「海外の取引先から届いたデータがマイルやポンド表記で、いちいち電卓で換算している」。こんな経験、ありませんか。
手計算だと換算係数を調べるところから始まるので、地味に時間がかかりますよね。しかも係数を間違えたら数値がずれてしまうので、ちょっと不安も残ります。
そんなときに頼れるのがスプレッドシートのCONVERT関数です。単位コードを指定するだけで、km⇔マイル、kg⇔ポンド、℃⇔℉など、さまざまな単位をワンタッチで変換してくれます。この記事では、CONVERT関数の基本から単位コード一覧、実務での活用例、よくあるエラーの対処法までまとめて紹介します。
スプレッドシートのCONVERT関数とは?
CONVERT関数(読み方: コンバート)は、ある測定単位の数値を、別の測定単位に変換する関数です。
名前は英語の「Convert(変換する)」がそのまま由来になっています。重量・距離・温度・時間・体積・面積・速度・エネルギーなど、幅広いカテゴリの単位変換に対応しています。
CONVERT関数の特徴をまとめると、次のとおりです。
- 単位コード(
"kg"や"mi"など)を指定するだけで自動換算 - 重量・距離・温度・時間・体積など13カテゴリ以上に対応
- 接頭辞(k・M・G など)を組み合わせて単位を拡張できる
- 同じカテゴリ内でのみ変換可能(重量→距離のような変換は不可)
- 単位コードは大文字・小文字を区別するので注意
NOTE
CONVERT関数はGoogleスプレッドシートの全バージョンで使えます。Excelにも同名の関数があるので、ファイルを共有するときも安心ですよ。
CONVERT関数の書き方(構文と引数)
基本構文
=CONVERT(値, 変換前の単位, 変換後の単位)
引数は3つです。すべて必須で、省略はできません。
引数の説明
| 引数 | 必須/任意 | 説明 |
|---|---|---|
| 値 | 必須 | 変換したい数値。セル参照または直接入力 |
| 変換前の単位 | 必須 | 元の単位を示す単位コード(例: "kg") |
| 変換後の単位 | 必須 | 変換先の単位を示す単位コード(例: "lbm") |
それぞれ詳しく見ていきましょう。
値(第1引数)
変換したい数値を指定します。セル参照(例: A2)でも、数値の直接入力(例: 100)でもOKです。
文字列や空白セルを指定すると #VALUE! エラーになるので注意してくださいね。
変換前の単位(第2引数)
元の単位を単位コードで指定します。単位コードは必ずダブルクォーテーションで囲みます。
たとえばキログラムなら "kg"、メートルなら "m" です。使える単位コードの一覧はこのあと紹介しますよ。
変換後の単位(第3引数)
変換先の単位を単位コードで指定します。書き方は第2引数と同じです。
たとえば =CONVERT(1, "kg", "lbm") と書くと、1キログラムをポンドに変換できます。
基本的な使い方
実際にCONVERT関数を使ってみましょう。ここでは、よくある3つの変換パターンを紹介します。
距離の変換(km → マイル)
海外出張の移動距離をマイルで伝える場面を想定します。
=CONVERT(A2, "km", "mi")
A2に 100 と入力すると、結果は約 62.14 になります。100kmは約62.14マイルということですね。
「km」はキロメートルの単位コードで、接頭辞 k(キロ)+ m(メートル)の組み合わせです。
重量の変換(kg → ポンド)
輸出入データでポンド表記が必要な場合に便利です。
=CONVERT(A2, "kg", "lbm")
A2に 50 と入力すると、結果は約 110.23 です。50kgは約110.23ポンドになります。
温度の変換(℃ → ℉)
海外向けの温度データを華氏に変換するケースです。
=CONVERT(A2, "C", "F")
A2に 25 と入力すると、結果は 77 です。25℃は77℉になります。
温度の単位コードは大文字の "C" と "F" です。小文字にするとエラーになるので気をつけてくださいね。
単位コード一覧
CONVERT関数で使える主要な単位コードをカテゴリ別にまとめました。実務でよく使うものを中心に紹介します。
重量
| 単位 | 単位コード |
|---|---|
| グラム | "g" |
| キログラム | "kg" |
| ポンド | "lbm" |
| オンス | "ozm" |
| トン | "ton" |
| スラグ | "sg" |
| ストーン | "stone" |
距離
| 単位 | 単位コード |
|---|---|
| メートル | "m" |
| キロメートル | "km" |
| マイル | "mi" |
| ヤード | "yd" |
| フィート | "ft" |
| インチ | "in" |
| 海里 | "Nmi" |
| 光年 | "ly" |
時間
| 単位 | 単位コード |
|---|---|
| 年 | "yr" |
| 日 | "day" |
| 時間 | "hr" |
| 分 | "mn" |
| 秒 | "sec" |
温度
| 単位 | 単位コード |
|---|---|
| 摂氏(℃) | "C" |
| 華氏(℉) | "F" |
| ケルビン(K) | "K" |
| ランキン度 | "Rank" |
体積
| 単位 | 単位コード |
|---|---|
| リットル | "l" |
| ガロン(米国) | "gal" |
| ガロン(英国) | "uk_gal" |
| カップ | "cup" |
| パイント(米国) | "pt" |
| クォート | "qt" |
| 立方メートル | "m3" |
| 立方フィート | "ft3" |
面積
| 単位 | 単位コード |
|---|---|
| 平方メートル | "m2" |
| 平方フィート | "ft2" |
| 平方ヤード | "yd2" |
| 平方マイル | "mi2" |
| ヘクタール | "ha" |
| エーカー(国際) | "uk_acre" |
| アール | "ar" |
速度
| 単位 | 単位コード |
|---|---|
| メートル/時 | "m/h" |
| メートル/秒 | "m/s" |
| マイル/時 | "mph" |
| ノット | "kn" |
エネルギー
| 単位 | 単位コード |
|---|---|
| ジュール | "J" |
| カロリー(IT) | "cal" |
| BTU(英国熱量単位) | "BTU" |
| ワット時 | "Wh" |
| 電子ボルト | "eV" |
| エルグ | "e" |
情報(データ容量)
| 単位 | 単位コード |
|---|---|
| ビット | "bit" |
| バイト | "byte" |
ビットやバイトには接頭辞を付けて拡張できます。たとえばキロバイトは "kbyte" 、メガバイトは "Mbyte" です。
接頭辞(プレフィックス)
CONVERT関数は、単位コードの前に接頭辞を付けて拡張できます。
| 接頭辞 | 意味 | コード | 例 |
|---|---|---|---|
| キロ | 10^3 | k | "km"(キロメートル) |
| メガ | 10^6 | M | "Mg"(メガグラム=トン) |
| ギガ | 10^9 | G | "Gbyte"(ギガバイト) |
| ミリ | 10^-3 | m | "mm"(ミリメートル) |
| マイクロ | 10^-6 | u | "um"(マイクロメートル) |
| センチ | 10^-2 | c | "cm"(センチメートル) |
実務で使える活用例
ここからは、仕事で役立つCONVERT関数の活用パターンを紹介します。
海外取引データの一括変換
輸出入業務で、商品リストの重量をkgからポンドに一括変換する例です。
B列に商品名、C列に重量(kg)が入っているとします。D列に次の数式を入力します。
=CONVERT(C2, "kg", "lbm")
あとはD列の数式を下にコピーすれば、全商品の重量をポンドに一括変換できますよ。
作業時間の変換(時間 → 分)
作業時間を時間単位で記録していて、分単位に変換したい場面です。
=CONVERT(A2, "hr", "mn")
A2に 1.5 と入力すると、結果は 90 です。1.5時間は90分ということですね。
データ容量の変換(GB → MB)
サーバーの容量管理で、GBをMBに変換する例です。
=CONVERT(A2, "Gbyte", "Mbyte")
A2に 2 と入力すると、結果は 2000 です。
NOTE
CONVERT関数のデータ容量変換は10進数ベース(1GB = 1000MB)です。2進数ベース(1GiB = 1024MiB)で計算したい場合は、接頭辞に
"Gi"や"Mi"を使います。=CONVERT(2, "Gibyte", "Mibyte")と書くと2048になりますよ。
不動産面積の変換(平方メートル → 坪)
残念ながらCONVERT関数に「坪」の単位コードはありません。ただし、平方メートルの値を使って計算できます。
=CONVERT(A2, "m2", "m2") / 3.30579
A2に 100 と入力すると、約 30.25(坪)です。1坪=約3.306平方メートルで割っています。
このように、CONVERT関数の結果をさらに計算に使うこともできますよ。
よくあるエラーと対処法
CONVERT関数で表示されるエラーと、その原因・対処法をまとめました。
#N/A エラー
最もよく見るエラーです。主に2つの原因があります。
原因1: 単位コードのスペルミス・大文字小文字の間違い
=CONVERT(100, "KM", "mi") → #N/A
正しくは "km"(小文字)です。単位コードは大文字・小文字を厳密に区別します。"C"(摂氏)と "c"(センチ接頭辞)は別物なので注意してくださいね。
原因2: 異なるカテゴリ間の変換
=CONVERT(100, "kg", "m") → #N/A
重量(kg)と距離(m)のように、カテゴリが違う単位同士は変換できません。同じカテゴリ内の単位コードを指定しましょう。
エラーが出たときは、IFERROR関数で代替値を表示するのがおすすめです。
=IFERROR(CONVERT(A2, "kg", "lbm"), "変換不可")
#VALUE! エラー
第1引数に数値以外(文字列や空白セル)を指定すると発生します。
=CONVERT("百", "kg", "lbm") → #VALUE!
数値が入ったセルを参照しているか確認しましょう。文字列を数値に変換するにはVALUE関数が使えます。
ExcelのCONVERT関数との違い
GoogleスプレッドシートのCONVERT関数は、ExcelのCONVERT関数とほぼ同じ仕様です。主要な単位コードも共通なので、Excel⇔スプレッドシート間でファイルをやり取りしてもそのまま動作します。
ただし、一部の単位コード(とくに新しく追加されたもの)は互換性がない場合があります。両方で使うファイルでは、基本的な単位コード("m", "kg", "C" など)を使っておくと安心ですよ。
まとめ
CONVERT関数の使い方を振り返りましょう。
- 構文:
=CONVERT(値, 変換前の単位, 変換後の単位) - 単位コードを指定するだけで、重量・距離・温度・時間・体積など幅広い単位を変換できる
- 接頭辞(k, M, G など)で単位を拡張できる
- 同じカテゴリ内でのみ変換可能。異なるカテゴリだと
#N/Aエラー - 単位コードの大文字・小文字は区別されるので注意
海外データの換算や、単位の統一作業で手計算している方は、ぜひCONVERT関数を試してみてください。一度覚えてしまえば、電卓いらずでサクッと変換できますよ。
スプレッドシート関数についてもっと知りたい方へ
スプレッドシートで使える関数を機能別にまとめた記事もあります。目的に合った関数を探したいときに便利ですよ。
