「スプレッドシートには、Excelにない便利な関数があるらしい」と聞いたことはありませんか。たしかにGoogleスプレッドシートには、Excelにはない独自の関数がいくつもあります。
でも、いざ調べてみると関数の数が多くて迷ってしまいますよね。「どれがSheetsだけのものでExcelにもあるのか」「難しそうだけど自分にも使えるのか」がわかりにくいのが正直なところです。
この記事では、Sheetsならではの便利関数を17個ピックアップしました。それぞれ「何ができるか」「Excelでの代替手段」「難易度」の3つを一覧表で整理しています。簡単なものから紹介するので、気になった関数の使い方記事へそのまま進んでみてください。
スプレッドシート独自関数とは?Excelとの違い
スプレッドシートの独自関数とは、Googleスプレッドシートで使えてExcelには標準で備わっていない関数のことです。代表的なのがQUERYやIMPORTRANGE、GOOGLEFINANCEなどです。これらはGoogleのサービスと連携したり、SQLのような独自構文を使ったりします。
ただし、注意したい点があります。FILTERやUNIQUE、SORTといった関数は「Sheets独自」と紹介されることが多いです。実はこれらはExcelの最新版(Microsoft 365)にも同じ名前で存在します。
つまり「Excelにない関数」と「Excelにもあるが使い方が少し違う関数」が混ざっているのです。この記事では両者を区別して整理しました。表のExcel代替列を見れば、Excelで同じことができるかどうかが一目でわかります。
ExcelとSheetsの全体的な違いを知りたい方は、ExcelとGoogleスプレッドシートの違い比較もあわせて参考にしてください。
Sheets独自関数17選の比較一覧表
まずは全体像をつかみましょう。17個の関数を「何ができるか」「Excelでの代替手段」「難易度」の3列で一覧にしました。気になる関数があれば、関数名のリンクから詳しい使い方記事へ進めます。
難易度は次の3段階です。★は数式を入れるだけで使える初級、★★は引数の理解が必要な中級、★★★は他の関数や構文と組み合わせる上級を表します。
| 関数 | 何ができるか | Excelでの代替 | 難易度 |
|---|---|---|---|
| QUERY | SQLのような構文で表を抽出・集計する | なし | ★★★ |
| IMPORTRANGE | 別ファイルのデータを参照して取り込む | なし | ★★ |
| GOOGLEFINANCE | 株価・為替レートを取得する | STOCKHISTORY(一部) | ★★ |
| GOOGLETRANSLATE | セルのテキストを翻訳する | なし | ★ |
| DETECTLANGUAGE | テキストの言語を自動判定する | なし | ★ |
| IMAGE | URLの画像をセルに表示する | IMAGE(2022年追加) | ★ |
| FILTER | 条件に合う行だけを抽出する | FILTER(365) | ★★ |
| UNIQUE | 重複を除いた値を返す | UNIQUE(365) | ★ |
| SORT | 範囲を指定列で並べ替える | SORT(365) | ★ |
| SEQUENCE | 連番を自動生成する | SEQUENCE(365) | ★ |
| ARRAYFORMULA | 数式を範囲全体に自動展開する | スピル(365) | ★★ |
| BYROW | 行ごとに関数を適用する | BYROW(365) | ★★★ |
| BYCOL | 列ごとに関数を適用する | BYCOL(365) | ★★★ |
| TOCOL | 範囲を縦1列に変換する | TOCOL(365) | ★★ |
| TOROW | 範囲を横1行に変換する | TOROW(365) | ★★ |
| FLATTEN | 複数範囲を縦1列にまとめる | なし | ★★ |
| SPARKLINE | セル内に小さなグラフを描く | なし | ★★ |
このあと、用途別に4つのグループに分けて各関数を簡単に紹介します。詳しい構文や実務例はそれぞれの個別記事にまとめてあります。
データ取得・外部連携系の独自関数
ここで紹介するグループは、Sheetsならではの強みが詰まっています。Googleのサービスやインターネットと連携してデータを取り込む関数です。Excelには代替手段がないものが多く、Sheets独自の価値が高いカテゴリです。
QUERY|SQLのような構文で表を抽出・集計する
QUERY関数は、SQLに似た構文で表からデータを取り出せる関数です。「SELECT(列を選ぶ)」「WHERE(条件で絞る)」「ORDER BY(並べ替える)」などを組み合わせて使います。1つの数式で抽出・絞り込み・並べ替え・集計まで一気にできます。
ExcelにはQUERYに相当する関数はありません。FILTERやSORTを組み合わせれば近いことはできますが、QUERYほど柔軟ではありません。構文を覚える必要があるため難易度は★★★ですが、覚えると作業が劇的にラクになります。詳しくはQUERY関数の使い方で解説しています。
IMPORTRANGE|別ファイルのデータを取り込む
IMPORTRANGE関数は、別のスプレッドシートファイルから指定範囲を取り込む関数です。離れた場所にあるシートのデータを、自動で参照できます。元データが更新されれば、取り込み先も自動で反映されます。
初回は参照先へのアクセス許可が必要です。許可しないとエラーになるので注意してください。複数人でデータを分担管理するときに便利です。使い方はIMPORTRANGE関数の使い方で詳しく紹介しています。
GOOGLEFINANCE|株価・為替レートを取得する
GOOGLEFINANCE関数は、株価や為替レートを取得できる関数です。銘柄コードを指定するだけで、現在値や過去のデータをシートに表示できます。投資管理や為替換算の自動化に役立ちます。
ExcelにはSTOCKHISTORY関数がありますが、取得できる情報は限定的です。なお、取得データには遅延がある場合があります。詳しくはGOOGLEFINANCE関数の使い方をご覧ください。
GOOGLETRANSLATE・DETECTLANGUAGE|翻訳と言語判定
GOOGLETRANSLATE関数は、セルのテキストを指定した言語に翻訳します。Google翻訳の機能をそのまま数式で使えるイメージです。DETECTLANGUAGE関数は、テキストが何語で書かれているかを自動判定して言語コードを返します。
この2つを組み合わせると、言語がバラバラのデータを自動で仕分けして翻訳できます。海外とのやり取りが多い方には特に便利です。どちらも引数がシンプルなので難易度は★です。詳しくはGOOGLETRANSLATE関数の使い方とDETECTLANGUAGE関数の使い方で解説しています。
IMAGE|URLの画像をセルに表示する
IMAGE関数は、画像のURLを指定するとセルの中に画像を表示してくれる関数です。商品リストにサムネイルを並べたり、QRコードを表示したりできます。
ExcelにもIMAGE関数が2022年頃に追加されたため、今では両方で使えます。ただSheetsの方が歴史が古く、広く使われてきた関数です。使い方はIMAGE関数の使い方で紹介しています。
データ操作・抽出系の関数
このグループは、表のデータを絞り込んだり並べ替えたりする関数です。FILTERやUNIQUEはExcelの最新版(365)にも同じ名前で存在します。そのため厳密にはSheets独自ではありませんが、Sheetsで日常的によく使う便利関数なので紹介します。
FILTER|条件に合う行だけを抽出する
FILTER関数は、指定した条件に合う行だけを抜き出す関数です。「売上が10万円以上の行だけ表示する」といった抽出が数式1つでできます。元データを変えずに、別の場所に結果を表示できるのが便利です。
Excel 365にも同名のFILTER関数があり、使い方はほぼ同じです。難易度は★★です。詳しくはFILTER関数の使い方をご覧ください。
UNIQUE|重複を除いた値を返す
UNIQUE関数は、範囲の中から重複を取り除いて一意の値だけを返す関数です。「顧客リストから重複なしの会社名一覧を作る」といった用途で活躍します。
Excel 365にも同名のUNIQUE関数があります。引数1つで使えるので難易度は★です。使い方はUNIQUE関数の使い方で解説しています。
SORT・SEQUENCE|並べ替えと連番生成
SORT関数は、範囲を指定した列で並べ替える関数です。元データを並べ替えずに、別の場所に並べ替えた結果を表示できます。SEQUENCE関数は、連番(数列)を自動で生成する関数です。「1から100までの連番」を数式1つで作れます。
SORTとSEQUENCEはどちらもExcel 365に同名関数があります。SORTは引数の指定方法がExcelと少し異なる点に注意してください。詳しくはSORT・SORTN・SORTBY関数の使い方とSEQUENCE関数の使い方で紹介しています。
なお、UNIQUE・SEQUENCE・SORTを組み合わせると、自動で更新される動的なリストを作れます。実例はUNIQUE・SEQUENCE・SORTで動的リストを作る方法で解説しています。
配列を自動展開・整形する関数
このグループは、データを配列としてまとめて処理する関数です。少し上級者向けですが、覚えると複雑な集計や整形を一気に処理できます。ARRAYFORMULAとSPARKLINE以外は、Excel 365にも同名関数があります。
ARRAYFORMULA|数式を範囲全体に自動展開する
ARRAYFORMULA関数は、1つの数式を範囲全体に自動で展開する関数です。「1行目に入れた数式を、1000行分まとめて適用する」といった使い方ができます。1セルに数式を入れるだけで列全体が計算されるので、数式のコピーが不要になります。
Excel 365では「スピル」という仕組みで自動展開できます。ただSheetsでは、IMPORTRANGEやSPLITと組み合わせるときに今でもARRAYFORMULAを明示的に使う場面が多いです。詳しくはARRAYFORMULA関数の使い方をご覧ください。
BYROW・BYCOL|行・列ごとに関数を適用する
BYROW関数は行ごとに、BYCOL関数は列ごとに、それぞれ関数をまとめて適用する関数です。たとえば「各行の合計を一気に計算する」といった処理ができます。LAMBDA関数(無名関数)と組み合わせて使うため、難易度は★★★と高めです。
読み方はBYROWが「バイロウ」、BYCOLが「バイコル」です。Excel 365にも同名関数があります。詳しくはBYROW関数の使い方とBYCOL関数の使い方で解説しています。
TOCOL・TOROW・FLATTEN|配列を1列・1行にまとめる
TOCOL関数は範囲を縦1列に、TOROW関数は範囲を横1行に変換する関数です。バラバラに並んだデータを、1列や1行にまとめたいときに使います。FLATTEN関数は、複数の範囲をまとめて縦1列に平坦化する関数です。
TOCOLとTOROWはExcel 365に同名関数があります。FLATTENはSheets独自で、Excelには代替がありません。詳しくはTOCOL関数の使い方、TOROW関数の使い方、FLATTEN関数の使い方で紹介しています。
SPARKLINE|セル内に小さなグラフを描く
SPARKLINE関数は、セルの中に小さなグラフを描画する関数です。折れ線・横棒・縦棒・正負の4タイプがあります。売上の推移をひと目で見せたり、進捗バーを作ったりできます。
Excelにもスパークライン機能はありますが、こちらはセルの機能であって関数ではありません。Sheetsでは関数として使えるので、数式の中に組み込めるのが強みです。使い方はSPARKLINE関数の使い方で詳しく解説しています。
どの独自関数から覚えるべき?難易度別のおすすめ
17個もあると、どれから手を付ければいいか迷いますよね。難易度別に、おすすめの覚える順番を紹介します。
- まずはここから(難易度★): UNIQUE・SORT・SEQUENCE・GOOGLETRANSLATE・DETECTLANGUAGE・IMAGE。引数がシンプルで、入れるだけですぐ効果を実感できます
- 次のステップ(難易度★★): FILTER・IMPORTRANGE・ARRAYFORMULA・GOOGLEFINANCE・SPARKLINE・TOCOL・TOROW・FLATTEN。引数の意味を理解すれば実務で大活躍します
- 慣れてきたら(難易度★★★): QUERY・BYROW・BYCOL。構文やLAMBDA関数の理解が必要ですが、覚えると作業効率が大きく上がります
最初から全部を覚える必要はありません。普段の業務でよく使うデータ処理に近いものから1つずつ試してみてください。1つ使えるようになると、関連する関数も自然と身につきます。
なお、関数名の読み方が気になる方は、スプレッドシート関数の読み方一覧もあわせてどうぞ。会議やチャットで関数名を伝えるときに役立ちます。
まとめ
GoogleスプレッドシートのSheets独自関数17個を、機能・Excel代替・難易度の3つの観点で整理しました。最後に大事なポイントを振り返ります。
- QUERY・IMPORTRANGE・GOOGLEFINANCE・SPARKLINE・FLATTENなどはExcelに代替がなく、Sheetsならではの強みです
- FILTER・UNIQUE・SORT・SEQUENCE・BYROW・BYCOL・TOCOL・TOROWはExcel 365にも同名関数があります
- まずは難易度★の簡単な関数から試し、慣れたら★★・★★★へ進むのがおすすめです
Sheetsの独自関数を使いこなせると、Excelでは手間がかかる作業もぐっとラクになります。気になった関数があったら、リンク先の個別記事で詳しい使い方をチェックしてみてください。ExcelとSheetsの全体的な違いはExcelとGoogleスプレッドシートの違い比較で、関数の読み方はスプレッドシート関数の読み方一覧でそれぞれ解説しています。
