Excelで「必ず偶数にしたい」という場面はありませんか。たとえばペア作業で偶数個ずつ振り分けたいときや、2個セットの梱包数を確保したいときなどです。
EVEN関数を使えば、数値をいちばん近い偶数にサッと切り上げられます。この記事では基本の書き方から負の数の注意点、ODD・CEILINGとの使い分けまでまとめて紹介します。
この記事は次のような人におすすめ
- 数値を偶数に切り上げたい
- EVEN関数とODD関数の違いを知りたい
- 負の数でEVEN関数がどう動くか確認したい
EVEN関数とは?
EVEN(イーブン)関数は、数値を0から離れる方向でいちばん近い偶数に切り上げる関数です。名前は英語の「even(偶数の・均等な)」に由来しています。
たとえば「3」にEVEN関数をかけると「4」が返ります。すでに偶数の「6」を渡すとそのまま「6」です。四捨五入ではなく、常に偶数方向へ切り上げるのがポイントですね。
Excel 2007以降のすべてのバージョンで使用できます。Microsoft 365やGoogleスプレッドシートにも対応しています。
EVEN関数の書き方(構文と引数)
基本構文
=EVEN(数値)
引数は1つだけ。ODD関数やCEILING関数と比べてもシンプルです。
引数の説明
| 引数 | 必須/任意 | 内容 |
|---|---|---|
| 数値(number) | 必須 | 偶数に切り上げたい数値。セル参照や数式もOK |
直接入力・セル参照・他の関数の結果など、数値として扱えるものなら何でも指定できます。
EVEN関数の基本的な使い方
正の数を偶数に切り上げる
もっともシンプルな使い方です。
=EVEN(3)
結果は「4」です。3は奇数なので、次の偶数である4に切り上がります。
=EVEN(5.1)
結果は「6」です。小数も同じように、次の偶数まで切り上げられます。
すでに偶数の場合
=EVEN(8)
結果は「8」です。すでに偶数なら、そのままの値が返ります。
セル参照で指定する
A1に「11.5」が入っているとします。
=EVEN(A1)
結果は「12」です。セル参照でも同じように使えます。実務ではこちらの書き方がメインになるでしょう。
0を渡した場合
=EVEN(0)
結果は「0」です。0は偶数なのでそのまま返ります。ODD関数では0を渡すと1になるので、ここが大きな違いです。
EVEN関数の実務活用パターン
2個セットの梱包数を確保する
商品を2個セットで梱包するとき、数量を偶数に揃えたい場合があります。B2に数量が入っているとしましょう。
=EVEN(B2)
たとえばB2が「13」なら結果は「14」です。「10」ならそのまま「10」が返ります。2個セットに必要な偶数をサッと求められます。
MOD関数と組み合わせて偶数チェック
数値が偶数かどうかを判定したいときは、EVEN関数ではなくMOD関数を使います。
=MOD(A1, 2)
結果が「0」なら偶数、「1」なら奇数です。EVEN関数は「切り上げ」であって「判定」ではない点に注意してくださいね。
CEILING関数との組み合わせ
「偶数に切り上げたあと、さらに10の倍数に揃えたい」といった場合です。
=CEILING(EVEN(A1), 10)
A1が「7」なら、EVEN関数で「8」→ CEILING関数で「10」になります。段階的に丸めたいときに便利な組み合わせです。
負の数でのEVEN関数の挙動
ここがEVEN関数でもっとも注意すべきポイントです。
負の数は「0から離れる方向」に切り上がる
EVEN関数は正の数も負の数も、0から遠ざかる方向で切り上げます。数直線で見ると、絶対値が大きくなる側の偶数を返します。
=EVEN(-3)
結果は「-4」です。「-2」ではない点に注意してください。-3より絶対値が大きい偶数は-4なので、そちらが返ります。
正の数と負の数の挙動比較
| 数値 | EVEN(数値) | 説明 |
|---|---|---|
| 3 | 4 | 次の偶数に切り上げ |
| 5.1 | 6 | 次の偶数に切り上げ |
| 8 | 8 | すでに偶数なのでそのまま |
| 0 | 0 | 偶数なのでそのまま |
| -3 | -4 | 0から離れる方向に切り上げ |
| -5.1 | -6 | 0から離れる方向に切り上げ |
| -8 | -8 | すでに偶数なのでそのまま |
INT関数が「負の無限大方向」に丸めるのと似た考え方です。INT関数との違いは、EVEN関数が必ず偶数を返す点にあります。
よくあるエラーと対処法
#VALUE! エラー
数値として認識できない文字列を渡すと発生します。
=EVEN("abc")
セル参照先に全角数字や余計なスペースが混入していないか確認してみてください。全角数字はASC関数で半角に変換できます。
=EVEN(ASC(A1))
結果が想定と違う(負の数の方向)
先ほど解説したとおり、負の数は「0から離れる方向」に切り上がります。=EVEN(-3) が「-2」ではなく「-4」になるのは正常な動作です。
0に近い偶数が欲しい場合は、絶対値をEVEN関数で処理してから符号を戻す方法があります。
=SIGN(A1) * EVEN(ABS(A1))
ただし、正の数と同じ結果にはなりません。用途に合わせて使い分けてくださいね。
似た関数との違い・使い分け
EVEN関数と混同しやすい関数を比較表で整理します。
| 関数 | 切り上げ先 | 引数の数 | 用途 |
|---|---|---|---|
| EVEN | 偶数 | 1 | 偶数に切り上げたいとき |
| ODD | 奇数 | 1 | 奇数に切り上げたいとき |
| CEILING | 指定した倍数 | 2 | 任意の倍数に切り上げたいとき |
| INT | 整数(切り捨て) | 1 | 小数を整数に切り捨てたいとき |
| FLOOR | 指定した倍数(切り捨て) | 2 | 任意の倍数に切り捨てたいとき |
| MROUND | 指定した倍数(四捨五入) | 2 | 倍数単位で丸めたいとき |
選び方のコツは3つです。
まとめ
EVEN関数は、数値を偶数に切り上げるシンプルな関数です。
ポイントを整理します。
- 構文は
=EVEN(数値)の1引数だけ - すでに偶数ならそのまま、奇数や小数は次の偶数に切り上がる
- 0を渡すと0が返る(ODD関数の0→1とは異なる)
- 負の数は「0から離れる方向」に切り上がる(-3 → -4)
- 偶数・奇数の判定にはMOD関数を使う
まずは =EVEN(A1) でセルの値を偶数に変換するところから試してみてください。
