Excel #VALUE!エラーの直し方|症状別早見表で即特定

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Excelで数式を入れたのに、セルに #VALUE! の文字だけが出ていませんか。

次のような症状に心当たりがあれば、この記事はそのまま使えます。

  • 見た目は数字なのに、足し算しただけで #VALUE! になる
  • 空欄にしか見えないセルを計算に入れると #VALUE! が出る
  • CSVから貼り付けた日付をDATEDIFに渡すと #VALUE! になる
  • XLOOKUPが #N/A ではなく #VALUE! を返してくる

原因が見えないまま数式を書き換え続けると、直したはずの箇所がまた崩れますよね。

安心してください。#VALUE! が知らせているのは「データの型が合っていない」という1点だけ。症状別と関数別の早見表を先に用意したので、気になる行から読み飛ばして構いません。

対応バージョン: #VALUE! 自体は Microsoft 365・Excel 2021・2019・2016・Excel for the web のどれでも同じように出ます。ただし後述の「数式の検証」には版差あり。公式の操作手順が Excel for Windows(デスクトップ版)前提で書かれており、Web版のリボンには見当たりません。Web版の方はISTEXT・LENを使った診断に読み替えてください。

  1. ExcelのVALUEエラー(#VALUE!)とは|症状から原因を探す早見表
    1. #VALUE!の意味(「型が合っていない」というサイン)
    2. 症状から探す早見表(見た目・操作から一発で探す)
    3. 関数別早見表(VLOOKUP・SUMIF・DATEDIF・XLOOKUPほか)
  2. 原因別の診断と直し方【5パターン】
    1. パターン1:文字列が数値計算に混ざっている
    2. パターン2:スペースや非表示文字が混ざっている
    3. パターン3:日付や時刻の型が合っていない(DATEDIFのVALUEエラーもここ)
    4. パターン4:範囲や配列のサイズが合っていない(XLOOKUPのVALUEエラーもここ)
    5. パターン5:関数の引数の型が違っている(VLOOKUP・SUMIFの引数ミスもここ)
  3. 原因の箇所を特定する診断テクニック
    1. 数式の検証で1ステップずつ追う(デスクトップ版向け)
    2. F9キーで数式の一部だけを計算してみる
    3. ISTEXTとLENでセルの中身を確認する
  4. #VALUE!を防ぐ予防的な数式設計
    1. IFERRORでエラー時の表示を整える
    2. ISTEXTで入力をチェックする
    3. 取り込んだデータは先にクレンジングする
    4. 表示形式で単位を扱う(数値セルに「個」「円」を直接入力しない)
  5. #VALUE!エラーでよくある質問
    1. SUM関数なら#VALUE!は出ないのですか?
    2. VLOOKUPで#VALUE!が出るのはなぜですか?
    3. 全角スペースなのに見た目で気づけないのはなぜですか?
    4. IFERRORで隠すのは良くないのですか?
    5. エラーを判定だけしたい場合はどうすればいいですか?
  6. まとめ|#VALUE!は早見表で症状から見つけて直す

ExcelのVALUEエラー(#VALUE!)とは|症状から原因を探す早見表

#VALUE!の意味(「型が合っていない」というサイン)

#VALUE!(読み方はバリュー)は、数式や関数に「想定していない種類のデータ」が渡されたときに出るエラーです。

Excelのデータには、大きく「数値」と「文字列」という型があります。足し算や掛け算は数値どうしで行う計算。計算できない文字が混ざると、Excelは合図として #VALUE! を返します。

大事なのは、このエラーが場所ではなく種類しか教えてくれないという点。似た見た目のエラーと混同すると、調べる方向ごとズレてしまいます。

#N/A は「検索値が見つからない」、#REF! は「参照先が無効」、#NUM! は「数値として計算できない」というサイン。どれも #VALUE! とは原因が別です。全体像はExcelエラー値12種類の原因と対処法一覧で確認できます。

症状から探す早見表(見た目・操作から一発で探す)

いま画面に起きていることを、下の表から探してください。疑う原因と読むべきセクションが決まります。

いま起きている症状疑う原因ジャンプ先
セルには数字が見えているのに、=A1+B1 の足し算だけで #VALUE! になる数字に見えて中身が文字列パターン1
引き算だけがエラーになる。マイナス記号のあたりが怪しいマイナス記号が別の記号に化けているパターン1
空欄にしか見えないセルを計算に入れた瞬間 #VALUE! が出るスペースや非表示文字の混入パターン2
Webページや基幹システムからコピーした値だけがエラーになるノーブレークスペースなど特殊な空白パターン2
CSVから貼り付けた日付を計算に使うとエラー。日付が左揃えで表示されている日付が文字列のまま保存されているパターン3
DATEDIFで年齢や勤続年数を出そうとすると #VALUE! になる開始日・終了日が日付として認識されていないパターン3
XLOOKUPが #N/A ではなく #VALUE! を返してくる検索範囲と戻り範囲のサイズ違いパターン4
SUMPRODUCTや範囲どうしの計算でエラーになる配列の行数・列数がそろっていないパターン4
VLOOKUPでエラー。列番号を指定したところが怪しい第3引数(列番号)の指定ミスパターン5
数式は正しそうなのに、参照先のセルがすでにエラーになっている別のエラーが連鎖しているパターン5
「10個」と単位付きで入力したセルを計算に使うとエラーになる数値セルに単位の文字を直接入力している予防設計

症状が2つ以上当てはまるときは、表の上から順に確認するのが早道。とくに多いのはパターン1とパターン2です。

なお #VALUE! すら出ず、数式の文字がそのまま表示される症状なら原因は別の場所。そちらはExcel 計算されない原因と直し方|症状別早見表で即解決にまとめました。

関数別早見表(VLOOKUP・SUMIF・DATEDIF・XLOOKUPほか)

#VALUE! は「関数名+エラー名」で検索されることの多いエラー。取り違えが起きやすいのは、同じ関数が状況によって別のエラーを返すケースです。

右の列も合わせて見てください。エラー名を取り違えると、まったく違う場所を直すことになります。

関数#VALUE! になりやすいケース別のエラーになるケース(取り違え注意)ジャンプ先
VLOOKUP第3引数(列番号)に1未満の数を指定した列番号が範囲の列数を超えると #REF! / 完全一致で見つからないと #N/Aパターン5
XLOOKUP検索範囲と戻り範囲の行数・列数が一致しない検索値が見つからないと #N/A / 展開先にデータがあると #SPILL!パターン4
DATEDIF開始日・終了日が日付として認識されない文字列開始日が終了日より後、単位文字列が無効だと #NUM!パターン3
SUM文字列は無視されるため出にくい。範囲内に別のエラー値があるとそのまま伝わるよくある質問
SUMIF条件範囲・合計範囲に他のエラー値が混ざっているときパターン5
IF参照先のセルがエラー/分岐の中で文字列と数値を計算しているネストしたVLOOKUPが「見つからない」場合は #N/Aパターン5
VALUE数値として解釈できない文字列を渡したパターン1
DATEVALUE・TIMEVALUE日付・時刻として解釈できない文字列を渡したパターン3
SUMPRODUCT引数に渡した配列の行数・列数がそろっていないパターン4

XLOOKUPは範囲サイズの不一致なら #VALUE!、範囲がそろっているのに見つからないなら #N/A。症状別の対処は6症状で直すXLOOKUP関数の使い方|別シート参照・空白が0になる問題までで扱っています。

DATEDIFは日付が文字列なら #VALUE!、日付は正しいのに順番や単位が変なら #NUM! です。使い方そのものはExcelのDATEDIF関数の使い方|年齢・勤続年数を計算をどうぞ。

原因別の診断と直し方【5パターン】

ここからは5つの原因を「症状」「原因」「直し方」の順に見ていきます。早見表で当たりを付けたところから読み進めてください。

パターン1:文字列が数値計算に混ざっている

症状: =A1+B1 のような単純な計算なのに #VALUE! が出ます。セルの見た目は数字なのに計算できません。

原因: 算術演算子(+ - * /)は、数値として読み取れない文字が混ざると計算をあきらめます。A1が 100、B1が abc ならエラーです。

=A1+B1

200 のような数字だけの文字列は、足し算では数値として読み取られることも。見た目が数字なのにエラーになるなら、単位の文字・全角スペース・非表示文字あたりが混ざっているサインです。

診断方法

ISTEXT関数(値が文字列ならTRUEを返す関数)で中身の型が分かります。書式を変えていないセルなら、数値は右揃え、文字列は左揃えで表示されるのも手がかり。

=ISTEXT(A1)

直し方その1:SUM関数に置き換える

合計を出したいだけなら、+ をやめてSUM関数にするのが手軽。関数の多くは範囲内の文字列を無視して、数値だけを計算します。

=SUM(A1:B1)

ただし万能ではありません。文字列になっている数字も一緒に無視されるため、エラーは消えても合計が実態とズレることがあります。

直し方その2:VALUE関数で数値に変換する

1234 のように数値を表す文字列なら、VALUE関数(文字列を数値に変換する関数)で型をそろえられます。

=A1+VALUE(B1)

$1,000 のような通貨記号付きの文字列も、公式の使用例では変換できるとされています。ただし認識できる書式は地域設定で変わる可能性があり、環境次第では期待どおりにならないことも。

使いどころはVALUE関数の使い方|文字列を数値に変換してSUMやVLOOKUPのエラーを解消するにまとめました。区切り記号を自分で指定するならExcelのNUMBERVALUE関数の使い方|文字列を数値に変換する方法の書き方が向いています。

直し方その3:元データごと数値に直す

数式で毎回変換するより、列そのものを数値に戻したほうが後で楽なケースも多いもの。手順はExcelの文字列数値を一括変換する4つの方法|「数値が文字列として保存されています」を解除で追えます。

引き算だけエラーになるとき

公式は原因の1つとして、マイナス記号が別の記号に置き換わっているケースを挙げています。数式バーで記号を選び直し、キーボードの - を入力し直してみてください。

パターン2:スペースや非表示文字が混ざっている

症状: 見た目は空欄なのに、そのセルを計算に入れた瞬間 #VALUE! が出ます。中身を消したつもりでもエラーが消えません。

原因: 空白に見えて、実際には文字が入っています。公式も「実際にはセルは空白ではないのに、空白に見えることがあります」と説明しているところ。セル内のアポストロフィ1つでもこの状態になります。

全角スペース・半角スペース・改行・システム由来の制御文字は、すべて文字列。見た目が空欄でも、計算に使えばエラーになるわけです。

診断方法:LENとUNICODEで正体を突き止める

LEN関数(文字数を返す関数)を使えば、空欄に見えるセルの中身を数で確かめられます。

=LEN(A1)
=LEN(A1)-LEN(TRIM(A1))

上の式が1以上なら、何かしらの文字が入っている証拠。下の式は余分な半角スペースの数を返します。ただし全角スペースやノーブレークスペースはTRIMで除去されないため、下の式では検出できません

そこまで見分けたいときは、UNICODE関数(文字のコード番号を返す関数)の出番。

=UNICODE(LEFT(A1,1))

先頭1文字のコード番号が返ります。32 なら半角スペース、12288 なら全角スペース、160 ならノーブレークスペース(Webページのコピーに紛れ込みやすい特殊な空白)です。

似た関数のCODEは環境差を受けるため、判定にはUNICODEを使いましょう。

直し方その1:TRIMとSUBSTITUTEを組み合わせる

余分なスペースの除去といえばTRIM関数。ただし対象は半角スペースだけです。全角スペースやノーブレークスペースが原因なら、SUBSTITUTE関数(指定した文字を置き換える関数)で半角に変換してからTRIMに渡します。

=TRIM(SUBSTITUTE(A1," "," "))
=TRIM(SUBSTITUTE(A1,CHAR(160)," "))

TRIMの守備範囲はExcelのTRIM関数の使い方|余分なスペースを一括削除する方法で詳しく扱っています。

直し方その2:CLEANで制御文字を落とす

改行やタブが混ざっているなら、CLEAN関数(印刷できない制御文字を削除する関数)の出番。ただし消せるのはコード0〜31の制御文字だけです。

ノーブレークスペースも全角スペースも通常の半角スペースも、CLEANでは消えません。ここが実務で誤解されやすいポイント。取りきれない文字はSUBSTITUTEで個別に指定します。

取り込みデータをまとめて掃除してから数値化するなら、次の形が定番です。

=VALUE(TRIM(SUBSTITUTE(SUBSTITUTE(CLEAN(A1),CHAR(160)," ")," "," ")))

長く見えますが、やっているのは内側から順の置き換えだけ。

  • CLEANで制御文字を落とす
  • SUBSTITUTEでノーブレークスペースと全角スペースを半角に変える
  • TRIMで前後の余白を削る
  • VALUEで数値に変換する

直し方その3:検索と置換でまとめて消す

数式を増やしたくないなら、Ctrl + H の「検索と置換」が手軽です。「検索する文字列」にスペースを1つ入力し、「置換後の文字列」は空欄のまま「すべて置換」をクリック。全角スペースなら、入力するスペースを全角に変えてください。

全角の数字が原因のときは、ExcelのASC関数の使い方|全角を半角に一括変換する方法で表記をそろえる手もあります。

パターン3:日付や時刻の型が合っていない(DATEDIFのVALUEエラーもここ)

症状: 他システムやCSVから取り込んだ日付を計算に使うと #VALUE! になります。DATEDIFで年齢や勤続年数を出そうとしてエラー、というのも典型的な入り口。

原因: その日付が「日付のように見えるテキスト」になっています。Excelは日付をシリアル値(1900年1月1日を1として数える連番)で管理する仕組み。テキストのままでは計算対象になりません。

診断方法

書式を変えていないセルなら、正しい日付は右揃え、テキストの日付は左揃えで表示されます。

確実に見るなら、表示形式をいったん「標準」に変えてみてください。45900 のような5桁の数値になればシリアル値、日付の文字が残ればテキストです。

直し方その1:DATEVALUEでシリアル値に変換する

テキストの日付は、DATEVALUE関数(文字列の日付をシリアル値に変換する関数)で型をそろえられます。

=DATEVALUE(A1)

返るのは数値なので、結果のセルには日付の表示形式を設定してください。逆に、すでに日付として認識されているセルへ使うとエラーになることも。使い分けはExcelのDATEVALUE関数の使い方|文字列の日付をシリアル値に変換する方法を参考にどうぞ。

直し方その2:区切り位置で列ごと日付に変える

件数が多いときは、列まるごと変換したほうが速いですよね。デスクトップ版なら次の手順です。

  1. 日付が入っている列を選択する
  2. 「データ」タブの「区切り位置」をクリックする
  3. ウィザードを「次へ」で進める
  4. 3画面目の「列のデータ形式」で「日付」を選ぶ
  5. 「完了」をクリックする

バージョンによっては「テキストから列へ」という名前ですが、中身は同じウィザード。DATE関数で日付を組み立てるときも、年・月・日の引数はすべて数値です。全角数字や漢数字を渡さないよう気をつけてください。

パターン4:範囲や配列のサイズが合っていない(XLOOKUPのVALUEエラーもここ)

症状: 複数の範囲を組み合わせる数式で #VALUE! が出ます。1つ1つの範囲は正しいのに、組み合わせた途端にエラーになるのが特徴。

原因: 対応させるべき範囲どうしで、行数や列数がそろっていません。Excelは「1行目どうし、2行目どうし」と対応付けて計算するため、数が合わないと処理できないわけです。

XLOOKUPの場合

検索範囲と戻り範囲の行数・列数が一致しないと #VALUE! になります。よくあるのは、片方だけ見出し行を含めてしまうケース。

範囲サイズはそろっているのに検索値が見つからない場合は #N/A です。原因も対処も別物なので、まずは範囲の始点と終点をそろえて確認してみてください。

SUMPRODUCTの場合

渡した配列の行数・列数がそろっていないとエラーになります。次の式は3行と4行を掛け合わせようとしていて、対応が取れません。

=SUMPRODUCT(A1:A3,B1:B4)

=SUMPRODUCT(A1:A3,B1:B3) のように終点をそろえれば、計算が通ります。

単一セルを想定する場所に範囲を書いた場合

A1:A3 のように、1つの値を求める場所へ範囲を書いた数式です。ここは使っているバージョンで結果が変わります。

対応バージョン: 動的配列(スピル)は Microsoft 365 / Excel 2021 以降の機能です。Excel 2019 以前では、数式のある行と範囲が重ならないときに #VALUE! になります。

動的配列に対応した版では、同じ数式が複数セルへ展開(スピル)されます。展開先にデータが残っていると出るのは #SPILL!。この場合はまず展開先のセルを空けてみましょう。

パターン5:関数の引数の型が違っている(VLOOKUP・SUMIFの引数ミスもここ)

症状: 関数の書き方は合っているように見えるのに #VALUE! が出ます。参照先のセルを見ると、そこがすでにエラーになっていることも。

VLOOKUPの場合

第3引数(列番号)に1未満の数を指定するとエラーになります。列番号を別セルから参照していて、そこが空欄や 0 になっているパターンが多いですね。

=VLOOKUP(A2,$D$2:$F$100,0,FALSE)

この式は列番号が 0 なので #VALUE! です。23 のように、範囲の左端から数えた実際の列番号を指定してください。

ここも取り違えに注意。列番号が範囲の列数を超えていれば #REF!、完全一致で見つからなければ #N/A になります。

IF関数の場合

参照先のセルがエラーを返していると、そのエラーがIFの結果に出ます。分岐の中で文字列と数値の計算を組み込んでいる場合も同じ。

=IF(A1>10,B1*1.1,"対象外")

B1に「10個」のような単位付きの文字列が入っていると、掛け算のところでエラーになります。なお、ネストしたVLOOKUPが「見つからない」ことに起因するエラーは #N/A。IF自体の型不一致とは別問題です。

SUMIFの場合

条件範囲や合計範囲に他のエラー値が混ざっていると、その影響が結果に出ることがあります。まず範囲の中に既存のエラーが残っていないか確認してみてください。

条件の書き方にも制限があり、255文字を超える文字列との照合は正しい結果にならないとされています。条件が長いときは、作業列で判定を先に済ませるのが安全です。

エラーの連鎖を断つ

#VALUE! は伝染します。1か所のエラーが参照元となって、下流の集計まで全部エラーになるのはよくある光景。

直すときは、エラーが出ているセルではなくいちばん上流のセルから手を付けてください。上流を直せば、下流のエラーもまとめて消えることが多いです。

原因の箇所を特定する診断テクニック

原因のパターンが分かっても、関数が入れ子になった長い数式では「どこで」エラーになっているか見えません。箇所を絞り込む3つのやり方を紹介します。

数式の検証で1ステップずつ追う(デスクトップ版向け)

ネストした数式なら、「数式の検証」が頼りになります。計算順に1ステップずつ実行して、途中経過を見せてくれる機能です。

  1. エラーが出ているセルを選択する
  2. 「数式」タブをクリックする
  3. 「ワークシート分析」グループの「数式の検証」をクリックする
  4. 「検証」ボタンを押して1ステップずつ進める

どのステップで #VALUE! が現れたかを見れば、犯人のいる場所が分かります。バージョンによっては「数式の監査」「数式を評価する」という表記。

この機能はExcel for Windows(デスクトップ版)を前提に案内されているもので、Web版のリボンには見当たりません。Web版なら次の診断へ切り替えてください。

F9キーで数式の一部だけを計算してみる

数式バーで一部だけを選択して F9 を押すと、その部分の計算結果だけが表示されます。デスクトップ版で使える、手軽な絞り込み方法です。

たとえば =A1+B1+C1 のうち A1+B1 だけを選べば、その時点の結果が見られます。ここでエラーが出たなら、原因はA1かB1のどちらか。

注意が1つ。確認が終わったら Esc キーで元の数式に戻してください。Enter で確定すると、数式がその場の値に置き換わってしまいます。

ISTEXTとLENでセルの中身を確認する

Web版でもデスクトップ版でも使えて、しかも結果が残るのがこの方法。作業列に次の3つを並べます。

=ISTEXT(A1)
=ISNUMBER(A1)
=LEN(A1)

ISTEXTが TRUE なら文字列、ISNUMBERが TRUE なら数値または日付です。LENで予想外の文字数が出たら、見えない文字が入っている合図。

"19" のように引用符で囲まれた数字はテキスト扱いのため、ISNUMBERは FALSE を返します。「数字に見えるのに FALSE」なら、それが原因の証拠。

判定関数の使い方はExcelのISTEXT関数の使い方|セルの値が文字列かどうかを判定する方法で解説しています。診断が終わったら、作業列は消しておきましょう。

#VALUE!を防ぐ予防的な数式設計

原因を直したら、次は再発を防ぐ番。日々の作業に組み込みやすい4つの工夫です。

IFERRORでエラー時の表示を整える

IFERROR関数を使うと、エラーになったときの表示を空白や任意のメッセージに差し替えられます。

=IFERROR(A1+B1,"")

対象になるのは #N/A#VALUE!#REF!#DIV/0!#NUM!#NAME?#NULL! の7種類。Excel 2007以降で使える関数ですよ。

ただし、これは原因を隠しているだけ。本当に直すべきエラーまで見えなくなるので、原因を特定してからの仕上げに使うのがおすすめです。詳しい使い分けはExcelのIFERROR関数の使い方|エラー処理の基本と実務活用にまとめました。

ISTEXTで入力をチェックする

そもそも文字列が入ってこないよう、計算の前に型をチェックする方法もあります。

=IF(ISTEXT(A1),"数値を入力してください",A1*1.1)

文字列が入っていれば警告を表示し、数値のときだけ計算する形。入力担当者が自分で気づけるので、複数人で使う集計シートほど効果が出やすい書き方です。

取り込んだデータは先にクレンジングする

CSVや基幹システムから取り込んだデータは、スペースや制御文字が混ざりやすいもの。取り込み → クレンジング → 集計の3段構えにして、パターン2の作業列を1つ挟んでおくと安心です。

毎月同じ形式のファイルを扱うなら、その作業列ごとテンプレート化してしまいましょう。

表示形式で単位を扱う(数値セルに「個」「円」を直接入力しない)

意外と見落とされがちなのが、単位の直接入力です。数量欄に「10個」、金額欄に「1200円」と入力すると、そのセルは数値ではなく文字列になります。

厄介なのは、症状が2通りに分かれること。掛け算に使えば #VALUE! が出ますが、SUMで合計するとエラーは出ないまま静かに無視されます

解決策は、単位を表示形式で見せる方法。中身は数値のまま、画面上だけ単位付きにできます。

  1. 単位を付けたいセル範囲を選択する
  2. Ctrl + 1 で「セルの書式設定」を開く
  3. 「表示形式」タブで「ユーザー定義」を選ぶ
  4. 「種類」の欄に 0"個" と入力する
  5. 「OK」をクリックする

これで 10 と入力すれば「10個」と表示され、セルの中身は数値の 10 のまま。金額なら #,##0"円" で「1,200円」のように桁区切り付きで見せられます。

単位は書式で見せるとチームで決めておけば、この手のエラーは起きにくくなりますよ。

#VALUE!エラーでよくある質問

SUM関数なら#VALUE!は出ないのですか?

SUM関数は範囲内の文字列や空白を無視して数値だけを合計するため、+ 演算子より #VALUE! は出にくい性質があります。ただし「出ない」わけではありません。

範囲内に #REF!#DIV/0! など別のエラー値があると、そのエラーがそのまま結果に出ます。またエラーが消える代わりに、文字列の数字が無視されて合計がズレることも。エラーが出なくなったときこそ、合計値が想定どおりか確かめてみてください。

VLOOKUPで#VALUE!が出るのはなぜですか?

いちばん多いのは、第3引数(列番号)に1未満の数を指定しているケース。列番号を別セルから参照していて、そこが空欄や 0 になっている状況ですね。

大事なのは、エラー名を正確に読むこと。#VALUE! なら列番号そのものを、#N/A なら検索値の表記ゆれを疑ってください。列番号が範囲の列数を超えている場合は #REF! です。

全角スペースなのに見た目で気づけないのはなぜですか?

全角スペースは画面上ではただの空白で、半角スペースとの区別もつきません。それでいてセルの中では立派な1文字。この「見えないのに存在する」性質が、原因特定を難しくしているわけです。

さらにやっかいなのが、TRIM関数で消えないこと。判定には =UNICODE(LEFT(A1,1)) を使いましょう。12288 なら全角スペース、32 なら半角スペース、160 ならノーブレークスペースです。

IFERRORで隠すのは良くないのですか?

IFERROR自体はとても便利な関数です。問題は使うタイミングにあります。

原因を特定しないままIFERRORで包むと、計算に含めるべき数値が抜け落ちたまま表が完成してしまいます。集計結果が静かにズレていても、画面はきれいなので誰も気づきません。

まず原因を直し、入力途中で一時的にエラーが出る箇所だけを整える。この順番なら、IFERRORは頼れる仕上げの道具になります。

エラーを判定だけしたい場合はどうすればいいですか?

セルがエラーかどうかをTRUE/FALSEで判定したいときは、ISERROR関数が向いています。7種類のエラー値をまとめて判定できるので、チェック用の列を作るのに便利。

#N/A を除外したいならISERR、#N/A だけを見たいならISNAという使い分けもできます。条件付き書式の数式欄ではIFERRORが使えないため、ISERRORを使ってください。詳しくはExcelのISERROR関数の使い方|すべてのエラーをまとめて判定する方法【図解あり】をどうぞ。

まとめ|#VALUE!は早見表で症状から見つけて直す

Excelの #VALUE! について、症状からの探し方と原因別の直し方を見てきました。要点を整理します。

  • #VALUE! は「渡されたデータの型が合っていない」という1点だけを知らせるサイン
  • #N/A(見つからない)・#REF!(参照できない)・#NUM!(計算できない数値)とは原因も直し方も別物
  • 原因は文字列の混入・スペースや非表示文字・日付の型違い・範囲サイズの不一致・引数の型違いの5パターン
  • TRIMは半角スペースのみ、CLEANは制御文字のみが対象。全角スペースとノーブレークスペースはSUBSTITUTEで個別に指定する
  • VLOOKUPは列番号1未満、XLOOKUPは範囲サイズ不一致、DATEDIFは日付が文字列のときに #VALUE!
  • 場所の特定には「数式の検証」(デスクトップ版)と F9 の部分評価、ISTEXT・LENの作業列が効く

原因の幅が広いぶん戸惑いやすいエラーですが、症状さえ言葉にできれば探す場所は絞り込めます。まずはそのセルの中身が数値なのか文字列なのか、確かめるところから始めてみてください。

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