「ChatGPT・Gemini・Copilot、名前は聞くけど何が違うの?」——会社で生成AIを使おうとすると、必ずこの3つの名前にぶつかりますよね。事務の仕事でどれを使えばいいのか、迷ってしまう方は多いはずです。
結論からお伝えすると、この3つは「どれが一番優れているか」で選ぶものではありません。あなたが普段使っている環境で選ぶのが、いちばん現実的で失敗しない方法です。
この記事では、ChatGPT・Gemini・Copilotの違いを5つの軸でやさしく比較します。そのうえで、事務の典型シーンごとに、どの生成AIを使えばいいかも整理します。Excel作業・議事録・報告書・メール返信などが対象です。情報はすべて2026年6月時点のものです。
結論:3大AIは「使っている環境」で選ぶ
最初に全体像をつかんでおきましょう。3つの生成AIは、それぞれ「得意な土俵」が違います。ざっくり言えば、次のように分かれます。
| AI | 提供元 | いちばんの強み | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| ChatGPT | OpenAI | 汎用的な対話・文章作成 | 特定のソフトに縛られず自由に使いたい人 |
| Gemini | Google Workspace連携 | Gmailやスプレッドシートを使う会社の人 | |
| Copilot | Microsoft | Microsoft 365・Excel連携 | WordやExcelを毎日使う会社の人 |
ポイントは、GeminiとCopilotが「自社の業務ソフトとセットで使う」前提のサービスだということです。一方ChatGPTは、特定のOfficeソフトに紐づかない独立したサービスです。
ですから選び方の本質はシンプルです。あなたの会社がGoogle WorkspaceとMicrosoft 365のどちらを使っているか。これが最初の分かれ道になります。会社がすでに契約しているツールがあれば、それを優先するのがおすすめですよ。
それでは、3つのAIをひとつずつ見ていきましょう。
3大AIそれぞれの特徴
ChatGPTの特徴|汎用性と対話力が強み
ChatGPTは、OpenAIが提供する生成AIです。3つの中ではいちばん知名度が高く、「生成AIといえばChatGPT」というイメージを持つ方も多いですよね。
最大の特徴は、特定のソフトに縛られない独立したサービスであることです。WordやスプレッドシートのようなOfficeスイートに組み込まれているわけではありません。ブラウザやアプリから、自由に対話して使います。
得意なのは、汎用的な文章作成・要約・アイデア出し・相談ごとです。たとえば「この文章を丁寧な敬語に直して」「会議の論点を3つに整理して」といった依頼が得意分野です。最新情報を調べるWeb検索の機能もあります。
ChatGPTの料金(2026年6月時点)
ChatGPTには無料版があり、回数やモデルに制限はあるものの、まず試すには十分です。本格的に使うなら有料プランを検討しましょう。
- 無料版:制限ありで利用可能
- ChatGPT Plus:月額20ドル(個人向け)
- ChatGPT Team / Enterprise:法人向けプラン
注意したいのが、会社の業務で使う場合のデータの扱いです。法人向けのEnterprise版では、入力したデータがAIの学習に使われない設定になっています。一方、個人の無料版や有料版を業務で使う場合は、社内ルールの確認が必要ですよ。
ChatGPTは「特定のソフトに縛られず、はば広い作業を1つのAIでこなしたい人」に向いています。
Geminiの特徴|Google Workspace連携が強み
Geminiは、Googleが提供する生成AIです。最大の強みは、Google Workspaceとの連携にあります。
Google Workspaceとは、Gmail・Googleドキュメント・スプレッドシート・スライド・Meetといった、Googleの業務ツール群のことです。会社でこれらを使っているなら、Geminiは非常に相性がよい選択になります。
たとえばGmailのサイドパネルからGeminiを呼び出して、メールの下書きを作ってもらえます。スプレッドシートでは=AI()という関数(セルに直接AIへの指示を書ける関数)も使えます。表のデータを要約したり分類したりするのも得意です。
検索の強さもGeminiの持ち味です。Google検索をベースにしているため、最新の情報を調べる作業に強さを発揮します。
Geminiの料金(2026年6月時点)
- 無料版:利用可能
- Google AI Pro:月額2,900円(個人向け)
- Google Workspace向けGemini:法人向けのアドオン
個人向けのGoogle AI Proには、高性能なGemini Advanced・NotebookLM Plus・Googleドライブ5TBなどが含まれています。Googleのサービスをまとめて使いたい方にはお得なプランですよ。
Geminiは「会社がGoogle Workspaceを使っている人」に、まず検討してほしいAIです。Geminiの具体的な活用例はGeminiで画像生成する方法やGoogle Keep × Gemini Liveで仕事メモを自動整理する方法も参考になります。
Copilotの特徴|Microsoft 365・Excel連携が強み
Copilotは、Microsoftが提供する生成AIです。正式にはMicrosoft 365 Copilotと呼ばれ、Word・Excel・PowerPoint・Outlook・TeamsといったMicrosoft 365のアプリに直接組み込まれています。
事務職にとって見逃せないのが、Excelとの連携です。Copilotにはエージェントモードという機能があります。データの整形・数式の生成・エラーのデバッグといった作業を、AIに任せられます。「この表を月別に集計して」と頼むだけで、Excelの操作を代行してくれるイメージですね。Excelのセル内で直接AIを呼び出すCOPILOT関数の使い方も登場しています。
WordやOutlookでも同じように使えます。Wordで報告書のたたき台を作ったり、Outlookでメールの返信案を出したりできます。いつもの業務アプリの中で、AIが手伝ってくれるわけですね。
Copilotの料金(2026年6月時点)
Copilotはプランによってできることが変わるので、少し注意が必要です。
| プラン | 月額 | エージェントモード |
|---|---|---|
| Microsoft 365 Personal / Family | 1,490〜2,100円 | 利用可(個人向け) |
| Microsoft 365 Business Basic | 899円 | 不可(Chatモードのみ) |
| Microsoft 365 Business Standard | 1,874円 | プランにより異なる |
| Microsoft 365 Copilot(法人アドオン) | 3,808円/ユーザー | 利用可 |
法人アドオンのMicrosoft 365 Copilotは年間契約が前提です。Excelのエージェントモードまでしっかり使いたい場合は、対応プランかどうかを必ず確認しましょう。
Copilotは「WordやExcelを毎日使う会社の人」にとって、いちばん業務に溶け込みやすいAIですよ。
5軸で徹底比較
ここまでの内容を、5つの軸で一覧にまとめます。自分の状況と照らし合わせてみてくださいね。
| 比較軸 | ChatGPT | Gemini | Copilot |
|---|---|---|---|
| 料金(個人・月額) | 20ドル | 2,900円 | 1,490〜2,100円 |
| 連携 | 独立サービス | Google Workspace | Microsoft 365 |
| 日本語精度 | 実用十分 | 実用十分 | 実用十分 |
| リアルタイム検索 | 対応 | Google検索ベースで強い | 対応(Bing) |
| 社内データ連携 | 標準では弱い | Workspace利用なら強い | Microsoft 365で最も強い |
それぞれの軸について、補足しておきます。
料金
3つとも無料版があり、まず試す分には費用はかかりません。個人で有料利用する場合の月額は表のとおりです。ただしプランは改定されることがあります。最新の金額は各公式サイトで確認してくださいね。
連携
ここがいちばん重要な軸です。Geminiは Google Workspace、Copilotは Microsoft 365 とセットで力を発揮します。ChatGPTはどのソフトにも縛られず、単独で使えるのが持ち味です。
日本語精度
「どれが日本語に強いか」は、正直なところ断定しにくいのが実情です。3社とも近年は日本語性能が実用十分なレベルに達しています。用途やモデルのバージョンで変わるため、「このAIが日本語最強」と決めつけない方が安全ですよ。
リアルタイム検索
3つともWeb検索に対応しています。なかでもGeminiはGoogle検索をベースにしているため、最新情報を調べる作業に強みがあります。
社内データ連携
社内のファイルや過去のメールを参照させたい場合、この軸が効いてきます。Microsoft 365 Copilotは、SharePoint・OneDrive・Teamsなどの社内データと連携できます。事務職の社内データ連携という点では、もっとも強い選択肢です。Geminiも、Workspaceを使っている会社ならGmailやドライブ内のデータと連携しやすくなります。
事務シーン別の使い分けガイド
「結局、私の仕事ではどれ?」という疑問に答えるため、事務の典型シーンごとに整理します。
Excelでの集計・データ整形
ExcelならCopilotが第一候補です。エージェントモードで数式の生成やデータ整形を任せられます。Google スプレッドシートを使っているなら、Geminiの=AI()関数が便利ですよ。
議事録の作成・要約
会議の文字起こしを要約する作業は、ChatGPTが手軽です。長文を貼り付けて「要点を3つに」と頼むだけで整理してくれます。TeamsやMeetの会議なら、CopilotやGeminiが会議ツールと連携して自動でまとめてくれます。
報告書・文書の作成
Wordで報告書を書くならCopilotが自然です。アプリの中でたたき台を作れます。ソフトを問わず文章を練りたいなら、ChatGPTの対話力が役立ちます。
メールの返信
OutlookならCopilot、GmailならGeminiが、それぞれメールソフトの中で返信案を出してくれます。普段使っているメールサービスに合わせて選ぶのが、いちばんスムーズですよ。
このように、事務シーンの多くは「今使っているソフト」で答えが決まります。やはり環境が選び方の軸になるわけですね。
まとめ:あなたが選ぶべきAIの判断フロー
最後に、選び方の流れを整理します。次の順番で考えると、迷わず決められますよ。
- 会社がMicrosoft 365 中心なら → Copilot
- 会社がGoogle Workspace 中心なら → Gemini
- 特定のソフトに縛られず汎用的に使いたいなら → ChatGPT
- 会社がすでに契約しているAIがあるなら → まずはそれを使う
3つの生成AIに、絶対的な優劣はありません。大切なのは「どれが優秀か」ではなく「自分の環境にどれが合うか」です。まずは会社の環境を確認するところから始めてみてくださいね。第4の選択肢として注目される Claude についてはClaude AIとは?ChatGPT・Geminiとの違いと仕事での使い方で解説しています。
なお、生成AIを業務で使うときは、出力された内容が正しいかを必ず確認する習慣も大切です。AIは事実と異なる内容を自信ありげに答えることがあります。詳しくはAIのハルシネーション対策とファクトチェックや生成AIの業務利用チェックリストもあわせて読んでみてください。
各AIの具体的な活用法は、スプレッドシートのAI関数(=AI)・ExcelのCopilotエージェントモード・ChatGPTでVBAを書く方法・GeminiのDeep Researchを仕事に使うでも詳しく解説していますよ。
