ExcelのCSCH関数の使い方|双曲線余割をやさしく解説

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「ExcelのCSCH関数って何に使うの?」と疑問に思ったことはありませんか。

双曲線余割と言われてもピンとこないですし、似た名前のCSC関数との違いもわかりにくいですよね。

そんなときはこの記事を読めば大丈夫です。ExcelのCSCH関数は =CSCH(値) と書くだけで双曲線余割を求められます。数学的にはSINH関数の逆数にあたる関数ですよ。

この記事では、基本の書き方からSINH関数との関係、CSC関数との違い、引数0でエラーになる注意点まで紹介します。

ExcelのCSCH関数とは?読み方と基本

CSCH関数は、指定した数値の双曲線余割(ハイパーボリックコセカント)を返すExcelの数学関数です。

読み方は「コセカント・ハイパーボリック」です。名前は英語の「Cosecant Hyperbolic」の略に由来します。

たとえば =CSCH(1) と入力すると「0.85092…」が返ります。これが1の双曲線余割の値です。

CSCH関数の特徴は、SINH関数の逆数であることです。SINH(x)は値の範囲に制限がありません。一方、CSCH(x)はxが大きくなるにつれて0に近づいていきますよ。

CSCH関数にできることをまとめると、次のとおりです。

  • 指定した値の双曲線余割を返す
  • SINH関数の逆数として検算に使う
  • COSH関数COTH関数と組み合わせて双曲線関数の計算をする

NOTE

CSCH関数はExcel 2013以降のバージョンで使えます。Microsoft 365・Excel 2024 / 2021 / 2019 / 2016にも対応していますよ。

CSCH関数の書き方(構文と引数)

基本構文

=CSCH(数値)

カッコの中に、双曲線余割を求めたい数値を指定します。

引数の説明

引数必須/任意説明
数値必須双曲線余割を求めたい実数値(0以外)。絶対値は2^27未満

引数は1つだけです。ラジアンへの変換は不要で、そのまま数値を渡せばOKですよ。

ただし引数に0は指定できません。CSCH(0)は数学的に定義されないため、エラーになります。

TIP

CSC関数(三角関数のコセカント)は引数に「角度(ラジアン)」を取ります。CSCH関数は「任意の実数値(0以外)」を取るため、RADIANS関数での変換は必要ありません。

CSCH関数の基本的な使い方

代表的な値でCSCH関数の動きを確認してみましょう。

正の値を渡す

=CSCH(1)

結果は「0.85092…」です。

もう少し大きい値も見てみます。

=CSCH(2)

結果は「0.27572…」です。値が大きくなるにつれて0に近づいていくのがポイントですね。

負の値を渡す

=CSCH(-1)

結果は「-0.85092…」です。CSCH(1)の符号を反転した値になっています。

これはCSCH関数が「奇関数」だからです。CSCH(-x) = -CSCH(x) が常に成り立ちますよ。

0を渡すとエラーになる

=CSCH(0)

この数式は #DIV/0! エラーになります。CSCH(x)は1/SINH(x)で計算されます。SINH(0) = 0 なので「0で割る」ことになるのが原因です。

これはCSCH関数で一番注意が必要なポイントですよ。

代表値の一覧

代表的な入力値と結果を一覧にまとめます。

数式結果備考
=CSCH(0)#DIV/0!0は定義されない
=CSCH(0.5)1.91903…0から離れると値が大きい
=CSCH(1)0.85092…基本値
=CSCH(2)0.27572…0に近づく
=CSCH(5)0.01348…ほぼ0
=CSCH(-1)-0.85092…奇関数(符号反転)
=CSCH(-2)-0.27572…0に近づく

値が大きくなると0に、小さくなると0に近づきます。ただし、0にはなりません。

セル参照を使う

もちろんセル参照も使えます。A1セルに数値が入っていれば、次のように書きます。

=CSCH(A1)

A列に複数の値を入れて、B列にCSCH関数を並べれば一括計算もできますよ。

CSCH関数の数学的な仕組み

定義式とSINH関数での検算

CSCH関数は数学的に次のように定義されています。

CSCH(x) = 1 / SINH(x)

つまり、SINH関数(双曲線正弦)の逆数です。Excelでは次のように検算できます。

=1/SINH(A1)

この式とCSCH(A1)は同じ結果を返します。実際にA1に「1」を入れて確認してみましょう。

数式結果
=CSCH(1)0.85092…
=1/SINH(1)0.85092…

どちらも同じ値ですね。

COSH関数とSINH関数を使った表現

CSCH関数はCOSH関数SINH関数を使っても表現できます。

双曲線関数には次の恒等式が成り立ちます。

COSH(x)^2 - SINH(x)^2 = 1

この式から、CSCH(x)^2 = COTH(x)^2 – 1 という関係も導けます。COTH関数の値がわかっていれば、CSCH関数の値を求めることもできますよ。

EXP関数を使った定義式

CSCH関数はEXP関数(ネイピア数eのべき乗を返す関数)でも表現できます。

CSCH(x) = 2 / (e^x - e^(-x))

Excelの式にすると、次のとおりです。

=2/(EXP(A1)-EXP(-A1))

この式がCSCH(A1)と同じ結果になることも確認できます。

数式結果
=CSCH(1)0.85092…
=2/(EXP(1)-EXP(-1))0.85092…

CSCH関数の結果が正しいか不安なときは、EXP関数を使った式で検算してみてくださいね。

CSC関数との違い

名前は似ていますが、CSC関数とCSCH関数はまったく別の関数です。

項目CSC関数CSCH関数
正式名称余割(コセカント)双曲線余割(ハイパーボリックコセカント)
数学的な背景円(三角関数)双曲線(双曲線関数)
引数角度(ラジアン)任意の実数値(0以外)
値の範囲1以上、または-1以下制限なし(0以外)
RADIANS変換必要不要
周期性あり(2πごとに繰り返す)なし
逆数の関係1/SIN(x)1/SINH(x)

一番大きな違いは「数学的な背景」です。CSC関数は三角関数で、円に基づく計算をします。CSCH関数は双曲線関数で、双曲線に基づく計算をします。

もうひとつの違いは「引数」です。CSC関数はラジアン単位の角度を受け取ります。RADIANS関数での変換が必要ですが、CSCH関数はそのまま数値を渡せますよ。

数式を入力するとき、CSCとCSCHを間違えないように注意してくださいね。

よくあるエラーと対処法

CSCH関数でよくあるトラブルをまとめます。

症状原因対処法
#DIV/0! エラー引数に0を渡した0以外の値を指定する。IF関数で0を除外する
#VALUE! エラー引数に文字列を渡した数値またはセル参照を指定する
CSC関数と結果が違う関数を間違えているCSCは三角関数、CSCHは双曲線関数。目的に合った方を使う
結果が0に近すぎる入力値が大きすぎるCSCH関数は値が大きくなると0に近づく性質がある

引数に0を渡したとき

=CSCH(0)

結果は #DIV/0! エラーです。CSCH(0)は数学的に定義されないため、このエラーは正しい動作です。

セルの値が0になる可能性がある場合は、IF関数で事前にチェックしましょう。

=IF(A1=0, "定義なし", CSCH(A1))

この式なら、A1が0のときはエラーにならず「定義なし」と表示されますよ。

文字列を渡したとき

=CSCH("abc")

結果は #VALUE! エラーです。引数には必ず数値を渡してくださいね。セル参照の場合は、参照先が数値であることを確認しましょう。

似た関数との違い・使い分け

関数動作引数用途
CSCH双曲線余割を返す実数値(0以外)SINH関数の逆数計算
SINH双曲線正弦を返す実数値物理シミュレーション
COSH双曲線余弦を返す実数値カテナリー曲線のy座標
TANH双曲線正接を返す実数値正規化・スコアリング
COTH双曲線余接を返す実数値(0以外)TANH関数の逆数計算
CSC余割(コセカント)を返す角度(ラジアン)三角関数・波動計算
EXPeのべき乗を返す指数指数関数・成長率計算

SINH・COSH・TANH・COTH・CSCHは双曲線関数の仲間です。三角関数のSIN・COS・TAN・COT・CSCに対応する関係ですね。

双曲線関数の間には次の関係が成り立ちます。

CSCH(x) = 1 / SINH(x)
COSH(x)^2 - SINH(x)^2 = 1
CSCH(x)^2 = COTH(x)^2 - 1

CSCH関数がないバージョン(Excel 2010以前)でも =1/SINH() で代用できますよ。

まとめ

ExcelのCSCH関数について解説しました。要点を振り返りましょう。

  • CSCH関数は双曲線余割を返す関数で、=CSCH(数値) と書く
  • Excel 2013以降で使える(Microsoft 365にも対応)
  • CSCH(1)=0.85092 が代表的な値
  • 定義式は 1/SINH(x) で、SINH関数の逆数
  • 引数に0を渡すと #DIV/0! エラーになるので注意
  • CSC関数とは別物(三角関数 vs 双曲線関数)
  • 値が大きくなると0に近づく(ただし0にはならない)

まずは =CSCH(1) で0.85092が返ることを確認してみてください。

双曲線関数ファミリーの他の関数もあわせてチェックしてみてくださいね。

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