スプレッドシートのROUNDDOWN関数の使い方|切り捨て
スプレッドシートで消費税を計算したとき、「123.4円」のように端数が出ることがありますよね。社内ルールで「消費税は切り捨て」と決まっているのに、四捨五入では124円になってしまいます。
こんなふうに、端数を必ず切り捨てたい場面は意外と多いものです。ROUND関数だと四捨五入で金額が上がってしまうケースがあります。
そこで使うのがROUNDDOWN関数です。端数を常に切り捨てて、余分な金額を乗せない計算ができます。
この記事では基本の書き方から桁数の指定パターン、実務での使いどころまで紹介します。
ROUNDDOWN関数とは?
ROUNDDOWN関数(読み方: ラウンドダウン関数)は、数値を指定した桁数で常に切り捨てる関数です。
名前は英語の「round down(切り捨てる)」が由来です。たとえば「2.39」を小数第1位で切り捨てると「2.3」になります。端数が「9」であっても切り上がることはありません。常にゼロに近い方向へ丸めるのが特徴です。
ROUND関数との違いは「丸めの方向」です。ROUND関数は四捨五入なので端数の大きさで結果が変わります。一方、ROUNDDOWN関数は端数を必ず切り捨てます。
ROUNDDOWN関数にできることをまとめると、次のとおりです。
- 小数を指定した桁数で切り捨てる
- 整数部分を10の位・100の位などで切り捨てる
- 消費税の端数切り捨て処理に使う
- 割引率や勤怠時間の端数を切り捨てる
NOTE
ROUNDDOWN関数はGoogleスプレッドシートの全バージョンで使えます。Excelとの互換性も完全なので、ファイルのやり取りでも安心です。
ROUNDDOWN関数の書き方(構文と引数)
基本構文
=ROUNDDOWN(値, 桁数)
カッコの中に「切り捨てたい数値」と「何桁まで残すか」を指定します。
引数の説明
| 引数 | 必須/任意 | 説明 |
|---|---|---|
| 値 | 必須 | 切り捨てたい数値やセル参照、数式 |
| 桁数 | 必須 | 何桁に丸めるかを指定する整数 |
引数は2つだけです。どちらも省略できません。
構文はROUND関数と同じです。ROUNDUP関数とも共通です。違うのは「端数をどう処理するか」だけ。ROUND関数の経験があれば、関数名の書き換えだけで済みます。
桁数(第2引数)の指定パターン
ROUNDDOWN関数の使いこなしは桁数の理解がカギです。正・0・負の3パターンを表にまとめます。
| 桁数 | 丸め方 | 例: ROUNDDOWN(1234.567, 桁数) | 結果 |
|---|---|---|---|
| 2 | 小数第2位まで残す(第3位を切り捨て) | =ROUNDDOWN(1234.567, 2) | 1234.56 |
| 1 | 小数第1位まで残す(第2位を切り捨て) | =ROUNDDOWN(1234.567, 1) | 1234.5 |
| 0 | 整数に切り捨てる | =ROUNDDOWN(1234.567, 0) | 1234 |
| -1 | 10の位で切り捨てる | =ROUNDDOWN(1234.567, -1) | 1230 |
| -2 | 100の位で切り捨てる | =ROUNDDOWN(1234.567, -2) | 1200 |
| -3 | 1000の位で切り捨てる | =ROUNDDOWN(1234.567, -3) | 1000 |
覚え方はシンプルです。「正の桁数は小数点の右側を残す」「負の桁数は整数部分を大きな位で切り捨てる」と考えてみてください。
TIP
桁数の考え方はROUND関数・ROUNDUP関数と同じです。ROUNDで桁数を理解できていれば、そのままROUNDDOWNに使い回せます。
ROUNDDOWN関数の基本的な使い方
数値を直接入力する
もっともシンプルな使い方です。
=ROUNDDOWN(3.14159, 2)
結果は「3.14」です。小数第3位の「1」はROUND関数でも切り捨てです。仮に「3.149」でもROUNDDOWN関数なら確実に「3.14」です。
セル参照を使う
A1に「2.8」が入っているとします。整数に切り捨ててみましょう。
=ROUNDDOWN(A1, 0)
結果は「2」です。小数部分が「.8」と大きくても、切り捨てて「2」になります。ROUND関数なら「3」に四捨五入されますが、ROUNDDOWNは常に切り捨てです。
数式の結果をそのまま切り捨てる
他の関数と組み合わせると、計算結果を直接切り捨てられます。消費税の計算結果を切り捨てる例です。
=ROUNDDOWN(A1*0.1, 0)
このように書けば、計算してから別セルで切り捨てる手間が省けます。この形は後述する「消費税の切り捨て」や「割引額の計算」で活躍します。
実務でのROUNDDOWN関数活用例
消費税の切り捨て計算
もっとも使用頻度が高いパターンです。社内ルールや取引先との契約で「消費税は切り捨て」と決まっている場合に使います。
B2に税抜価格が入っているとします。
=ROUNDDOWN(B2*0.1, 0)
たとえば税抜1,234円なら「1234 x 0.1 = 123.4」で、結果は「123円」です。ROUND関数でも同じ「123円」ですが、問題は端数が5以上のとき。税抜1,235円なら「123.5」で四捨五入では「124円」になります。切り捨てなら「123円」。1円の差が請求書に影響します。
税込合計を一発で出すなら次のように書きます。
=B2+ROUNDDOWN(B2*0.1, 0)
TIP
消費税の端数処理は法律で定められていません。取引先や社内ルールに従ってください。四捨五入ならROUND関数、切り上げならROUNDUP関数を使い分けましょう。
勤怠時間の端数切り捨て
「15分未満の残業は切り捨て」というルールの会社で使えるパターンです。C2に残業時間(時間形式)が入っているとします。
分単位に変換してから15分単位で切り捨てる方法です。
=ROUNDDOWN(C2*24*60/15, 0)*15/60/24
やっていることはシンプルです。時間を分に変換し、15で割ってROUNDDOWNで整数に切り捨て、もう一度時間に戻しています。たとえば「1:47」(1時間47分)なら、47÷15=3.13…で切り捨てて3。3 x 15=45分で「1:45」になります。
NOTE
勤怠の端数処理はFLOOR関数でも実現できます。FLOOR関数は「倍数で切り捨て」なので、15分単位の丸めには直感的です。
割引額の端数切り捨て
セールの割引額を計算するとき、端数を切り捨てるケースです。A2に定価、B2に割引率が入っているとします。
=ROUNDDOWN(A2*B2, 0)
たとえば定価2,980円の30%引きなら「2980 x 0.3 = 894」で端数なし。定価3,280円の15%引きなら「3280 x 0.15 = 492」です。端数が出た場合は切り捨てて顧客に有利にする運用が一般的です。
見積金額の千円単位切り捨て
見積書で端数をそろえたいときに使います。
=ROUNDDOWN(A2, -3)
たとえば「456,789円」なら「456,000円」に切り捨てられます。切り上げが必要ならROUNDUP関数で「457,000円」に。どちらを使うかは見積方針で決めてください。
よくあるエラーと対処法
ROUNDDOWN関数はシンプルな関数ですが、エラーが出ることもあります。
| エラー | 原因 | 対処法 |
|---|---|---|
| #VALUE! | 値や桁数に文字列が入っている | セル参照先が数値かどうか確認する |
| #ERROR! | 構文ミス(カンマ忘れ等) | 数式の入力内容を見直す |
| 結果が期待と違う | 桁数の正負を逆に指定している | 桁数パターン表で確認する |
| 切り捨てが起きない | 端数がもともと0だった | 元の値を確認する |
端数が0のときの動作
ROUNDDOWN関数は端数がないときは切り捨てません。
=ROUNDDOWN(3.0, 0)
結果は「3」です。「2」にはなりません。切り捨てる端数がなければ、値はそのまま返ります。
負の数の切り捨て
ROUNDDOWN関数は「絶対値が小さくなる方向」に丸めます。
=ROUNDDOWN(-2.8, 0)
結果は「-2」です。「-3」ではありません。負の数では、0に近づく方向が「切り捨て」になる点に注意してください。これはROUNDUP関数と逆の動作です。
似た関数との違い・使い分け
スプレッドシートには丸め関連の関数が複数あります。どれを使うか迷ったときは、以下の早見表を参考にしてください。
| 関数 | 丸め方 | 第2引数 | 使いどころ | |
|---|---|---|---|---|
| [[2026-03-17-spreadsheet-round-function | ROUND]] | 四捨五入 | 桁数 | 一般的な端数処理 |
| [[2026-03-17-spreadsheet-roundup-function | ROUNDUP]] | 常に切り上げ | 桁数 | 必要数の計算(箱数・人数) |
| ROUNDDOWN | 常に切り捨て | 桁数 | 消費税の切り捨て・勤怠端数処理 | |
| [[2026-03-17-spreadsheet-mround-function | MROUND]] | 指定した倍数で四捨五入 | 倍数 | 500円単位、15分単位など |
| [[2026-03-17-spreadsheet-floor-function | FLOOR]] | 指定した倍数で切り捨て | 倍数 | 15分単位の勤怠丸めなど |
| [[2026-03-17-spreadsheet-int-function | INT]] | 整数に切り捨て | なし | シンプルな整数化 |
ROUNDDOWNとINTの使い分け
ROUNDDOWN関数とINT関数は「切り捨て」という点で似ています。主な違いは2つです。
- 桁数指定: ROUNDDOWNは桁数を指定できる。INTは常に整数に切り捨て
- 負の数の動作: ROUNDDOWNは0に近づく方向。INTは小さい整数に切り捨て
具体的には、=ROUNDDOWN(-2.3, 0) は「-2」、=INT(-2.3) は「-3」です。負の数を扱うときは結果が異なるので注意してください。
正の数だけを扱う場合は =ROUNDDOWN(A1, 0) と =INT(A1) は同じ結果です。
ROUNDDOWNとFLOORの使い分け
ROUNDDOWN関数とFLOOR関数は「切り捨て」で似ていますが、第2引数の指定方法が異なります。
- ROUNDDOWN: 「桁数」で指定(小数第2位、10の位など)
- FLOOR: 「倍数」で指定(100単位、0.5単位など)
「15分単位で切り捨てたい」ならFLOOR関数が直感的です。「小数第1位まで残して切り捨てたい」ならROUNDDOWN関数が向いています。
TIP
丸め関数の詳しい使い方は、それぞれの個別記事で解説しています。ROUND関数・ROUNDUP関数・MROUND関数・INT関数の記事もあわせてチェックしてみてください。
Excelとの違い
ROUNDDOWN関数はExcelとGoogleスプレッドシートでほぼ同じ動作です。
| 項目 | Excel | Googleスプレッドシート |
|---|---|---|
| 構文 | =ROUNDDOWN(数値, 桁数) | =ROUNDDOWN(値, 桁数) |
| 動作 | 常に切り捨て | 常に切り捨て |
| 負の数の丸め | 絶対値が小さい方向 | 絶対値が小さい方向 |
| 端数0の場合 | そのまま返す | そのまま返す |
引数名の表記が若干異なるだけで、機能は完全に同じです。ExcelとSheetsでファイルを共有しても、計算結果がずれることはありません。
TIP
ExcelのROUNDDOWN関数について詳しくはExcelのROUNDDOWN関数の使い方の記事で解説しています。
まとめ
ROUNDDOWN関数は、数値を指定した桁数で常に切り捨てるシンプルな関数です。
ポイントを整理します。
- 構文は
=ROUNDDOWN(値, 桁数)の2引数だけ - 端数が何であっても、必ずゼロに近い方向へ丸める
- 消費税の切り捨て・勤怠の端数処理など「余分に取らない」場面で活躍
- 桁数の指定方法はROUND関数と同じ
- ROUNDUP(切り上げ)・ROUND(四捨五入)と使い分けると便利
まずは =ROUNDDOWN(A1*0.1, 0) で消費税の切り捨て計算から試してみてください。
