「TRUE関数って、結局なにに使うの?」と疑問に思ったことはありませんか。関数一覧に載っているけれど、実際に使っている人を見かけない関数ですよね。
確かにTRUE関数そのものを使う機会は少ないです。しかし、論理値TRUEの仕組みを理解しておくと、IF関数やAND関数での条件判定、データ入力規則、SUMPRODUCT関数での集計など、Excelの幅広い機能がスッと理解できるようになります。
この記事では、TRUE関数の基本構文から実務での活用法、よくある疑問の「TRUE()とTRUEの違い」まで、実例付きでわかりやすく解説します。
TRUE関数とは?
TRUE関数は、論理値の「TRUE」を返す関数です。読み方は「トゥルー関数」で、英語の true(真)がそのまま関数名になっています。
「TRUEを返すだけ?」と思うかもしれません。まさにそのとおりで、この関数の役割は論理値TRUEを生成することだけです。
では、なぜこんなシンプルな関数が存在するのでしょうか。理由は歴史的な互換性にあります。Excelの前身ともいえる表計算ソフト「Lotus 1-2-3」では、論理値を扱うために関数として記述する必要がありました。ExcelはLotus 1-2-3との互換性を維持するために、TRUE関数とFALSE関数を用意したのです。
現在のExcelではセルに直接「TRUE」と入力すれば論理値として認識されるため、わざわざ =TRUE() と書く必要はほとんどありません。ただし、論理値TRUEそのものはExcelのあらゆる場面で活躍する重要な概念です。
TRUE関数の書き方(構文と引数)
基本構文
TRUE関数の構文はとてもシンプルです。
=TRUE()
カッコの中には何も入れません。これだけでセルに「TRUE」と表示されます。
引数の説明
| 引数 | 必須/省略可 | 説明 |
|---|---|---|
| (なし) | – | この関数に引数はありません |
引数がない関数は珍しいですが、TRUE関数はまさにそのひとつです。カッコの中を空にしたまま使います。
NOTE
対応環境: Excel 2007以降の全バージョン、Microsoft 365、Googleスプレッドシートで使用できます。
TRUE関数の基本的な使い方
まずは一番シンプルな使い方を見てみましょう。
任意のセル(たとえばA1)に次の数式を入力します。
=TRUE()
Enterキーを押すと、セルに「TRUE」と表示されます。
ここで大事なポイントがあります。この「TRUE」は文字列ではなく論理値だということです。見た目が同じでも、文字列の “TRUE” と論理値の TRUE は別物です。この違いは他の関数と組み合わせるときに影響するので、覚えておいてくださいね。
論理値かどうかを確認するには、B1セルに次の数式を入力してみてください。
=ISLOGICAL(A1)
結果がTRUEと表示されれば、A1の値は論理値です。詳しくはExcelのISLOGICAL関数の使い方|TRUE/FALSEの論理値を判定する方法で解説しています。
TRUE関数の実践的な使い方・応用例
論理値TRUEが実務で役立つ場面を4つ紹介します。
IF関数との組み合わせ
IF関数の戻り値としてTRUE/FALSEを返す書き方は、実務でよく使われるパターンです。
たとえば、A1セルの売上が目標の100,000円以上かどうかを判定するケースを考えてみましょう。
=IF(A1>=100000, TRUE(), FALSE())
この数式はA1が100,000以上なら「TRUE」、未満なら「FALSE」を返します。
ただし、実はこの書き方はもっとシンプルにできます。
=A1>=100000
比較演算子だけで、結果は自動的に論理値TRUE/FALSEになります。IF関数で明示的にTRUE()を返す必要はないんですね。
IF関数の基本を確認したい方は、ExcelのIF関数の使い方|基本から複数条件・ネストまで実例で解説もあわせてどうぞ。
AND関数・OR関数での条件判定
複数の条件を組み合わせるとき、AND関数やOR関数の結果もTRUE/FALSEの論理値です。
=AND(A1>=100000, B1>=50000)
この数式は、A1が100,000以上「かつ」B1が50,000以上のときにTRUEを返します。どちらか一方でも条件を満たさなければFALSEです。
=OR(A1>=100000, B1>=50000)
こちらはA1が100,000以上「または」B1が50,000以上のとき、どちらかを満たせばTRUEを返します。
AND関数やOR関数をIF関数と組み合わせるパターンは特に実務で頻出です。詳しくはExcelのAND関数の使い方|IF組み合わせと複数条件を解説とExcelのOR関数の使い方|IF組み合わせと複数条件を解説で解説しています。
データ入力規則での活用
論理値TRUEは、データ入力規則のカスタム数式でも活躍します。
たとえば「A列には正の数値しか入力できないようにしたい」という場合、データの入力規則でカスタム数式を次のように設定します。
=AND(ISNUMBER(A1), A1>0)
この数式がTRUEを返す場合だけ入力が許可されます。入力規則の裏側では、常に「数式の結果がTRUEかどうか」を判定しているわけです。
COUNTIF関数で論理値をカウント
論理値TRUEが入ったセルの数を数えたいときは、COUNTIF関数が使えます。
=COUNTIF(A1:A10, TRUE)
A1からA10の範囲で、論理値TRUEが入っているセルの数を返します。チェック結果をTRUE/FALSEで管理している表で「完了した項目がいくつあるか」を数えるときに便利ですよ。
COUNTIF関数の詳しい使い方は、ExcelのCOUNTIF関数の使い方|条件に合うセルを数える方法を参考にしてみてください。
論理値の数値変換テクニック
Excelでは、TRUEは数値の1、FALSEは数値の0として計算に使えます。この特性を利用した便利なテクニックを紹介します。
| 数式 | 結果 | 説明 |
|---|---|---|
=TRUE()*1 | 1 | 掛け算で数値に変換 |
=FALSE()*1 | 0 | FALSEは0になる |
=TRUE()+TRUE() | 2 | 論理値同士の足し算も可能 |
=--TRUE() | 1 | ダブルマイナスでも変換できる |
=TRUE()+0 | 1 | 0を足す方法でも変換可能 |
ダブルマイナス(--)は短くて便利な書き方です。マイナスを2回かけることで、論理値をいったん数値に変換し、符号を元に戻す仕組みになっています。
SUMPRODUCT関数での活用
この「TRUE=1、FALSE=0」の関係は、SUMPRODUCT関数で条件付き集計をするときに特に威力を発揮します。
=SUMPRODUCT((A1:A10="完了")*1, B1:B10)
この数式は、A列が「完了」の行だけB列の値を合計します。(A1:A10="完了") の部分がTRUE/FALSEの配列を返し、*1 で数値(1/0)に変換して掛け算することで、条件に合う行だけを集計できる仕組みです。
SUMPRODUCT関数の詳しい使い方は、SUMPRODUCT関数の使い方|複数条件の集計を実例で解説で解説しています。
TRUE()とTRUEの違い
ここは特によく聞かれるポイントです。
結論から言うと、=TRUE() と TRUE は同じ結果になります。どちらもセルに論理値のTRUEが入ります。
| 入力方法 | セルの表示 | 値の種類 | 備考 |
|---|---|---|---|
=TRUE() | TRUE | 論理値 | 関数として入力 |
| TRUE(直接入力) | TRUE | 論理値 | Excelが自動認識 |
| “TRUE”(ダブルクォーテーション付き) | TRUE | 文字列 | 見た目は同じだが別物 |
注意したいのは3つ目のパターンです。ダブルクォーテーションで囲むと文字列になってしまいます。見た目は同じ「TRUE」でも、論理値と文字列では他の関数と組み合わせたときの動作が変わるので気をつけてください。
たとえば、次の数式で違いが確認できます。
=IF(A1=TRUE, "論理値", "それ以外")
A1に論理値TRUEが入っていれば「論理値」、文字列”TRUE”が入っていれば「それ以外」と表示されます。
文字列と論理値の混同に注意
よくあるのが、セルに文字列の “TRUE” が入っているのに論理値として扱おうとするケースです。
=COUNTIF(A1:A10, TRUE)
この数式は論理値TRUEだけをカウントします。文字列の”TRUE”はカウントされません。もし文字列も含めて数えたい場合は、次のように書きます。
=COUNTIF(A1:A10, "TRUE")
論理値か文字列かの判別に迷ったときは、ExcelのISLOGICAL関数の使い方|TRUE/FALSEの論理値を判定する方法を活用してください。
数式でのカッコの書き忘れ
数式の中でTRUE関数を使うとき、カッコを忘れると意味が変わる場合があります。
=IF(A1>0, TRUE(), "NG") ... 論理値TRUEを返す
=IF(A1>0, TRUE, "NG") ... これも同じ結果(Excelが自動認識)
実は、数式内では TRUE() でも TRUE でも同じ結果です。ただし、他の表計算ソフトとの互換性を意識するなら TRUE() と書いておくと安心です。
エラーが出てしまったときの対処には、ExcelのIFERROR関数の使い方|エラーを非表示にする基本から応用までも参考になりますよ。
まとめ
TRUE関数は、論理値TRUEを返すだけのシンプルな関数です。Lotus 1-2-3との互換性のために存在しており、現在のExcelではTRUEと直接入力すれば同じ結果が得られます。
ただし、論理値TRUEそのものはExcelの様々な機能で重要な役割を果たしています。
- IF関数の条件判定: 比較演算子の結果はTRUE/FALSEの論理値になる
- AND関数・OR関数: 複数条件の判定結果もTRUE/FALSE
- データ入力規則: カスタム数式がTRUEを返すかどうかで入力の可否を制御
- COUNTIF関数: 論理値TRUEのセルをカウントできる
- 数値変換: TRUE=1、FALSE=0として計算やSUMPRODUCT関数での集計に活用
TRUE関数自体を使う場面は少なくても、「論理値TRUEとは何か」を理解しておくと、Excelの関数全体への理解がぐっと深まります。ぜひ今回の内容を、普段のExcel作業に活かしてみてくださいね。
