「老後資金3,000万円を、今ある500万円から年5%で運用したら何年かかる?」
「教育資金の目標額に到達するには、あと何年積み立てればいい?」
このような「目標額に届くまでの期間を逆算する」計算はGoogleスプレッドシートのPDURATION関数を使えばシンプルに求められます。
PDURATION関数とは?目標達成までの期間を逆算するスプレッドシート財務関数
PDURATION(読み方:ピリオド デュレーション)は「Period Duration(期間の持続)」を組み合わせた名前で、一定の利率で複利運用したときに、現在価値から目標額に到達するまでに必要な期間数を求める関数です。
利率・PV(現在価値)・FV(将来価値)の3つを与えると、複利計算に基づく所要期間を返します。
PDURATION関数でできること
- 目標達成年数の計算: 100万円を年3%で運用して200万円にするまでの年数を求める
- 積立シミュレーション: 教育資金・老後資金が貯まるまでの期間を算出する
- 成長期間の分析: 売上が一定の成長率で目標額に達するまでの年数を試算する
手計算だと対数関数を使う必要があり、電卓では求めにくい計算です。PDURATION関数なら3つの数値を入れるだけで一瞬で答えが出ますよ。
PDURATION関数の書式と引数
=PDURATION(利率, 現在価値, 将来価値)
| 引数 | 英語名 | 内容 | 入力例 |
|---|---|---|---|
| 利率 | rate | 1期間あたりの利率。年利なら年率を入れる | 0.05(5%) |
| 現在価値 | pv | 現在の金額・開始時の値。正の数 | 1000000 |
| 将来価値 | fv | 目標の金額・終了時の値。正の数 | 2000000 |
引数は3つすべて必須です。どれかを省略するとエラーになります。
内部では次の計算式が使われています。
期間 = ( LOG(将来価値) − LOG(現在価値) ) / LOG(1 + 利率)
利率の指定単位は現在価値と将来価値の期間と揃える必要があります。年数を求めたいときは年利を、月数を求めたいときは月利を指定してください。
基本の使い方①|投資が目標額に届くまでの年数を求める
100万円を年利5%で運用して、200万円に到達するまでに何年かかるかを計算してみましょう。
条件設定
| 項目 | 値 | セル |
|---|---|---|
| 年利 | 5%(0.05) | B1 |
| 現在の資産(円) | 1,000,000 | B2 |
| 目標金額(円) | 2,000,000 | B3 |
数式
=PDURATION(B1, B2, B3)
結果は 約 14.2年 になります。
100万円を年5%で複利運用すると、14年ちょっとで2倍になる計算ですよ。「72の法則」(72÷利率で倍になる年数の概算)だと14.4年なので、PDURATIONの方が正確に求まります。
小数点以下を調整するには?
PDURATION関数の結果は小数で返ります(14.2066…)。=ROUNDUP(PDURATION(B1,B2,B3),0)のようにROUNDUPで繰り上げると「最低何年必要か」がわかりやすくなりますよ。
基本の使い方②|月単位で期間を求める
毎月利息が付くタイプの商品や、短期の積立では月単位で期間を求めたい場面があります。利率と期間の単位を揃えれば月数での計算も可能です。
条件設定
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 月利 | 0.5%(0.005) |
| 現在価値 | 500,000円 |
| 将来価値 | 550,000円 |
数式
=PDURATION(0.005, 500000, 550000)
結果は 約 19.1ヶ月 です。
年利を月利に変換するときは「年利 ÷ 12」で近似できます。年利6%なら月利0.5%という計算ですよ。
応用①|複数シナリオの到達期間を比較する
同じ現在価値・目標額でも、利率が変わると所要期間は大きく変わります。
=PDURATION(0.02, 1000000, 2000000) → 約 35.0年(年2%)
=PDURATION(0.05, 1000000, 2000000) → 約 14.2年(年5%)
=PDURATION(0.10, 1000000, 2000000) → 約 7.3年(年10%)
利率が2%違うだけで到達年数が20年以上変わることがわかります。資産運用のプランを立てるときに、このような比較表を作るとリスクとリターンの関係が一目瞭然ですよ。
応用②|RRI関数と組み合わせる
PDURATION関数は「必要な利率を求める」 RRI関数 と対になる関数です。
| 関数 | 求めるもの | 与えるもの |
|---|---|---|
| PDURATION | 必要な期間 | 利率・現在価値・目標額 |
| RRI | 必要な利率 | 期間・現在価値・目標額 |
「年5%で運用したら何年で2倍になる?」→ PDURATION
「10年で2倍にするには何%必要?」→ RRI
という使い分けです。2つをセットで使うと、期間と利率を両方向から検討できますよ。
応用③|教育資金の目標達成期間を計算する
子どもの教育資金として、現在の貯蓄が目標額に到達するまでの期間を計算してみましょう。
条件設定
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 現在の教育資金 | 2,000,000円 |
| 目標額(大学費用) | 5,000,000円 |
| 想定利回り | 年3% |
数式
=PDURATION(0.03, 2000000, 5000000)
結果は 約 31.0年 になります。
「あれ、思ったより時間がかかる」と感じた方は多いかもしれません。目標達成が間に合わない場合は、利率を上げるか、毎月の積立を追加する必要があります。積立を含めた計算は NPER関数 の方が適していますよ。
よくあるエラーと対処法
#NUM!エラー
次のいずれかのときに発生します。
- 利率が0以下
- 現在価値または将来価値が0以下
- 利率が極端に大きく、計算結果が求められない
よくある原因は、現在価値や将来価値にマイナスの値を入れてしまうケースです。PDURATION関数では現在価値・将来価値ともに正の値で入力してください。
NG:=PDURATION(0.05, -1000000, 2000000) → #NUM!
OK:=PDURATION(0.05, 1000000, 2000000) → 正常
#VALUE!エラー
引数に数値以外の値(文字列など)が入っていると発生します。セル参照で数値を指定しているつもりが、テキスト形式のセルになっていないか確認しましょう。
結果がマイナスや想定外の値になる
将来価値が現在価値より小さい場合、負の値が返ります。「減少する」ケースなので、目標額(将来価値)は現在価値より大きい値を指定しているか確認してください。
PDURATION関数と関連する財務関数まとめ
| 関数 | できること |
|---|---|
| PDURATION | 目標達成に必要な期間を求める |
| RRI | 目標達成に必要な利率を求める |
| NPER | 元利均等返済の残期間を求める |
| FV | 複利運用後の将来価値を求める |
| PV | 将来価値から現在価値を逆算する |
| RATE | 元利均等返済の利率を逆算する |
PDURATIONは一括投資を前提としたシンプルな複利計算専用の関数です。毎月の積立を含めた期間計算にはNPER関数の方が適しています。「一括運用の到達期間→PDURATION」「積立込みの返済・積立期間→NPER」と使い分けると迷わずに済みますよ。
ExcelのPDURATION関数の使い方は ExcelのPDURATION関数の使い方 で解説しています。ExcelとスプレッドシートでPDURATION関数の構文は共通なので、両方使う場面でも安心です。
