比として計算する
  • 物理学・工学の計算に活用する

NOTE

COTH関数はGoogleスプレッドシートの全バージョンで使えます。Excelとも完全に互換性があるので、ファイルのやり取りでも安心です。

COTH関数の書き方(構文と引数)

基本構文

=COTH(値)

カッコの中に、双曲線余接を求めたい数値を指定します。

引数の説明

引数必須/任意説明
必須双曲線余接を求めたい実数値(0以外)

引数は1つだけです。COT関数とは違い、ラジアンへの変換は不要です。そのまま数値を渡せばOKですよ。

ただし 引数に0は指定できません。COTH(0)は数学的に定義されないため、エラーになります。

TIP

COT関数は引数に「角度(ラジアン)」を取りますが、COTH関数は「任意の実数値(0以外)」を取ります。RADIANS関数での変換は必要ありません。

COTH関数の基本的な使い方

代表的な値でCOTH関数の動きを確認してみましょう。

正の値を渡す

=COTH(1)

結果は「1.31303…」です。

もう少し大きい値も見てみます。

=COTH(2)

結果は「1.03731…」です。値が大きくなるにつれて1に近づいていくのがポイントですね。

負の値を渡す

=COTH(-1)

結果は「-1.31303…」です。COTH(1)の符号を反転した値になっています。

これはCOTH関数が「奇関数」だからです。COTH(-x) = -COTH(x) が常に成り立ちます。

0を渡すとエラーになる

=COTH(0)

この数式は #DIV/0! エラーになります。COTH = COSH/SINH で、SINH(0) = 0 なので「0で割る」ことになるためです。

これはCOTH関数で一番注意が必要なポイントですよ。

まとめると

代表的な入力値と結果を一覧にまとめます。

数式結果備考
=COTH(0)#DIV/0!0は定義されない
=COTH(0.5)2.16395…1からかなり離れた値
=COTH(1)1.31303…基本値
=COTH(2)1.03731…1に近づく
=COTH(5)1.00001…ほぼ1
=COTH(-1)-1.31303…奇関数(符号反転)
=COTH(-2)-1.03731…-1に近づく

値が大きくなると1に、小さくなると-1に近づきます。ただし、1や-1にはなりません。

セル参照を使う

もちろんセル参照も使えます。A1セルに数値が入っていれば、次のように書きます。

=COTH(A1)

A列に複数の値を入れて、B列にCOTH関数を並べれば一括計算もできますよ。

COTH関数の数学的な仕組み

定義式とSINH・COSH関数での検算

COTH関数は数学的に次のように定義されています。

COTH(x) = COSH(x) / SINH(x)

つまり、COSH関数(双曲線余弦)をSINH関数(双曲線正弦)で割った値です。スプレッドシートでは次のように検算できます。

=COSH(A1)/SINH(A1)

この式とCOTH(A1)は同じ結果を返します。実際にA1に「1」を入れて確認してみましょう。

数式結果
=COTH(1)1.31303…
=COSH(1)/SINH(1)1.31303…

どちらも同じ値ですね。

TANH関数との逆数関係

COTH関数はTANH関数の逆数でもあります。

COTH(x) = 1 / TANH(x)

スプレッドシートで確認してみましょう。

数式結果
=COTH(1)1.31303…
=1/TANH(1)1.31303…

どちらも同じ値です。COTH関数がないバージョンでも =1/TANH() で代用できますよ。

EXP関数を使った定義式

COTH関数はEXP関数でも表現できます。

COTH(x) = (e^x + e^(-x)) / (e^x - e^(-x))

スプレッドシートの式にすると、次のとおりです。

=(EXP(A1)+EXP(-A1))/(EXP(A1)-EXP(-A1))

この式がCOTH(A1)と同じ結果になることも確認できます。COTH関数の結果が正しいか不安なときは、EXP関数を使った式で検算してみてください。

TIP

EXP関数はネイピア数eのべき乗を返す関数です。詳しくはEXP関数の記事をご覧ください。

COT関数との違い

名前は似ていますが、COT関数とCOTH関数はまったく別の関数です。

項目COT関数COTH関数
正式名称余接(コタンジェント)双曲線余接(ハイパボリックコタンジェント)
数学的な背景円(三角関数)双曲線(双曲線関数)
引数角度(ラジアン)任意の実数値(0以外)
値の範囲制限なし(-無限大 から +無限大)1より大きい、または-1より小さい
RADIANS変換必要不要
周期性あり(πごとに繰り返す)なし
逆数の関係1/TAN(x)1/TANH(x)

一番大きな違いは「数学的な背景」です。COT関数は三角関数で円に基づく計算をしますが、COTH関数は双曲線関数で双曲線に基づく計算をします。

もうひとつの違いは「引数」です。COT関数はラジアン単位の角度を受け取るのでRADIANS関数での変換が必要ですが、COTH関数はそのまま数値を渡せます。

詳しくはCOT関数の記事も参考にしてみてください。

よくあるエラーと対処法

COTH関数でよくあるトラブルをまとめます。

症状原因対処法
#DIV/0! エラー引数に0を渡した0以外の値を指定する。IF関数で0を除外する
#VALUE! エラー引数に文字列を渡した数値またはセル参照を指定する
COT関数と結果が違う関数を間違えているCOTは三角関数、COTHは双曲線関数。目的に合った方を使う
結果が1に近すぎる入力値が大きすぎるCOTH関数は値が大きくなると1に近づく性質がある

引数に0を渡したとき

=COTH(0)

結果は #DIV/0! エラーです。COTH(0)は数学的に定義されないため、このエラーは正しい動作です。

セルの値が0になる可能性がある場合は、IF関数で事前にチェックしましょう。

=IF(A1=0, "定義なし", COTH(A1))

この式なら、A1が0のときはエラーにならず「定義なし」と表示されます。

文字列を渡したとき

=COTH("abc")

結果は #VALUE! エラーです。引数には必ず数値を渡してください。セル参照の場合は、参照先が数値であることを確認しましょう。

結果が1に近すぎるとき

=COTH(10)

結果は「1.00000…」で、ほぼ1です。COTH関数は入力が大きくなると急速に1に近づくため、差が見えにくくなることがあります。

この性質はCOTH関数の正常な動作です。細かい差が必要な場合は、入力値の範囲を小さくするか、別の関数を検討してみてください。

似た関数との違い・使い分け

関数動作引数用途
COTH双曲線余接を返す実数値(0以外)TANH関数の逆数計算
TANH双曲線正接を返す実数値正規化・スコアリング
SINH双曲線正弦を返す実数値カテナリー曲線・物理計算
COSH双曲線余弦を返す実数値カテナリー曲線のy座標
COT余接(コタンジェント)を返す角度(ラジアン)三角関数・水平距離の計算
EXPeのべき乗を返す指数指数関数・成長率計算

SINH・COSH・TANH・COTHは双曲線関数の仲間です。三角関数のSIN・COS・TAN・COTに対応する関係ですね。

双曲線関数の間には次の関係が成り立ちます。

COTH(x) = COSH(x) / SINH(x) = 1 / TANH(x)
COSH(x)^2 - SINH(x)^2 = 1

三角関数では COT = COS/SIN = 1/TAN ですが、双曲線関数でも COTH = COSH/SINH = 1/TANH と同じ構造になっています。

まとめ

COTH関数は、指定した値の双曲線余接(ハイパボリックコタンジェント)を返す関数です。

ポイントを整理します。

  • 構文は =COTH(値) で、引数は0以外の実数値
  • COT関数と違い、ラジアン変換は不要
  • COTH(1)=1.31303 が代表的な値
  • 定義式は COSH(x)/SINH(x) で、TANH関数の逆数
  • 引数に0を渡すと #DIV/0! エラーになるので注意
  • 値が大きくなると1に、小さくなると-1に近づく

まずは =COTH(1) で1.31303が返ることを確認してみてください。

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