スプレッドシートでSIN関数やCOS関数に角度を渡したら、思っていた値と全然違う結果が返ってきた経験はありませんか?
原因は角度の単位です。三角関数はラジアン単位で計算するため、度数法(度)の値をそのまま渡すと正しい結果になりません。
そんなときに使うのがRADIANS関数です。=RADIANS(度) と書くだけで、度数法の角度をラジアンに変換してくれます。
この記事では基本の書き方から、三角関数との組み合わせ、DEGREES関数との違いまで紹介します。
スプレッドシートのRADIANS関数とは?
RADIANS関数(読み方: ラジアンズ関数)は、度数法(度)の角度をラジアン単位に変換する関数です。語源は英語の「radian(ラジアン)」の複数形に由来します。
たとえば =RADIANS(180) と入力すると「3.14159…」が返ります。これはPI関数が返す円周率πと同じ値です。180度 = πラジアンの関係を、そのまま計算してくれるわけですね。
RADIANS関数にできることをまとめると、次のとおりです。
NOTE
RADIANS関数はGoogleスプレッドシートの全バージョンで使えます。Excelとも完全に互換性があるので、ファイルのやり取りでも安心です。
RADIANS関数の書き方(構文と引数)
基本構文
=RADIANS(角度)
カッコの中に度数法の角度を指定します。
引数の説明
| 引数 | 必須/任意 | 説明 |
|---|---|---|
| 角度 | 必須 | ラジアンに変換したい度数法の角度を指定する |
引数は1つだけです。度数法の値を渡すと、ラジアン単位に変換した値が返ります。
計算の仕組みはシンプルで、内部では次の式で変換しています。
ラジアン = 度 × (π / 180)
この計算をRADIANS関数が自動でやってくれるので、手計算する必要はありません。
RADIANS関数の基本的な使い方
代表的な角度をラジアンに変換する
まずはよく使う角度を変換してみましょう。
=RADIANS(180)
結果は「3.14159…」です。180度 = πラジアンですね。
代表的な角度とRADIANSの結果をまとめます。
| 数式 | 角度(度) | 結果(ラジアン) | 参考値 |
|---|---|---|---|
| =RADIANS(0) | 0 | 0 | 0 |
| =RADIANS(30) | 30 | 0.5236… | π/6 |
| =RADIANS(45) | 45 | 0.7854… | π/4 |
| =RADIANS(60) | 60 | 1.0472… | π/3 |
| =RADIANS(90) | 90 | 1.5708… | π/2 |
| =RADIANS(180) | 180 | 3.1416… | π |
| =RADIANS(360) | 360 | 6.2832… | 2π |
RADIANS(180)はPI関数の値と一致します。確認してみてください。
=RADIANS(180) = PI()
この数式はTRUEを返します。
セル参照を使う
セルに角度が入っている場合は、セル参照で指定します。
A1セルに「90」が入っているとき、次の式を入力してください。
=RADIANS(A1)
結果は「1.5708…」(≒ π/2)です。A列に角度を並べておけば、ドラッグでまとめてラジアンに変換できますよ。
実務でのRADIANS関数活用例
三角関数に度数法の角度を渡す
RADIANS関数がもっとも活躍するのは、三角関数との組み合わせです。
SIN関数・COS関数・TAN関数はいずれもラジアン単位の角度を引数に取ります。度数法で角度を指定するには、RADIANSで変換してから渡します。
=SIN(RADIANS(30))
結果は「0.5」です。30度のサイン値が正しく計算されましたね。
各三角関数との組み合わせ例をまとめます。
| 数式 | 意味 | 結果 |
|---|---|---|
| =SIN(RADIANS(30)) | 30度のサイン | 0.5 |
| =SIN(RADIANS(90)) | 90度のサイン | 1 |
| =COS(RADIANS(60)) | 60度のコサイン | 0.5 |
| =COS(RADIANS(0)) | 0度のコサイン | 1 |
| =TAN(RADIANS(45)) | 45度のタンジェント | 1 |
| =TAN(RADIANS(0)) | 0度のタンジェント | 0 |
RADIANSを使わずに =SIN(30) と書くと、30ラジアン(約1,718度)のサインを計算してしまいます。結果は「-0.9880…」で、期待した「0.5」とはまったく違う値です。三角関数に度数法の角度を渡すときは、必ずRADIANSで変換してくださいね。
PI関数を使った手計算と比較する
RADIANS関数を使わずに、PI関数で手計算する方法もあります。
=A1*PI()/180
この式でも度からラジアンへの変換ができます。RADIANS関数を使った場合と結果を比べてみましょう。
| 方法 | 数式 | 結果 |
|---|---|---|
| RADIANS関数 | =SIN(RADIANS(30)) | 0.5 |
| PI関数で手計算 | =SIN(30*PI()/180) | 0.5 |
どちらも同じ結果になります。ただし、RADIANS関数のほうが式がシンプルで読みやすいですね。特に他の関数と組み合わせるときは、RADIANS関数を使うのがおすすめです。
=SIN(RADIANS(30)) ← 読みやすい
=SIN(30*PI()/180) ← 計算内容がわかりにくい
よくあるエラーと対処法
RADIANS関数でよくあるトラブルをまとめます。
| 症状 | 原因 | 対処法 |
|---|---|---|
| #VALUE! エラー | 引数に文字列を渡した | 数値またはセル参照を指定する |
| 三角関数の結果がおかしい | RADIANSを使わずに度を直接渡した | SIN/COS/TANの引数をRADIANS()で囲む |
| 期待と違う値が返る | 角度の値自体が間違っている | 入力した角度が正しいか確認する |
RADIANSを忘れるミスに注意
三角関数でもっとも多いミスが、RADIANSを付け忘れることです。
=SIN(90) ← 90ラジアンのサインを計算(間違い)
=SIN(RADIANS(90)) ← 90度のサインを計算(正しい)
=SIN(90) は結果が「0.8939…」になります。90度のサインは「1」のはずなので、何かおかしいと気づけますね。三角関数を使うときは、RADIANS関数をセットで覚えておきましょう。
RADIANS関数とDEGREES関数の違い
RADIANS関数とDEGREES関数は「対(つい)」の関係にあります。変換の方向が逆なだけで、やっていることは同じ角度変換です。
| 項目 | RADIANS関数 | DEGREES関数 |
|---|---|---|
| 変換方向 | 度 → ラジアン | ラジアン → 度 |
| 計算式 | 度 × (π / 180) | ラジアン × (180 / π) |
| 主な用途 | SIN・COS・TANに度数法の角度を渡す | ASIN・ACOS・ATANの結果を度に変換 |
| 使用例 | =SIN(RADIANS(30)) → 0.5 | =DEGREES(ASIN(0.5)) → 30 |
対の関係なので、組み合わせると元の値に戻ります。
=RADIANS(DEGREES(PI()))
結果は「3.14159…」(= π)です。ラジアン→度→ラジアンと変換して、元のπに戻りますね。
逆方向も同様です。
=DEGREES(RADIANS(90))
結果は「90」です。度→ラジアン→度と変換して、元の90に戻ります。
三角関数を使う場面での使い分けをまとめると、次のとおりです。
- 度 → ラジアン(RADIANS): SIN・COS・TANに角度を渡すとき
- ラジアン → 度(DEGREES): ASIN・ACOS・ATANの結果を読むとき
まとめ
RADIANS関数は、度数法(度)の角度をラジアン単位に変換する関数です。
ポイントを整理します。
- 構文は
=RADIANS(角度)で、引数は度数法の角度 - RADIANS(180) = PI()、RADIANS(90) ≒ 1.5708 が代表的な値
- SIN・COS・TANに度数法の角度を渡すときに必須の変換
- DEGREES関数とは「対の関係」で、変換方向が逆
- 三角関数を使うときはRADIANSをセットで覚える
まずは =SIN(RADIANS(30)) で0.5が返ることを確認してみてください。
