「りんごの売上だけを合計したい」「特定の部署の経費だけを足したい」——こういった場面、仕事でよくありますよね。
SUM関数でひとつずつ数値を足していくのは手間がかかりますし、データが増えるたびに数式を修正しなければならないので非常に非効率です。
そんなときに役立つのが SUMIF関数(サムイフ) です。条件を指定するだけで、該当するデータの数値を自動的に合計してくれます。この記事では、SUMIF関数の基本的な使い方から、よくあるエラーの対処法まで丁寧に解説します。
SUMIF関数とは?(概要)
SUMIF関数とは、指定した範囲の中から条件に一致するセルの値を合計する関数です。
読み方は「サムイフ」。SUM(合計)+ IF(もし〜なら)を組み合わせた名前のとおり、「もし〇〇ならば合計する」という動作をします。
たとえば下のような売上データがあるとします。

A列に果物の名前、B列に売上金額が並んでいます。このデータから「りんご」の売上だけを合計したい場合、SUMIF関数を使えば1行の数式で取り出せます。
SUM / SUMIF / SUMIFS の使い分け
| 関数名 | できること |
|---|---|
| SUM | 指定した範囲のすべてを合計する |
| SUMIF | 1つの条件に一致する値を合計する ← この記事 |
| SUMIFS | 複数の条件に一致する値を合計する |
まずSUMIF関数を使いこなして、余裕が出てきたらSUMIFS関数も覚えるのがおすすめです。
SUMIF関数の書き方(構文と引数)
基本構文
=SUMIF(範囲, 検索条件, [合計範囲])
引数の説明
| 引数 | 必須/任意 | 説明 |
|---|---|---|
| 範囲 | 必須 | 条件を検索するセル範囲 |
| 検索条件 | 必須 | 合計する対象を絞り込む条件 |
| 合計範囲 | 任意 | 実際に合計するセル範囲(省略時は「範囲」を合計) |
引数は3つですが、「合計範囲」は省略できます。省略すると「範囲」の値がそのまま合計されます。ただし実務では「合計範囲」を指定するケースがほとんどです。
基本的な使い方
先ほどの果物の売上データを例に、SUMIF関数を実際に書いてみましょう。
「りんご」の売上合計を出すには、次のように入力します。
=SUMIF(A2:A6,"りんご",B2:B6)

数式を分解するとこういう意味になります。
- A2:A6(範囲):ここから「りんご」を探す
- “りんご”(検索条件):この文字列と一致するものを対象にする
- B2:B6(合計範囲):一致した行のB列の値を合計する
A2・A4・A6の行が「りんご」なので、B2(100)+ B4(150)+ B6(250)= 500 が結果になります。
実践的な使い方・応用例
数値で条件を指定する
検索条件には文字列だけでなく、数値や比較演算子も使えます。
=SUMIF(B2:B6,">=200",B2:B6)
「売上が200以上のものを合計する」という意味です。比較演算子(>、<、>=、<=、<>)はダブルクォーテーションで囲む点に注意してください。
ワイルドカードを使う
検索条件にはワイルドカードも使えます。
| ワイルドカード | 意味 | 使用例 |
|---|---|---|
* | 任意の文字列 | "りんご*" → りんご、りんごジュース、りんご飴など |
? | 任意の1文字 | "りんご?" → りんごA、りんごBなど1文字のもの |
=SUMIF(A2:A6,"り*",B2:B6)
これで「り」から始まる果物(りんご、りんごジュースなど)の売上を合計できます。
別セルの値を条件に使う
条件をセル参照にすると、セルの内容を変えるだけで集計対象を切り替えられます。
=SUMIF(A2:A6,D2,B2:B6)
D2セルに「みかん」と入力すれば「みかん」の合計、「りんご」に変えれば「りんご」の合計が自動で変わります。ダッシュボード的な集計表を作るときに非常に便利です。
よくあるエラーと対処法
合計がゼロになる
原因の多くは、検索条件と実際のデータに不一致があるケースです。
よくあるミスは「余分なスペース」です。セルに「りんご 」(後ろにスペースあり)と入っていると、「りんご」という条件では一致しません。TRIM関数でスペースを除去するか、データ入力時に気をつけましょう。
また、数値のように見えても「文字列の数値」(左揃えになっている)の場合も合計されません。セルの表示形式を確認してください。
#VALUE! エラーが出る
「範囲」と「合計範囲」のサイズが著しく異なる場合に発生することがあります。
必ず同じ行数・列数の範囲を指定してください。たとえば範囲がA2:A10(9行)なのに、合計範囲がB2:B6(5行)だと意図しない動作になります。
文字列の条件がうまく機能しない
検索条件に文字列を直接書く場合は、ダブルクォーテーション(")で囲むことを忘れずに。
× =SUMIF(A2:A6,りんご,B2:B6) ← エラー
○ =SUMIF(A2:A6,"りんご",B2:B6) ← 正しい
SUMIFとSUMIFSの違い・使い分け
| 比較項目 | SUMIF | SUMIFS |
|---|---|---|
| 条件の数 | 1つ | 複数(127個まで) |
| 引数の順番 | 範囲→条件→合計範囲 | 合計範囲→条件範囲1→条件1→… |
| 使いどころ | 条件がシンプルなとき | 複数の条件で絞り込みたいとき |
注意点として、SUMIFSは引数の順番が異なります。SUMIFでは「範囲」が先ですが、SUMIFSでは「合計範囲」が最初に来ます。混乱しやすい点なので覚えておきましょう。
まとめ
- SUMIF関数は「条件に一致するセルの値だけを合計する」関数
- 書き方:
=SUMIF(範囲, 検索条件, [合計範囲]) - 文字列・数値・比較演算子・ワイルドカードを条件に使える
- セル参照を条件にすると切り替えが楽になる
- 合計ゼロのエラーはスペースや文字列型の数値が原因なことが多い
SUMIF関数を使いこなすと、大量のデータから必要な数値だけを素早く取り出せるようになります。集計作業の効率が大幅にアップするので、ぜひ実務で活用してみてください。
条件が複数になってきたらSUMIFS関数も合わせてチェックしてみましょう。


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