「老後に3,000万円貯めるには、今ある500万円を何%で運用すればいい?」
「自社の売上が3年間で1.5倍になったけど、年間では何%成長したことになる?」
このような「目標から必要な利率を逆算する」計算はGoogleスプレッドシートのRRI関数を使えばシンプルに求められます。
RRI関数とは?複利利率を逆算するスプレッドシート財務関数
RRI(読み方:アールアールアイ)は「Rate of Return on Investment」の略で、一定期間の複利運用で目標額に到達するために必要な1期間あたりの利率を求める関数です。
FV(将来価値)・PV(現在価値)・期間数の3つを与えると、毎期必要な成長率を返します。
RRI関数でできること
- 投資の必要利回り計算: 100万円を10年で300万円にするには年何%必要か
- CAGR(年平均成長率)の計算: 売上3年間の平均成長率を求める
- 目標達成シミュレーション: 教育資金・老後資金の必要利回りを算出する
CAGRはビジネスレポートや投資分析でよく使われる指標で、「毎年一定の割合で成長し続けたと仮定した平均成長率」を指します。RRI関数の計算式はCAGRと同じなので、スプレッドシートでのCAGR計算にそのまま活用できますよ。
RRI関数の書式と引数
=RRI(期間数, 現在価値, 将来価値)
| 引数 | 英語名 | 内容 | 入力例 |
|---|---|---|---|
| 期間数 | nper | 運用する期間の数(年数など) | 10 |
| 現在価値 | pv | 現在の金額・開始時の値 | 1000000 |
| 将来価値 | fv | 目標の金額・終了時の値 | 3000000 |
引数は3つすべて必須です。構文がシンプルなので覚えやすいですよ。
内部では次の計算式が使われています。
利率 = (将来価値 / 現在価値) ^ (1 / 期間数) − 1
基本の使い方①|投資の必要利率を求める
100万円を10年間で300万円にするために必要な年利を求めてみましょう。
条件設定
| 項目 | 値 | セル |
|---|---|---|
| 運用期間(年) | 10 | B1 |
| 現在の資産(円) | 1,000,000 | B2 |
| 目標金額(円) | 3,000,000 | B3 |
数式
=RRI(B1, B2, B3)
結果は 約 11.6% になります。
100万円を10年で3倍にするには、複利で年11.6%の運用が必要です。現実的な数字かどうかを判断する基準として活用できますよ。
パーセント表示にするには?
RRI関数の結果は小数で返ります(0.116…)。セルの書式を「パーセンテージ」に変更するか、=RRI(B1,B2,B3)*100として「&”%” 」を組み合わせると読みやすくなります。
基本の使い方②|CAGRを求める
売上の年平均成長率を求める場面でRRIはよく使われます。
条件設定
| 年度 | 売上(万円) |
|---|---|
| 1年目(基準) | 5,000 |
| 4年目(最新) | 7,500 |
3年間(4年目 − 1年目)の年平均成長率:
=RRI(3, 5000, 7500)
結果は 約 14.5% です。
「3年間で売上が1.5倍になった」ことを、「年平均14.5%成長」と表現できます。投資家や経営陣へのプレゼン資料でよく使われる表現方法ですよ。
応用①|複数シナリオの必要利率を比較する
同じ現在価値・将来価値でも、運用期間が変わると必要利率が大きく変わります。
=RRI(5, 1000000, 3000000) → 約 24.6%(5年で3倍)
=RRI(10, 1000000, 3000000) → 約 11.6%(10年で3倍)
=RRI(20, 1000000, 3000000) → 約 5.6%(20年で3倍)
期間が長いほど必要利率が低くなる複利の効果が一目でわかります。老後資金の計画を早めに始める理由として、このような比較表を作るとわかりやすいですよ。
応用②|PDURATION関数と組み合わせる
RRI関数は「目標利率で何年かかるか」を求める PDURATION関数 と対になる関数です。
| 関数 | 求めるもの | 与えるもの |
|---|---|---|
| RRI | 必要な利率 | 期間・現在価値・目標額 |
| PDURATION | 必要な期間 | 利率・現在価値・目標額 |
「年5%で運用したら何年で2倍になる?」→ PDURATION
「10年で2倍にするには何%必要?」→ RRI
という使い分けです。2つをセットで使うとシミュレーションの幅が広がりますよ。
よくあるエラーと対処法
#NUM!エラー
次のいずれかのときに発生します。
- 現在価値(pv)と将来価値(fv)が同じ符号でない
- 期間数が0以下
- 現在価値が0
よくある原因は、現在価値にマイナスを入れてしまうケースです。RRI関数では現在価値・将来価値ともに正の値で入力してください。
NG:=RRI(10, -1000000, 3000000) → #NUM!
OK:=RRI(10, 1000000, 3000000) → 正常
結果が0になる
現在価値と将来価値が同じ値の場合、成長率ゼロを意味するため0が返ります。数値を正しく入力しているか確認しましょう。
結果がマイナスになる
将来価値が現在価値より小さい(価値が減少している)場合に負の値が返ります。これは「マイナス成長(減少率)」を意味するので、エラーではありません。
RRI関数と関連する財務関数まとめ
| 関数 | できること |
|---|---|
| RRI | 複利利率・CAGRの計算 |
| FV | 複利運用後の将来価値を求める |
| PV | 将来価値から現在価値を逆算する |
| PDURATION | 目標達成に必要な期間を求める |
| RATE | 元利均等返済の利率を逆算する |
| NPER | 元利均等返済の残期間を逆算する |
RRIはシンプルな複利計算専用ですが、ローン返済の利率逆算にはRATE関数の方が適しています。「資産運用の利率逆算→RRI」「ローン返済の利率確認→RATE」と使い分けると迷わずに済みますよ。
ExcelのRRI関数の使い方は ExcelのRRI関数の使い方 で解説しています。ExcelとスプレッドシートでRRI関数の構文は共通なので、両方使う場面でも安心です。
