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会議のたびに録音を聞き返し、発言を書き起こし、体裁を整える。ここまでで30分から1時間。せっかくの午後がまるまる議事録作成で消えていく、という経験はありませんか。
「AIで自動化できるらしい」とは聞くものの、いざ調べると出てくるのは「おすすめツール12選」のような記事ばかり。結局のところ、自分の環境で何を使えばいいのかが分かりません。
Web会議なのか対面なのか、会社が Google Workspace か Microsoft 365 かでも変わります。社内ルールで録音が許されるかどうかも人それぞれでしょう。条件がひとつ違うだけで、最適解は変わってきます。
そこでこの記事では、ツールの数ではなく「あなたの状況」を起点に、議事録の自動化手段を逆引きで整理しました。ポイントはシンプルです。
まずは追加契約なしの標準機能で足りるかを正直に確かめ、足りない部分だけお金をかける、という順番で選びます。無駄な出費を避けたい事務職の方にこそ読んでほしい内容にしています。
対応プラン(2026年7月時点)
– Google Meet(Geminiメモ): Google Workspace の Business Standard / Business Plus / Enterprise Standard / Enterprise Plus、または Gemini Education Premium が対象。加えて個人向けの Google AI Pro / Ultra 加入者も自分がホストする会議で利用できます。
– Microsoft Teams: 文字起こし(ライブトランスクリプション)は Microsoft 365 Business Basic 以上で利用可。ただしAIによる要約(Copilot Recap)は Teams Premium または Microsoft 365 Copilot ライセンスの追加が別途必要です。
– Zoom(AI Companion): 有料プラン限定(Workplace Pro 以上 / Business 以上 / Enterprise Bundle)。無料プランは非対応です。
– いずれも管理者による事前の有効化が前提になる場合があります。自分のアカウントで使えるかはプランにより異なるため、最終的には社内のシステム管理者に確認してください。
結論|あなたの状況で選ぶべき議事録自動化の方法(早見表)
先に結論からいきましょう。下の表で自分の状況に近い行を見つけて、該当セクションに飛んでもらえれば大丈夫です。
| あなたの状況 | 推奨手段 | この記事の該当箇所 |
|---|---|---|
| Web会議(Meet / Teams / Zoom)が中心で、会社が有料プランに入っている | まず標準機能を試す | ①標準機能 |
| 標準機能を使いたいが、自分のプランで使えるか分からない | 対応プランを確認してから① | ①標準機能 |
| 対面の会議が多い/複数のWeb会議ツールが社内に混在している | 専用のAI文字起こしサービス | ②専用サービス |
| 過去に録りためた録音ファイルを文字起こししたい | 専用のAI文字起こしサービス | ②専用サービス |
| 話者の区別(誰が発言したか)まで正確に欲しい | 専用のAI文字起こしサービス | ②専用サービス |
| 毎回の会議を、録音の手間ごと自動化したい | AIボイスレコーダー/議事録イヤホン | ③録音デバイス |
| 文字起こしはできた。ここから報告書やナレッジにしたい | NotebookLM・Gemini Canvas | ④活用と注意点 |
| 社外秘や個人情報を含む会議で使ってよいか不安 | まず社内ルールを確認 | ④活用と注意点 |
大まかな考え方は三段構えです。上から順に「まず無料の範囲」「足りなければ有料サービス」「さらに手間を減らすならデバイス」という流れになります。順番に見ていきましょう。
Web会議ツールをそのまま使えるケース
普段の会議は Google Meet・Microsoft Teams・Zoom のどれかで完結していますか。会社が対象の有料プランを契約しているなら、新しいツールを増やさず標準機能を試すのが正解です。追加費用ゼロで、録音データが外部サービスへ渡らない安心感もあります。
ただし「標準機能があること」と「あなたのアカウントで使えること」は別問題。プランやライセンスの条件、管理者の有効化設定が絡むため、①のセクションで対応プランを一つずつ確認しましょう。
標準機能では足りず専用サービスが要るケース
対面の会議、社内でツールがバラバラ、過去の録音ファイルを一括処理したい、話者の区別を正確に取りたい。こうした場面は標準機能が苦手とするところです。ここで初めて専用のAI文字起こしサービスの出番になります。
②のセクションで、なぜ専用サービスがこれらの場面に強いのか、料金の考え方はどう見ればいいのかを整理しました。
録音デバイスから自動化したいケース
「アプリの起動すら忘れる」「ボタンひとつで録って、あとは全部おまかせにしたい」という方もいるでしょう。そんな方には、AIボイスレコーダーや議事録イヤホンという選択肢があります。
専用の小さなデバイスで録音し、クラウドのAIが文字起こしと要約まで仕上げる仕組みです。詳しくは③で扱います。
①まずはWeb会議の標準機能で無料の範囲を試す
新しいサービスを契約する前に、いま会社で使っている Web会議ツールに議事録機能が付いていないか確認しましょう。多くの場合、すでに契約済みのプランの中に文字起こしや要約の機能が含まれています。まずはここから、というのが一番コストのかからない出発点です。
Google Meet(Geminiメモ)の対応プランと使い方
Google Meet には「Gemini によるメモ(Take notes for me)」という自動議事録機能があります。会議中にAIが発言を記録し、要約とネクストアクションまで整理してくれる機能です。
生成されたメモは主催者の Google ドライブに自動保存され、カレンダーの予定にも自動で添付されます。あとから探し回らなくていいのが地味に助かるところです。
対応プランは Google Workspace の Business Standard・Business Plus・Enterprise Standard・Enterprise Plus のいずれか、または Gemini Education Premium です。
個人向けの Google AI Pro / Ultra に加入している方も、自分がホストする会議で使えます。法人 Workspace 専用というわけではありません。
日本語にも対応しており、英語・フランス語・ドイツ語・イタリア語・韓国語・ポルトガル語・スペイン語とあわせて8言語に対応しています。ただし一度に扱えるのは1言語のみです。日英が飛び交うような会議はうまく処理できない点に注意してください。
使うときには、いくつか前提条件も押さえておきましょう。法人 Workspace の場合、管理者が Google 管理コンソールで「Gemini settings」内の note-taking を有効にしている必要があります。
対応する会議時間は15分から8時間で、開始と停止の操作は主催者・共同主催者のみに限られます。50語に満たない短い発話や複数言語が混在する場面では、うまく記録されないことがある点も頭に入れておきましょう。
なお、公式ヘルプでは日本語は対応言語として明記されています。ただしコミュニティフォーラムには「日本語で思うように生成されない」という利用者報告も見られます。
環境によって生成品質にばらつきが出る可能性はあるので、大事な会議で使う前に一度テスト運用しておくと安心です。設定手順や活用のコツは、詳しくまとめた記事があります。
Meet の議事録を実際に設定して使うところまでは、Google MeetでGeminiを使って議事録を自動作成する方法で画面つきで解説しています。あわせて読んでみてください。
Microsoft Teams(Copilotトランスクリプト)の対応プランと使い方
Teams で議事録を自動化する場合、まず知っておきたいことがあります。それは「文字起こし」と「AI要約」で必要なライセンスが違うという点です。ここを混同すると「使えるはずが使えない」となりがちなので、順に整理します。
まず基本の文字起こし、いわゆるライブトランスクリプションから見ていきましょう。これは Microsoft 365 Business Basic 以上(Business Standard・Business Premium、Office 365 E1 なども含む)であれば、追加ライセンスなしで使えます。
日本語もサポート言語に明記されています。会議中の発言がリアルタイムで文字になり、あとでテキストとして残せる、というところまでは比較的手が届きやすいでしょう。
一方で、話者やトピック、チャプターまで整理してくれる「インテリジェントな要約(Copilot Recap)」もあります。これには Teams Premium ライセンスか Microsoft 365 Copilot ライセンスの追加が必要です。
とくに音声の要約機能は Microsoft 365 Copilot ライセンスが必須です。完全な要約体験には、文字起こしを有効化するポリシーに加えて録画を許可するポリシーも求められます。
日本語を含む多言語会議の要約については、執筆時点でパブリックプレビューという段階です。日本語のほか英語・スペイン語・フランス語・ドイツ語などへの翻訳をサポートします。
要するに、Teams は「文字起こしまでは標準プランで、AI要約は追加ライセンスで」という二段階です。自分のプランでどこまで使えるかは管理者に確認しましょう。
Zoom(AI Companion)の対応プランと使い方
Zoom にも「AI Companion」というミーティング要約機能があります。会議の要点やネクストアクションをAIが自動でまとめてくれるものです。
対応プランは有料限定で、Zoom Workplace Pro 以上、Business 以上、Enterprise Bundle が対象です。無料プランでは使えません。
日本語にも対応しています(機能により精度や対応状況が異なる場合があります)。日本語会議でも活用の余地はあるでしょう。
利用にあたっての注意点も押さえておきましょう。デフォルトでは全機能がオフになっているため、管理者が事前に有効化しておく必要があります。
要約を自動で受け取るには、参加者が会議中に自分の Zoom アカウントへサインインしていることが条件です。またブレイクアウトルームでは使えず、要約の開始・停止はホストと共同ホストのみが操作できます。少人数の分科会が多い会社では、この制約が効いてくるかもしれません。
標準機能で「ここが足りない」と感じたときの見極め方
標準機能をひととおり試すと、自然と限界も見えてきます。次のような不満が出てきたら、専用サービスを検討するサインです。
- 対面のミーティングや電話会議など、Web会議ツールを経由しない場面が多い
- 社内で Meet・Teams・Zoom が混在していて、ツールごとに操作を覚えるのが面倒
- 過去に録りためた録音ファイルをまとめて文字起こししたい
- 「誰の発言か」という話者の区別を、もっと正確に取りたい
- 自分のプランでは標準の議事録機能そのものが対象外だった
ひとつでも強く当てはまるなら、次の②へ進みましょう。逆に、ほとんど当てはまらないなら、無理に有料サービスを増やす必要はありません。標準機能で十分です。
②標準機能で足りないときの専用AI文字起こしサービス
Web会議の標準機能でカバーしきれない場面が出てきたら、専用のAI文字起こしサービスの出番です。ここでは代表的なサービスとして Notta を軸に、専用サービスがどんな場面に強いのかを見ていきましょう。
対面会議・ツール混在・過去の録音ファイルに強い理由
専用サービスが標準機能より優れているのは、入り口の広さです。標準機能はあくまで「そのWeb会議ツールの中」で完結する仕組みなので、Web会議を経由しない音声には手が出せません。専用サービスはここが違います。
たとえば Notta の場合、次のような使い方ができます。
- 録音ファイルのアップロード: WAV・MP3・M4A などの音声ファイル、MP4・MOV などの動画ファイルをアップロードして文字起こしできます。過去に録りためた対面会議の録音も、まとめて処理できるわけです。
- 主要Web会議ツールへの一括対応: Zoom・Microsoft Teams・Google Meet に対応し、専用のBotが自動で会議に参加してリアルタイムに録音・文字起こしします。ツールが混在していても、操作の入り口を一本化できます。
- 話者分離: 「発言者A」「発言者B」のように話者を自動で識別します。誰の発言かを整理したい議事録では、この機能の有無が仕上がりを大きく左右します。
- リアルタイム文字起こし: 会議をしながら文字が起こされていくので、その場でメモを取る負担が減ります。
Notta は日本の企業が開発したツールで、複数の第三者レビューで「日本語の精度が高い」と評価されています。日本語中心の会議が多い事務職にとっては、この点は心強いところでしょう。ただし、定量的な精度データは公式には公表されていないため、あくまで評価傾向としてご理解ください。
Nottaなどでできること・料金の考え方
料金の考え方も押さえておきましょう。Notta には無料プランと有料プランがあり、無料プランには月間の文字起こし枠(分数の上限)と、1回あたりの連続録音時間の制限があります。
無料枠は「試しに使ってみる」には十分ですが、1回の連続録音時間が短いため、長い会議をまるごと文字起こしするには物足りません。まずは無料で使い勝手を確かめ、日常的に使うなら有料プランへ、という流れが自然です。
有料プランは、個人向けとビジネス向けで文字起こしできる時間の上限や1回あたりのセッション時間、AI要約の回数などが変わってきます。自分が月にどれくらいの時間の会議を文字起こしするかを見積もりましょう。そのうえで、無料枠で足りるのか、有料に上げる価値があるのかを判断するとよいでしょう。
なお具体的な金額は改定されることがあります。最新の料金は公式サイトで確認してください。

③会議のたびに録音デバイスから自動化したい場合
「アプリを立ち上げるのすら忘れる」「とにかくボタンひとつで録って、あとは全部おまかせにしたい」。そんな方には、専用の録音デバイスという選択肢があります。ソフトウェアだけでなくハードウェアも用意することで、録音そのものの手間を最小化するアプローチです。
AIボイスレコーダー・議事録イヤホンという選択肢
代表的なデバイスをいくつか紹介します。いずれも「本体で録音し、クラウドのAIが文字起こし・要約する」という基本構造は共通です。
- PLAUD NOTE: カード型・クリップ型の小型AIボイスレコーダー。本体で録音したデータを Bluetooth 経由でスマホアプリに同期し、GPT-4o ベースのクラウドAIで文字起こし・要約します。端末購入者には無料枠(スタータープラン)として月間の文字起こし分数が付き、さらに文字起こし時間を増やせる有料プランも用意されています。
- Notta Memo: 前章で紹介した Notta が2025年に発売したカード型AIボイスレコーダー。本体で録った音声をクラウドにアップロードし、Notta のAIが文字起こし・要約します。ソフトが Notta、ハードが Notta Memo という役割分担で、文字起こしAIは共通です。購入者にはスタータープランの無料枠が付帯します。
- ZENCHORD1: Notta 連携のオープンイヤー型(耳をふさがない)Bluetoothイヤホン。録音・文字起こし・翻訳・要約を1台で完結させる「AI議事録イヤホン」です。多言語のリアルタイム翻訳や、用途別の要約テンプレート、全方位録音などを特徴としています。
これらのデバイスは、いずれも「本体を購入し、専用アプリと連携して文字起こしする」という料金構造です。本体価格に加えて、無料枠を超えて使う場合は文字起こし用の有料プランがかかる、と考えておきましょう。本体価格・プラン料金ともに販売店や時期によって変動するため、最新の価格は各公式サイトで確認してください。
各デバイスの詳細と最新価格は、以下の公式サイトから確認できます。
どんな人・どんな会議にデバイスが向くか
デバイスは便利ですが、誰にでも必須というわけではありません。向いているのは次のようなケースです。
- 対面での打ち合わせや外出先での商談が多く、その場でサッと録音したい
- Web会議ツールに縛られず、あらゆる会議を同じ方法で記録したい
- アプリ操作を都度行うのが面倒で、物理的なボタンで録音を始めたい
- 多言語の会議があり、その場での翻訳もまとめて済ませたい(ZENCHORD1 など)
逆に、会議のほとんどが Web会議で完結しているなら、①の標準機能や②の専用サービスで足りることが多いでしょう。デバイスは追加投資になります。「対面が多い」「録音の手間そのものを消したい」という明確な理由があるときに検討するのがおすすめです。
④文字起こし後の活用と、事務職が押さえたい注意点
文字起こしはゴールではなく、スタート地点です。起こしたテキストをそのまま貼り付けても、読み返すのは骨が折れます。ここからひと手間かけて、報告書やナレッジへと育てていきましょう。
NotebookLMでナレッジ化する
Google の NotebookLM は、文字起こしした議事録を「調べられる知識」に変えるのに向いています。過去の会議録をまとめて放り込んでおけば、「あの件はいつ決まったんだっけ」といった問いにも答えてくれます。根拠となる箇所を示してくれるので、後から確認しやすいのが便利です。
議事録が数十本と溜まってくると、目視で探すのは現実的ではなくなります。そこで検索・要約の相棒として NotebookLM を使うと、過去の意思決定を後から追いやすくなるはずです。具体的な操作はGoogle NotebookLM使い方入門で、事務職がすぐ使える場面とともに解説しています。
Gemini Canvasで報告書・アジェンダに整形する
もうひとつの活用が、文字起こしを「見せられる形」に整えることです。生の文字起こしは、そのままでは上司や関係部署に共有しづらいもの。ここで Gemini の Canvas を使うと、要点を抜き出した報告書や、次回のアジェンダ、決定事項の一覧などに素早く整形できます。
「文字起こし→要約→報告書フォーマットに整える」という流れをAIに任せれば、議事録づくりの後半工程がぐっと軽くなります。整形の具体的な手順はGemini Canvasの使い方にまとめてあるので、報告書づくりまで自動化したい方は参考にしてください。
最後に、便利さの裏で見落としがちな注意点を整理します。ここを飛ばすと、あとで思わぬトラブルにつながりかねません。事務職として、導入前に一度確認しておきましょう。
社外秘・個人情報の扱い
議事録AIの多くは、クラウド上で音声データを処理します。つまり会議の中身が外部のサービスに送られる、ということです。社外秘の情報、個人情報、取引先の機密が含まれる会議を、深く考えずに外部AIへ送るのは避けたいところ。
まずは自社のルールを確認するのが第一歩です。どんな情報なら入力してよく、どんな情報は控えるべきかの判断基準は、生成AIに入力してはいけない情報とは?で業務別に整理しています。会議メモの扱いも例として触れているので、判断に迷ったら目を通しておくと安心です。
録音の社内ルール・上長への確認
会議を録音・自動文字起こしする場合は、参加者への事前の告知が欠かせません。あわせて、社内のセキュリティポリシーや就業規則上の手続きも確認しておきましょう。とくに社外の取引先が同席する会議では、録音していることを相手に伝えておくのが望ましいでしょう。
Web会議の録音Botが自動で参加するタイプのサービスでは、参加者への通知機能が備わっていることが多いです。録音中である旨が画面に表示される仕組みになっています。
こうした標準の通知機能を活かすことも、無用なトラブルを避ける工夫のひとつです。判断に迷う場面があれば、上長や情報システム部門に一声かけておくと確実です。
無料版の制約(保存期間・文字数・分数上限など)
無料プランは手軽に始められる反面、制約がつきものです。月間の文字起こし分数の上限や1回あたりの録音時間の制限など、条件はサービスごとに異なります。データの保存期間や要約回数の上限なども、あわせて確認しておきたいところです。
「無料で始めたのに、肝心の長時間会議で上限に引っかかった」という事態は避けたいものです。自分が月にどれくらい使うかを、ざっくり見積もってから選びましょう。
無料枠で足りるならそのまま、足りないなら有料へ。この記事の冒頭で触れた「まず無料、足りなければ有料」の順番は、ここでも変わりません。
生成AI利用の全般チェックリスト
議事録に限らず、生成AIを仕事で使うときには共通の注意点があります。情報漏洩、著作権、そしてAIが事実でないことをもっともらしく答えるハルシネーション。AIの要約をそのまま鵜呑みにせず、重要な決定事項は元の発言と照らして確認する習慣をつけたいところです。
こうした業務利用の勘所は、生成AIを仕事で使うときの注意点チェックリスト15にまとめています。議事録AIを本格導入する前に、一度ざっと確認しておくことをおすすめします。
よくある質問(FAQ)
Q. 議事録AIは無料で使えますか?
一部は無料で使えます。使い方は大きく2通りです。
ひとつは、会社が契約している Web会議ツール(Google Meet・Teams・Zoom)の標準機能を使う方法です。対象プランなら、追加費用なしで議事録を自動化できます。
もうひとつは、Notta のような専用サービスの無料プランを使う方法です。ただし無料枠には月間の分数上限や、1回あたりの録音時間の制限があります。長い会議をまるごと処理するには、物足りないことが多いでしょう。
まず無料で試し、足りなければ有料、という順番がおすすめです。
Q. Google Meet・Teams・Zoomはどれが議事録に強いですか?
「どれが強いか」より「自分の会社がどれを契約しているか」で選ぶのが現実的です。いずれも標準で議事録機能を持っていますが、対応プランが異なります。
Meet は Business Standard 以上などが対象、Teams は文字起こしまでは Business Basic 以上・AI要約は追加ライセンス、Zoom は有料プラン限定です。すでに使っているツールの標準機能から試すのが、遠回りしないコツです。
Q. 文字起こしの精度はツールでどれくらい違いますか?
会議の音質、話者の人数、専門用語の多さ、複数言語の混在などで精度は変わります。標準機能には「一度に1言語」といった制約があるものもあり、日英が飛び交う会議では崩れやすい傾向があります。
日本語中心の会議なら、日本企業が開発した Notta のように日本語精度で評価されるサービスに分があるとされます。ただし公式の定量データは公表されていないため、重要な会議では一度テスト運用し、自分の環境での実力を確かめるのが確実です。
Q. 社外秘の会議でAI議事録を使っても大丈夫ですか?
まず自社のルールを確認してください。議事録AIはクラウドで音声を処理するため、社外秘や個人情報を含む会議を安易に外部サービスへ送るのは避けたいところです。
何を入力してよいかの判断基準は生成AIに入力してはいけない情報とは?で解説しています。録音自体についても、参加者への告知や社内手続きを確認し、迷ったら上長・情報システム部門に相談するのが安全です。
議事録の自動化は、身構えるより先に「いま使えるものから試す」のが近道です。まずは会社の Web会議ツールの標準機能で足りるかを確かめ、対面や録音ファイルで困ったら専用サービス、録音の手間ごと消したいならデバイスを検討しましょう。
この順番で選べば、無駄なく自分に合った方法にたどり着けます。今日の会議から、まずはひとつ試してみてください。
