Excelのデータの入力規則完全ガイド|入力ミスを防ぐ3つの設定と実務パターン

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共有のExcelファイルを複数人で使っていると、入力に関するさまざまな問題に悩まされますよね。「予算欄にマイナスの数字が入っている」「日付の形式がバラバラ」「部署名の表記が人によって違う」といったケースです。こうした入力ミスや表記ゆれは、あとで集計するときにエラーやズレの原因になります。

放っておくと、フォーマットが崩れたり、関数の結果が合わなくなったりして、修正に余計な時間がかかってしまいます。そこで役立つのが、Excelの「データの入力規則」という機能です。

この記事では、入力ミスを防ぐ3つの実務パターンを中心に、設定手順をステップごとに解説します。3つとは「数値の範囲制限」「日付の制限」「プルダウンリスト作成」です。エラーメッセージのカスタマイズや、入力規則が設定されたセルを見つける方法まで網羅しました。同僚に教えてあげる感覚でまとめたので、ぜひ最後まで読んでみてください。

Excelの「データの入力規則」とは?できることと設定画面の開き方

データの入力規則とは、セルに入力できる値をあらかじめ制限できる機能です。ルールに合わない値を入力すると、警告を出したり入力そのものを拒否したりできます。

共有ファイルで「他人が変な値を入れて困る」という悩みを、根本から解決してくれる機能だと考えてください。

データの入力規則でできること

データの入力規則を使うと、たとえば次のような制限がかけられます。

  • 整数や小数だけを入力させる(文字を弾く)
  • 指定した範囲の数値だけに制限する(負の数を禁止するなど)
  • 特定の期間内の日付だけを入力させる
  • プルダウンリストから選択させる(部署名・ステータスなど)
  • 文字数を制限する(電話番号の桁数チェックなど)

このように、入力する人に「正しい値だけ」を入れてもらえるようガイドできるのが大きなメリットです。

設定画面(データの入力規則ダイアログ)を開く

まずは設定画面の開き方を覚えましょう。手順はとてもシンプルです。

ステップ1: 入力規則をかけたいセル(または範囲)を選択します。

ステップ2: リボンの「データ」タブをクリックします。

ステップ3: 「データツール」グループにある「データの入力規則」をクリックします。

!_images/excel-data-validation/01_open-dialog.png

これで「データの入力規則」ダイアログが開きます。このダイアログには4つのタブがあります。

タブ役割
設定入力値の種類と条件を指定する
入力時メッセージセルを選んだときに表示するヒント
エラーメッセージルール違反のときに表示する警告
日本語入力IMEのオン・オフを自動で切り替える

基本的によく使うのは「設定」タブと「エラーメッセージ」タブです。まずはこの2つを押さえておけば大丈夫です。

NOTE: 「設定」タブの「入力値の種類」では、「すべての値」「整数」「小数点数」「リスト」「日付」「時刻」「文字列(長さ指定)」「ユーザー設定(数式)」の8種類から選べます。次の章から、これらを実務シーンに沿って使い分けていきます。

【実務パターン1】数値の範囲を制限する|予算欄に負の数を弾く

最初の実務パターンは、数値の範囲制限です。たとえば予算管理表で、「金額欄にはマイナスの数字を入れさせたくない」というケースを考えてみましょう。

ここでは「0以上の整数だけを入力できる」ように設定していきます。

ステップで設定する

ステップ1: 金額を入力する範囲(例: B2:B20)を選択します。

ステップ2: 「データ」タブ →「データの入力規則」でダイアログを開きます。

ステップ3: 「設定」タブの「入力値の種類」で「整数」を選びます。

ステップ4: 「データ」のプルダウンで「次の値以上」を選びます。

ステップ5: 「最小値」の欄に 0 と入力します。

!_images/excel-data-validation/02_number-rule.png

ステップ6: 「OK」をクリックして設定を確定します。

これで、この範囲には0以上の整数しか入力できなくなりました。試しに -100 と入れてみると、エラーが表示されて入力をはじいてくれます。

小数や上限・下限の指定

数値の制限は「整数」だけでなく「小数点数」でも設定できます。たとえば「0.0から100.0までの割合(%)を入力させたい」場合は、入力値の種類を「小数点数」にします。

「データ」のプルダウンには、次の8つの条件が用意されています。

  • 次の値の間
  • 次の値の間以外
  • 次の値に等しい
  • 次の値に等しくない
  • 次の値より大きい
  • 次の値より小さい
  • 次の値以上
  • 次の値以下

上限と下限の両方を決めたいときは「次の値の間」を選びます。たとえば「最小値: 0」「最大値: 100」と入れれば、0から100までの範囲だけに制限できます。

【実務パターン2】日付の範囲を制限する|過去日を入力不可にする

2つ目の実務パターンは、日付の制限です。申請日や予約日の欄で「過去の日付は入れさせたくない」というケースはよくありますよね。

ここでは「今日以降の日付だけを入力できる」ように設定します。

ステップで設定する

ステップ1: 日付を入力する範囲を選択します。

ステップ2: 「データの入力規則」ダイアログを開きます。

ステップ3: 「入力値の種類」で「日付」を選びます。

ステップ4: 「データ」で「次の値以上」を選びます。

ステップ5: 「開始日」の欄に基準にしたい日付を入力します。

!_images/excel-data-validation/03_date-rule.png

ステップ6: 「OK」をクリックして確定します。

これで、指定した日付より前の日付は入力できなくなります。

「今日以降」を動的に指定する(TODAY関数)

固定の日付ではなく「今日以降」を制限の基準にしたい場合は、TODAY関数を使います。これがとても便利です。

ステップ5で「開始日」の欄に、次のように入力してみてください。

=TODAY()

こうすると、「今日以降の日付のみ入力可能」という動的な制限になります。ファイルを開くたびに基準日が自動で今日に更新されるのがポイントです。毎回手で日付を直す必要がありません。

過去日を完全に禁止したい申請フォームなどで、とても重宝するテクニックです。

【実務パターン3】プルダウンリストを作る|部署名・ステータス管理

3つ目は、おそらく一番使う機会が多いプルダウンリストの作成です。「部署名」や「ステータス」のように、決まった選択肢から選ばせたい場面で活躍します。

手入力だと「営業部」と「営業課」のような表記ゆれが起きがちです。プルダウンにすれば、選択肢から選ぶだけなので確実に統一できます。

プルダウンの作り方は、大きく分けて2通りあります。

直接入力でリストを作る

選択肢が少なく、変更も少ない場合は、直接入力する方法が手軽です。

ステップ1: プルダウンにしたいセル範囲を選択します。

ステップ2: 「データの入力規則」ダイアログを開きます。

ステップ3: 「入力値の種類」で「リスト」を選びます。

ステップ4: 「元の値」の欄に、選択肢をカンマ区切りで入力します。

!_images/excel-data-validation/04_pulldown-list.png

選択肢の入力例は次のとおりです。半角カンマで区切るのがポイントです。

総務部,営業部,経理部,人事部

ステップ5: 「ドロップダウン リストから選択する」にチェックが入っていることを確認します。

ステップ6: 「OK」をクリックします。

これで、セルの右側に下向きの三角(▼)が表示され、クリックすると選択肢が出てくるようになります。

セル範囲を参照してリストを作る

選択肢の数が多い場合や、あとから追加・変更したい場合は、セル範囲を参照する方法がおすすめです。

まず、シートの空いている場所(または別シート)に選択肢の一覧を入力しておきます。たとえばF2からF5に部署名を縦に並べておきます。

ステップ4の「元の値」の欄では、その範囲を次のように指定します。

=$F$2:$F$5

セル範囲を参照しておくと、選択肢を変えたいときに一覧を書き換えるだけで済みます。ダイアログを開き直す必要がないので、メンテナンスがぐっと楽になります。

TIP: Googleスプレッドシートでも同じようにプルダウンを作れます。色付けや選択肢の連動まで含めた手順は、スプレッドシートのプルダウン作り方で詳しく解説しています。ExcelとSheetsを使い分ける方はあわせてどうぞ。

エラーメッセージをカスタマイズする|停止・注意・情報の使い分け

入力規則を設定すると、ルール違反のときに警告が表示されます。この警告メッセージは自分で文章を変えられます。さらに、警告の「強さ」も3段階から選べるのをご存知でしょうか。

「データの入力規則」ダイアログの「エラーメッセージ」タブを開くと、「スタイル」というプルダウンがあります。ここで選べる3種類が、入力をどこまで制限するかを決めます。

スタイル動作使う場面
停止違反した入力を完全に拒否する絶対に間違った値を入れさせたくないとき
注意警告を出すが「はい」で続行できる原則ダメだが例外も認めたいとき
情報お知らせを表示し「OK」で入力を許可する入力は許可しつつ注意を促したいとき

それぞれの違いを、もう少し具体的に見ていきましょう。

「停止」は最も厳しいスタイルです。ルールに合わない値は再入力かキャンセルしかできません。予算の負数禁止のように、ミスを絶対に通したくない場面で使います。

「注意」は中間のスタイルです。警告は出ますが、「はい」を選べばそのまま入力できます。「基本はダメだけど、どうしても必要なら例外を認める」という運用に向いています。

「情報」は最もゆるいスタイルです。お知らせが出るだけで、入力自体は止めません。「念のため確認してほしい」程度の注意喚起に使います。

メッセージの「タイトル」と「エラーメッセージ」の欄に文章を入れると、自分の言葉で案内できます。たとえば「0以上の数字を入力してください」と具体的に書いてあげると、入力する人も迷いません。

!_images/excel-data-validation/05_error-message.png

入力規則が設定されたセルを見つける方法|ジャンプ機能の活用

共有ファイルを使っていると、「どのセルに入力規則がかかっているのか分からない」という状況になりがちです。見た目では入力規則の有無が分からないので、これは意外と困りますよね。

そんなときに役立つのが「ジャンプ」機能です。入力規則が設定されたセルだけを一括で選択できます。

ステップ1: キーボードで Ctrl + G を押します(「ホーム」タブ →「検索と選択」→「条件を選択してジャンプ」からでも開けます)。

ステップ2: 表示されたダイアログの「セル選択」ボタンをクリックします。

ステップ3: 「データの入力規則」にチェックを入れます。

!_images/excel-data-validation/06_jump-feature.png

ステップ4: 「すべて」か「同じ入力規則」を選びます。

ステップ5: 「OK」をクリックします。

「すべて」を選ぶと、入力規則が設定されたセル全部が選択されます。「同じ入力規則」を選ぶと、いま選んでいるセルと同じ規則のセルだけが選択されます。

選択された状態でセルに色を付けておけば、どこに規則がかかっているか一目で分かるようになります。引き継ぎ資料を作るときにも便利なテクニックです。

データの入力規則を解除・変更する方法

設定した入力規則は、あとから変更したり完全に削除したりできます。やり方を覚えておくと安心です。

入力規則を変更する

ステップ1: 変更したいセルを選択します。

ステップ2: 「データの入力規則」ダイアログを開きます。

ステップ3: 「設定」タブで条件を変更します。

ステップ4: 「OK」をクリックして確定します。

入力規則を解除する

ステップ1: 解除したいセル(または範囲)を選択します。

ステップ2: 「データの入力規則」ダイアログを開きます。

ステップ3: ダイアログ左下の「すべてクリア」をクリックします。

ステップ4: 「OK」をクリックします。

これで選択したセルの入力規則が削除されます。シート全体から消したいときは、Ctrl + A で全選択してから「すべてクリア」を実行してください。

NOTE: データの入力規則は「設定後に手入力された値」をチェックする機能です。設定する前から入っていた値や、コピー&ペーストで貼り付けた値はチェックされません。さらに、貼り付け操作によって入力規則そのものが上書きされてしまうこともあります。すでにデータが入っている表に設定するときは、既存の値も一度見直しておくのがおすすめです。

まとめ

Excelの「データの入力規則」は、共有ファイルの入力ミスや表記ゆれを防ぐ強力な機能です。この記事で紹介したポイントを振り返ってみましょう。

  • 設定画面は「データ」タブ →「データの入力規則」から開く
  • 数値の範囲制限で、予算欄の負の数などを弾ける
  • 日付の制限とTODAY関数で、過去日の入力を動的に禁止できる
  • プルダウンリストで、部署名やステータスの表記を統一できる
  • エラーメッセージは「停止・注意・情報」の3スタイルから選べる
  • ジャンプ機能を使えば、入力規則が設定されたセルを一括で見つけられる

まずは身近な表の1列だけでも、入力規則を設定してみてください。共有ファイルの管理がぐっと楽になるはずです。プルダウンをGoogleスプレッドシートでも使いたい方は、スプレッドシートのプルダウン作り方もあわせてチェックしてみてくださいね。

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