スプレッドシートのNOMINAL関数の使い方|名目年利率を求める

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預金や借入の金利案内を見ると「年利3%(年複利)」「月複利」のように複利の周期が違うことがありますよね。年複利と月複利では、同じ年率でも実際の受け取り利息が異なります。

この記事では、スプレッドシートのNOMINAL関数の使い方を、構文から実務の活用例・よくあるエラーの対処まで同僚に教える感覚で解説します。EFFECT関数との使い分けもあわせて整理するので、金融商品の利率比較や経理シミュレーションに役立ててください。

スプレッドシートのNOMINAL関数とは?

スプレッドシートのNOMINAL関数は、実質年利率(実効金利)と複利計算の回数から、名目年利率(表面上の利率)を逆算する財務関数です。

「名目年利率」とは、複利の周期を考慮する前の年利率のことです。金融機関のパンフレットに載っている「年○%」の数字がこれにあたります。一方「実質年利率」は、複利効果を1年分まとめた場合の実際の利率です。

たとえば「月複利で実質年利率12.68%」と言われても、「じゃあ月利は何%なの?」とか「名目年利はいくらになる?」と疑問に思うことがありますよね。そのときにNOMINAL関数が役立ちます。

関連するEFFECT関数は逆方向の変換(名目年利率→実質年利率)を行います。NOMINAL関数とEFFECT関数はペア関数として覚えておくと便利ですよ。

NOMINAL関数の構文と引数

NOMINAL関数の構文は次のとおりです。

=NOMINAL(実質年利率, 複利計算回数)

英語表記だと =NOMINAL(effect_rate, npery) となります。引数は2つだけなのでシンプルな関数ですよ。

引数省略説明
実質年利率(effect_rate)必須1年の実質的な利率(小数で指定。例: 12.68%→0.1268)
複利計算回数(npery)必須1年あたりの複利計算回数(月複利なら12、四半期複利なら4)

複利計算回数の目安

複利の種類npery の値
年複利1
半年複利2
四半期複利4
月複利12
日複利(365日)365
日複利(360日)360

返り値の型

NOMINAL関数は小数で返ります。例えば名目年利率が10%なら 0.1 が返るので、パーセント表示にしたいときはセルの書式を「パーセンテージ」に設定してください。

NOMINAL関数の基本的な使い方

月複利12.68%の実質年利から名目年利率を求める

月複利で実質年利率が12.68%(0.1268)のとき、名目年利率を求めてみましょう。

=NOMINAL(0.1268, 12)

結果は 約0.12(12%) です。月複利12%の名目年利率が1年で12.68%の実質利回りになると確認できますよ。

パーセントで入力したセルを参照する場合は次のように書けます。

=NOMINAL(B2, 12)

B2セルに「12.68%」と入力してあれば、自動で小数に変換してくれます。

四半期複利で年利換算する

四半期複利(年4回計算)で実質年利率が10.38%の場合、名目年利率を求めます。

=NOMINAL(0.1038, 4)

結果は 約0.1(10%) です。四半期ごとに2.5%ずつ複利計算される商品の年率表記に相当しますよ。

実務的な利率比較表を作る

複数の金融商品の実質年利率が異なる場合でも、NOMINAL関数を使って名目年利率に換算すると比較しやすくなります。

商品名複利の種類実質年利率数式名目年利率
定期預金A月複利12.68%=NOMINAL(0.1268, 12)約12.00%
社債B半年複利10.25%=NOMINAL(0.1025, 2)約10.00%
借入C四半期複利10.38%=NOMINAL(0.1038, 4)約10.00%

こうして名目年利率に揃えると、契約書や資料に書いてある年利率との照合がしやすくなりますよ。

EFFECT関数との使い分け

NOMINAL関数とペアになるEFFECT関数は、名目年利率から実質年利率を求める関数です。変換の方向が逆なので混同しないよう整理しておきましょう。

比較項目NOMINAL関数EFFECT関数
変換の方向実質年利率 → 名目年利率名目年利率 → 実質年利率
使う場面実効金利が分かっていて表面利率を逆算したい表面利率から実際の年間収益率を計算したい
構文=NOMINAL(実質年利率, 複利計算回数)=EFFECT(名目年利率, 複利計算回数)
引数の数2つ2つ

判断基準は「どちらが既知か」で決まります。金融機関から「実質年利率○%」と提示された場合はNOMINAL関数、「年利率○%(月複利)」と提示された場合はEFFECT関数を使います。詳しくはEFFECT関数の記事も参照してみてください。

相互変換の確認

NOMINAL関数とEFFECT関数で結果を相互確認できます。

=EFFECT(NOMINAL(0.1268, 12), 12)

上の数式は「NOMINAL関数で変換した名目年利率をEFFECT関数で実質年利率に戻す」操作です。結果は元の 0.1268 に戻るはずです。この往復変換でミスなく計算できているか確認できますよ。

よくあるエラーと対処法

#NUM!エラー

以下のケースで発生します。

発生条件対処法
実質年利率が0以下正の数値を指定する
複利計算回数が1未満(0または負の値)1以上の整数を指定する

複利計算回数が小数(例: 2.5)の場合は自動で切り捨てられます(2として計算)。0以下を指定した場合のみエラーになりますよ。

#VALUE!エラー

引数に数値ではなく文字列が入っている場合に発生します。入力したセルの書式を確認し、数値またはパーセンテージ形式になっているかチェックしてください。

#NAME?エラー

関数名のスペルミスが原因です。「NOMNAL」「NOMINL」などと打ち間違えると発生します。入力候補から選ぶと確実ですよ。

Excelとの互換性

NOMINAL関数はExcelとGoogleスプレッドシートで同じ計算結果を返します。Excelファイル(.xlsx)をスプレッドシートで開いても関数はそのまま動作します。

スプレッドシートでは引数名が日本語(「実質年利率」「複利計算回数」)で表示されます。Excelの英語表記(effect_ratenpery)と見た目は異なりますが、動作に影響はありません。

なお、ExcelでNOMINAL関数を使う場合、バージョンによっては「分析ツール」アドインの有効化が必要なことがあります。スプレッドシートはアドイン不要で最初から使えますよ。

まとめ

スプレッドシートのNOMINAL関数は、実質年利率と複利計算回数から名目年利率を逆算する財務関数です。ポイントをまとめておきます。

  • 引数は 実質年利率(小数)と複利計算回数(年複利なら1、月複利なら12)の2つだけ
  • EFFECT関数の逆変換として覚えると混乱しない。「実質→名目」がNOMINAL、「名目→実質」がEFFECT
  • 実質年利率・複利計算回数ともに 0以下を指定すると #NUM! エラーになる
  • 複利計算回数に小数を入れると切り捨てて整数として計算される
  • Excelとの互換性があり、.xlsxファイルをそのまま開いても動作する

金融商品の利率比較や借入条件のシミュレーションで、EFFECT関数とあわせて使いこなしてみてくださいね。

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