Excelの丸め関数10種を完全比較|ROUND・INT・CEILINGの使い分け早見表

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Excelで端数処理をしたいとき、「どの関数を使えばいいの?」と迷ったことはありませんか。

丸め関数は全部で10種類もあります。名前が似ていて、動きの違いがわかりにくいですよね。間違った関数を選ぶと、計算がずれることも。

この記事では、10個の丸め関数を3つの比較軸で整理します。実務シーン別の選び方も用意したので、もう迷いませんよ。

Excel丸め関数10種の使い分け早見表【結論から】

まずは結論です。10関数の役割を一覧表にまとめました。

関数名丸め方向基準単位代表的な使いどころ
[[2022-04-18-excel-function-howto-use-roundROUND]]四捨五入桁数で指定小数の四捨五入全般
[[2022-04-20-excel-function-howto-use-roundupROUNDUP]]切り上げ桁数で指定見積もりの安全側丸め
[[2022-04-19-excel-function-howto-use-rounddownROUNDDOWN]]切り捨て桁数で指定消費税の切り捨て
[[2022-04-21-excel-function-howto-use-mroundMROUND]]四捨五入倍数で指定50円・100円単位の丸め
[[2022-04-22-excel-function-howto-use-floorFLOOR]]切り捨て倍数で指定時間の切り捨て(15分単位)
[[2022-04-23-excel-function-howto-use-ceilingCEILING]]切り上げ倍数で指定時間の切り上げ(30分単位)
[[2022-07-01-excel-function-howto-use-intINT]]切り捨て整数(1の位)割り算の整数部分だけ取得
[[2022-09-23-excel-function-howto-use-truncTRUNC]]切り捨て桁数で指定小数部分を削除
[[2022-05-03-excel-function-howto-use-oddODD]]切り上げ奇数ペアリング・奇数枠の確保
[[2022-05-04-excel-function-howto-use-evenEVEN]]切り上げ偶数梱包・偶数枠の確保

「場面別の選び方が知りたい」という方は「#実務シーン別の丸め関数選びフローチャート」へどうぞ。

ペア記事のご案内

「シーン別にNG数式とOK数式を並べて比較したい」という方は、ペア記事の「Excel端数処理の関数選び|消費税・時間・金額のシーン別早見表」もあわせてどうぞ。

丸め関数を「丸め方向」で分類する

10関数は「四捨五入」「切り捨て」「切り上げ」の3グループに分かれます。まずはこのグループ分けを押さえましょう。

四捨五入グループ(ROUND・MROUND)

端数が0.5以上なら繰り上げ、0.5未満なら切り捨てるグループです。

関数構文基準単位
[[2022-04-18-excel-function-howto-use-roundROUND]]=ROUND(数値, 桁数)桁数(0=整数、1=小数第1位…)
[[2022-04-21-excel-function-howto-use-mroundMROUND]]=MROUND(数値, 倍数)倍数(50、100、0.5など)

ROUNDは桁数で、MROUNDは倍数で指定します。「小数第2位で四捨五入」ならROUND。「50円単位」ならMROUNDです。

=ROUND(1234.567, 1)

結果: 1234.6(小数第2位を四捨五入)

=MROUND(1234.567, 50)

結果: 1250(50の倍数に四捨五入)

切り捨てグループ(ROUNDDOWN・INT・TRUNC・FLOOR)

端数を問答無用で落とすグループです。4つもあるので、違いを整理します。

関数構文基準単位特徴
[[2022-04-19-excel-function-howto-use-rounddownROUNDDOWN]]=ROUNDDOWN(数値, 桁数)桁数桁指定で切り捨て
[[2022-07-01-excel-function-howto-use-intINT]]=INT(数値)整数(1の位)引数が1つだけ
[[2022-09-23-excel-function-howto-use-truncTRUNC]]=TRUNC(数値, 桁数)桁数(省略時0)桁指定で小数部削除
[[2022-04-22-excel-function-howto-use-floorFLOOR]]=FLOOR(数値, 基準値)倍数倍数指定で切り捨て

ROUNDDOWNとTRUNCは同じに見えますよね。正の数では実際に同じ結果です。ただし負の数では異なります。「#負の数での挙動を比較する」で解説します。

=ROUNDDOWN(3.75, 0)

結果: 3

=INT(3.75)

結果: 3

=TRUNC(3.75)

結果: 3

=FLOOR(3.75, 0.5)

結果: 3.5(0.5の倍数に切り捨て)

切り上げグループ(ROUNDUP・CEILING・ODD・EVEN)

端数がある限り繰り上げるグループです。

関数構文基準単位特徴
[[2022-04-20-excel-function-howto-use-roundupROUNDUP]]=ROUNDUP(数値, 桁数)桁数桁指定で切り上げ
[[2022-04-23-excel-function-howto-use-ceilingCEILING]]=CEILING(数値, 基準値)倍数倍数指定で切り上げ
[[2022-05-03-excel-function-howto-use-oddODD]]=ODD(数値)奇数最も近い奇数に切り上げ
[[2022-05-04-excel-function-howto-use-evenEVEN]]=EVEN(数値)偶数最も近い偶数に切り上げ

ROUNDUPとCEILINGの関係は、ROUNDDOWNとFLOORと同じです。桁数ならROUNDUP、倍数ならCEILINGです。

=ROUNDUP(3.21, 0)

結果: 4

=CEILING(3.21, 0.5)

結果: 3.5(0.5の倍数に切り上げ)

=ODD(4)

結果: 5(次の奇数に切り上げ)

=EVEN(3)

結果: 4(次の偶数に切り上げ)

丸め関数10種の詳細比較

ここからは、10関数の違いをさらに掘り下げます。

基準単位の指定方法を比較する

丸め関数の違いで最も大きいのは「基準単位の指定方法」です。

指定方法対応関数指定例
桁数(小数点からの位置)ROUND / ROUNDUP / ROUNDDOWN / TRUNC桁数0=整数、1=小数第1位
倍数(任意の数値の倍数)MROUND / FLOOR / CEILING基準値50=50の倍数
固定(引数不要・自動決定)INT / ODD / EVENINTは常に整数、ODD/EVENは奇偶

桁数指定は「何桁目で丸めるか」を数字で指定します。倍数指定は「何の倍数に丸めるか」を直接指定します。

「100円単位で丸めたい」場合を考えてみましょう。桁数指定なら =ROUNDDOWN(数値, -2) です。倍数指定なら =FLOOR(数値, 100) と書けます。

桁数指定のマイナスが苦手な方へ

桁数の正負が紛らわしい場合は、FLOOR/CEILINGの倍数指定を使うと直感的です。=FLOOR(数値, 100) は「100の倍数に切り捨て」と読めるので、数式の意味が伝わりやすくなります。

丸め方向の違いを一覧で確認する

同じ数値 3.75 を各関数に渡したときの結果を比較します。

関数数式結果丸め方向
ROUND=ROUND(3.75, 0)4四捨五入
ROUNDUP=ROUNDUP(3.75, 0)4切り上げ
ROUNDDOWN=ROUNDDOWN(3.75, 0)3切り捨て
INT=INT(3.75)3切り捨て
TRUNC=TRUNC(3.75, 0)3切り捨て
ODD=ODD(3.75)5奇数に切り上げ
EVEN=EVEN(3.75)4偶数に切り上げ

MROUND / FLOOR / CEILINGは基準値が必要です。基準値1の例で確認します。

関数数式結果丸め方向
MROUND=MROUND(3.75, 1)4倍数で四捨五入
FLOOR=FLOOR(3.75, 1)3倍数で切り捨て
CEILING=CEILING(3.75, 1)4倍数で切り上げ

負の数での挙動を比較する

負の数を扱うときに、関数ごとの結果が大きく分かれます。-3.75 を各関数に渡した結果を見てみましょう。

関数数式結果解説
ROUND=ROUND(-3.75, 0)-40から遠い方に四捨五入
ROUNDUP=ROUNDUP(-3.75, 0)-40から遠い方に切り上げ
ROUNDDOWN=ROUNDDOWN(-3.75, 0)-30に近い方に切り捨て
INT=INT(-3.75)-4負の無限大方向に切り捨て
TRUNC=TRUNC(-3.75, 0)-30方向に切り捨て
ODD=ODD(-3.75)-50から遠い奇数に切り上げ
EVEN=EVEN(-3.75)-40から遠い偶数に切り上げ

INTとTRUNCの最大の違い

正の数では INT(3.75)TRUNC(3.75) も結果は 3 で同じです。しかし負の数では、INTは「数直線の左方向(負の無限大方向)」に丸めるのに対し、TRUNCは「0方向」に丸めます。この違いを知らないと、返品処理や差額計算で予想外の結果になることがあります。

関数数式結果解説
FLOOR=FLOOR(-3.75, -1)-4負の無限大方向に切り捨て
CEILING=CEILING(-3.75, -1)-30方向に切り上げ
MROUND=MROUND(-3.75, -1)-40から遠い方に四捨五入

FLOOR/CEILINGで負の数を扱うときは基準値も負にします。正の基準値だと #NUM! エラーになります。

FLOOR.MATH / CEILING.MATHなら符号を気にせず使えます

旧FLOOR/CEILINGには「負の数で符号を揃える」制約があります。後継関数のFLOOR.MATH / CEILING.MATHなら、この制約がなくなり負の数も自由に扱えます。詳しくは「FLOOR/CEILING系6関数の違い|MATH・PRECISEの使い分け」をご覧ください。

実務シーン別の丸め関数選びフローチャート

「理屈はわかったけど、結局どれを使えばいいの?」という方へ。実務でよくある5つのシーンごとに、最適な関数を紹介します。

シーン1: 消費税計算

消費税の端数処理は企業やシステムによって「切り捨て」「四捨五入」「切り上げ」のいずれかがルールで決まっています。

ルールおすすめ関数数式例
切り捨て[[2022-04-19-excel-function-howto-use-rounddownROUNDDOWN]]=ROUNDDOWN(A1*0.1, 0)
四捨五入[[2022-04-18-excel-function-howto-use-roundROUND]]=ROUND(A1*0.1, 0)
切り上げ[[2022-04-20-excel-function-howto-use-roundupROUNDUP]]=ROUNDUP(A1*0.1, 0)

INTではなくROUNDDOWNを使う理由

=INT(A1*0.1) でも正の数なら結果は同じです。しかし、返品や値引きで税額が負になるケースではINTとROUNDDOWNの結果がずれます。消費税計算にはROUNDDOWNを使うのが安全です。

消費税計算の「NG数式とOK数式」を比較したい方は「Excel端数処理の関数選び」のシーン1をご覧ください。

シーン2: 時間(勤怠)の丸め

勤怠管理では「15分単位」「30分単位」で時間を丸めるケースが多いです。

やりたいことおすすめ関数数式例
15分単位に切り上げ[[2022-04-23-excel-function-howto-use-ceilingCEILING]]=CEILING(A1,"0:15")
15分単位に切り捨て[[2022-04-22-excel-function-howto-use-floorFLOOR]]=FLOOR(A1,"0:15")
30分単位に四捨五入[[2022-04-21-excel-function-howto-use-mroundMROUND]]=MROUND(A1,"0:30")

時間の丸めにはCEILING・FLOOR・MROUNDが最適です。「15分単位」のような倍数指定に対応しています。

時間の基準値はダブルクォーテーションで囲む

時間値を基準にする場合は "0:15" のようにダブルクォーテーションで囲みます。0:15 をそのまま入力すると、Excelが数式と認識してエラーになることがあります。

シーン3: 金額の端数処理

請求書や見積書で「100円単位」「1,000円単位」に金額を丸めたい場面です。

やりたいことおすすめ関数数式例
100円未満を切り捨て[[2022-04-22-excel-function-howto-use-floorFLOOR]]=FLOOR(A1, 100)
100円未満を切り上げ[[2022-04-23-excel-function-howto-use-ceilingCEILING]]=CEILING(A1, 100)
100円単位に四捨五入[[2022-04-21-excel-function-howto-use-mroundMROUND]]=MROUND(A1, 100)
1,000円未満を切り捨て[[2022-04-19-excel-function-howto-use-rounddownROUNDDOWN]]=ROUNDDOWN(A1, -3)

FLOOR/CEILING/MROUNDなら基準値を直接指定できます。ROUNDDOWNの 桁数=-3 でも同じ結果です。チームで共有するなら読みやすいほうを選んでください。

シーン4: 在庫・発注の個数計算

「必要数を12個入りケース単位に切り上げたい」「余りは不要だから切り捨てたい」という場面です。

やりたいことおすすめ関数数式例
ケース数を切り上げ[[2022-04-23-excel-function-howto-use-ceilingCEILING]]=CEILING(A1, 12)
ケース数を切り捨て[[2022-04-22-excel-function-howto-use-floorFLOOR]]=FLOOR(A1, 12)
割り算の整数部分のみ[[2022-07-01-excel-function-howto-use-intINT]]=INT(A1/12)

=CEILING(25, 12)36(3ケース分)です。=FLOOR(25, 12) なら 24(2ケース分)です。

=INT(25/12)2(ケース数)を返します。「何ケース必要か」を求めるときに便利です。

シーン5: 統計・集計データの桁そろえ

平均値や割合を表示するとき、小数の桁数を統一したい場面です。

やりたいことおすすめ関数数式例
小数第1位に四捨五入[[2022-04-18-excel-function-howto-use-roundROUND]]=ROUND(AVERAGE(A1:A10), 1)
小数部分を削除[[2022-09-23-excel-function-howto-use-truncTRUNC]]=TRUNC(A1/B1)
整数に切り捨て[[2022-07-01-excel-function-howto-use-intINT]]=INT(A1/B1)

桁数を指定して丸めるならROUNDが定番です。TRUNCとINTは整数に丸めたいとき手軽に使えます。

表示上の桁数と計算結果の桁数は別

セルの書式設定で小数点以下の桁数を変えても、計算に使われる値は変わりません。計算結果そのものを丸めるには、ROUND関数を使って数値自体を変換してください。

丸め関数で迷ったときのQ&A

Q1. ROUNDDOWNとINTは何が違うの?

正の数ではどちらも同じ結果を返します。違いは負の数だけです。

  • =ROUNDDOWN(-3.75, 0)-3(0に近づく方向)
  • =INT(-3.75)-4(負の無限大方向)

消費税計算など、負の数が出る可能性がある場面ではROUNDDOWNを使うのが安全です。

Q2. ROUNDDOWNとTRUNCは何が違うの?

この2つは正の数でも負の数でも同じ結果を返します。どちらも「0方向に丸める」動作です。

違いは引数の仕様です。TRUNCは桁数を省略でき、省略時は整数に丸めます。ROUNDDOWNは桁数が必須です。

比較項目ROUNDDOWNTRUNC
桁数の省略不可(必須)可能(省略時は0)
丸め方向0方向に切り捨て0方向に切り捨て
結果の違いなしなし

Q3. FLOORとCEILINGはどう使い分ける?

FLOORは「指定した倍数に切り捨て」、CEILINGは「指定した倍数に切り上げ」です。

  • 出勤時刻(遅刻側は切り上げ) → CEILING
  • 退勤時刻(早退側は切り捨て) → FLOOR

勤怠処理では「会社に不利にならない方向」で丸めるのが一般的です。

Q4. ODD関数・EVEN関数はどんなときに使う?

正直なところ、出番は多くありません。ただし以下のような場面では便利です。

  • ODD: 会議室のペアリングで「必ず奇数人」を確保したいとき
  • EVEN: 梱包で「必ず偶数個」にそろえたいとき

通常の端数処理ではROUND系やCEILING/FLOORで十分です。ODD/EVENは奇偶にそろえたい場面限定です。

Q5. MROUND・FLOOR・CEILINGの使い分けは?

3つとも「倍数指定で丸める」関数ですが、丸め方向が異なります。

関数丸め方向=関数(7, 5) の結果
MROUND四捨五入5
FLOOR切り捨て5
CEILING切り上げ10

「7を5の倍数で丸める」と、MROUNDとFLOORは5を返します。CEILINGは10です。丸め方向で選んでください。

まとめ

Excelの丸め関数10種の使い分けを整理しました。最後にポイントをおさらいします。

分類関数ひと言まとめ
四捨五入ROUND / MROUND桁数ならROUND、倍数ならMROUND
切り捨てROUNDDOWN / INT / TRUNC / FLOOR桁数ならROUNDDOWN、倍数ならFLOOR。INTとTRUNCは整数丸め向き
切り上げROUNDUP / CEILING / ODD / EVEN桁数ならROUNDUP、倍数ならCEILING。ODD/EVENは奇偶限定

迷ったときは次の3ステップで判断してみてください。

  1. 丸め方向を決める: 四捨五入? 切り捨て? 切り上げ?
  2. 基準単位を決める: 桁数指定? 倍数指定? 整数固定?
  3. 負の数の可能性を確認する: ありえるならINTは避けてROUNDDOWN

各関数の詳しい使い方は、以下の個別記事で解説しています。

実務シーンでの具体的な選び方は「Excel端数処理の関数選び」もあわせてどうぞ。FLOOR/CEILING系の新旧6関数の違いは「FLOOR/CEILING系6関数の違い|MATH・PRECISEの使い分け」で詳しく比較しています。

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