ExcelのSKEW関数の使い方|標本データの歪度で分布の偏りを分析

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「アンケートの回答データが偏っていないか調べたい」「サンプルデータから全体の分布の特徴を推定したい」と思ったことはありませんか。

SKEW関数を使えば、標本データに基づいて分布の歪度(わいど)を求めることができます。歪度を確認することで、平均値だけでは見えないデータの偏りを数値で客観的に判断できるようになりますよ。

この記事では、SKEW関数の基本的な使い方から実務での活用例、よくあるエラーの対処法まで、具体例を交えてわかりやすく解説します。

SKEW関数とは?

SKEW関数は、標本データに基づいて分布の歪度を求めるExcelの統計関数です。

読み方は「スキュー」で、英語の「Skewness(歪度)」に由来しています。Excel 2003以降のすべてのバージョンで使用できます。

歪度とは

歪度とは、データの分布が平均値を中心にして左右対称かどうかを数値で示す指標です。

歪度の値分布の特徴意味
0左右対称(正規分布に近い)データが平均値の周りに均等に散らばっている
正の値(0より大きい)右に裾が長い(右に偏り)平均より大きい外れ値が多い
負の値(0より小さい)左に裾が長い(左に偏り)平均より小さい外れ値が多い

たとえば、顧客アンケートの満足度スコアの歪度が負の値なら「多くの回答者が高い評価をしているが、一部に低評価がある」と判断できます。平均値だけでは見えないデータの偏りを、歪度を使えば数値で把握できるわけです。

SKEW関数の入力と出力

  • 入力: 数値データ(セル範囲や数値の直接指定)
  • 出力: 標本に基づく歪度(小数値)

SKEW関数の書き方

基本構文

=SKEW(数値1, [数値2], ...)

角括弧([])の中の引数は省略できます。数値は1つ以上指定する必要があります。

引数の説明

引数必須/省略可説明
数値1必須歪度を計算する数値、セル範囲、配列のいずれかを指定
数値2, …省略可追加の数値やセル範囲。最大255個まで指定可能

引数には、数値のほか数値配列やセル参照を指定できます。

指定した範囲に文字列・論理値・空白セルが含まれている場合、それらは無視されます。ただし、数値の0が入っているセルは計算の対象になるので注意してください。

データ数は3個以上必要です。2個以下の場合はエラーになります。

SKEW関数の使用例

アンケートスコアの歪度を求める

ここでは、10人分のアンケート満足度スコア(5点満点)からSKEW関数で歪度を求める例を見てみましょう。

セルB2からB11に以下のスコアが入っているとします。

セルスコア
B22
B33
B43
B54
B64
B74
B84
B95
B105
B115

セルD2に次の数式を入力します。

=SKEW(B2:B11)

結果として約 -0.584 が返されます。この値は負の数なので、「左に裾が長い分布」、つまり高いスコアに回答が集中していることがわかります。顧客満足度はおおむね良好で、一部に低評価があるという解釈ができますね。

売上データの分布を分析する

営業チームから抽出した10人のサンプルデータをもとに、チーム全体の売上分布の傾向を推定する例です。

セルB2からB11に10人分の月間売上(万円)が入っている場合、次のように入力します。

=SKEW(B2:B11)

結果が大きな正の値(たとえば1.2)なら、サンプルの中で一部の営業担当者が突出して高い売上を上げている傾向がチーム全体にもあると推定できます。

この場合、平均売上だけで目標を設定すると、多くのメンバーにとって高すぎる目標になる可能性があります。歪度の値をもとに、中央値ベースの目標設定に切り替えるなどの判断に活用できますよ。

AVERAGE関数やKURT関数と組み合わせる

歪度だけでなく、平均値や尖度(せんど)と合わせて確認すると、データの特徴をより正確に把握できます。

=AVERAGE(B2:B11)
=KURT(B2:B11)
=SKEW(B2:B11)

この3つの値を並べることで、「データの中心はどこか(平均)」「分布がどちら方向に偏っているか(歪度)」「分布のピークがどれくらい尖っているか(尖度)」を総合的に判断できます。

AVERAGE関数の使い方はこちらで詳しく解説しています。尖度を求めるKURT関数の使い方もあわせて確認してみてください。

よくあるエラーと対処法

SKEW関数で発生しやすいエラーと、その原因・対処法をまとめました。

エラー原因対処法
#DIV/0!データが3個未満、または標準偏差が0(全データが同じ値)データを3個以上用意する。全て同じ値になっていないか確認する
#VALUE!引数にエラー値や数値に変換できない文字列が含まれているセル範囲内のエラー値や文字列を修正する
#NAME?関数名のスペルミス「SKEW」と正しく入力されているか確認する

特に注意したいのが #DIV/0! エラーです。データが2個以下の場合だけでなく、すべてのデータが同じ値の場合(標準偏差が0になる場合)にも発生します。

データが揃っているのにエラーが出るときは、セル範囲内に文字列やエラー値が紛れ込んでいないか確認してみてください。

エラー値の種類と対処法についてさらに詳しく知りたい方は、Excelのエラー値一覧と対処方法をご覧ください。

SKEW.P関数との違い・使い分け

SKEW関数とよく似た関数にSKEW.P関数があります。どちらも歪度を求める関数ですが、計算の前提が異なります。

項目SKEWSKEW.P
対象標本(データの一部)母集団(データ全体)
計算式の補正n(n-1)(n-2) の補正ありn(データ数)で割るのみ
使う場面全体の一部(サンプル)から推定するとき全データが手元にあるとき
対応バージョンExcel 2003以降Excel 2013以降

使い分けのポイントは、「手元のデータが全体かどうか」です。

  • アンケート回答者100人から全顧客の傾向を推定 → SKEW(標本データ)
  • クラス全員のテスト点数 → SKEW.P(母集団全体のデータ)

迷ったときは、一部のサンプルから全体を推定するならSKEW、分析対象の全データが揃っているならSKEW.Pを選んでください。

母集団に基づく歪度を求めるSKEW.P関数の使い方はこちらで詳しく解説しています。

まとめ

この記事では、SKEW関数の使い方を解説しました。ポイントをおさらいしましょう。

  • SKEW関数は標本データに基づいて歪度を求める関数
  • 歪度が正なら右に偏り、負なら左に偏り、0に近いほど左右対称
  • データが3個以上必要で、全て同じ値だとエラーになる
  • 母集団全体のデータがある場合はSKEW.P関数を使う
  • AVERAGE関数やKURT関数と組み合わせると、分布の特徴をより深く把握できる

データ分析で「平均値だけでは判断しにくい」と感じたら、SKEW関数で分布の偏りを確認してみてください。

関数一覧

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