Excelの印刷設定で「2ページ目に1行だけはみ出した」「見出しが2ページ目から消えた」「会社名のヘッダーが入っていない」といったトラブルで、印刷ボタンを押す直前に焦った経験はありませんか。
Excelには印刷範囲、改ページ、ヘッダーフッター、印刷タイトルなど、印刷をきれいに整えるための機能がしっかり揃っています。ただし、機能が多いぶん「どこから手を付ければいいの?」となりやすいですよね。
この記事では、Excelの印刷設定を4つの主要機能 + 用紙・余白・拡大縮小まで含めて、まるごと解説します。症状から逆引きできる早見マップと印刷前チェックリストも用意したので、印刷で困らなくなりますよ。
Excelの印刷で困る定番トラブル4選
最初に、Excelの印刷設定で多くの人がつまずく代表的な4トラブルを整理します。あなたが今困っているのは、どのパターンでしょうか。
表が途中で切れる
「特定の範囲だけ印刷したいのに、空白行まで含めて印刷されてしまう」「右端の1列だけ次のページにずれた」というケースです。これは印刷範囲の指定で解決できます。
2ページ目に見出しが出てこない
長い表を印刷したとき、1ページ目には見出し行があるのに、2ページ目以降は項目名のない数字の羅列になっていませんか。これは印刷タイトルで見出し行を全ページに固定すれば解決します。
ヘッダーに会社名やロゴを入れたい
「請求書のすべてのページに会社名を入れたい」「ページ番号と日付を自動で入れたい」というニーズです。ヘッダー・フッターの編集機能で対応できますよ。
1ページに収めたいのにはみ出る
「縦長の表をA4横1ページに収めたい」「印刷したら2ページ目に1行だけはみ出した」というあるあるです。拡大縮小印刷や改ページ調整で解決します。
【症状→機能 逆引きマップ】まずはこの表で確認
印刷で困った症状から、使うべき機能を1枚の表で確認できるようにまとめました。本記事の中で、各機能の詳しい使い方に直接ジャンプしてくださいね。
| 困っている症状 | 使うべき機能 | この記事の該当セクション |
|---|---|---|
| 印刷したい範囲を指定したい | 印刷範囲の設定 | 印刷範囲を指定する方法 |
| 表が途中で切れる、空白行も印刷される | 印刷範囲の設定 | 印刷範囲を指定する方法 |
| ページの区切り位置を変えたい | 改ページ調整 | 改ページを調整する |
| 1ページ目と2ページ目のバランスが悪い | 改ページ調整 | 改ページを調整する |
| 会社名・ページ番号を全ページに入れたい | ヘッダー・フッター | ヘッダー・フッターを編集する |
| ロゴ画像をヘッダーに入れたい | ヘッダー・フッター | ヘッダー・フッターを編集する |
| 見出し行が2ページ目以降に出ない | 印刷タイトル | 印刷タイトルで見出しを固定する |
| 左の見出し列を全ページに出したい | 印刷タイトル | 印刷タイトルで見出しを固定する |
| 縦長の表を1ページに収めたい | 拡大縮小印刷 | 用紙・余白・拡大縮小を整える |
| 用紙の向きを横にしたい | 印刷の向き | 用紙・余白・拡大縮小を整える |
| 余白を狭くして1ページに入れたい | 余白の変更 | 用紙・余白・拡大縮小を整える |
Excelの印刷範囲を指定する方法
Excelの印刷範囲とは、印刷時にプリンターへ送る「シート内の特定セル範囲」のことです。指定しない場合は、データが入っているすべての領域が印刷対象になりますよ。
特定の表だけを印刷したいときや、空白行を含めずに必要な部分だけ印刷したいときに使います。
印刷したいセル範囲を選んで「印刷範囲の設定」
基本の手順は3ステップです。
- 印刷したいセル範囲を選択する(例: A1:F20)
- 「ページレイアウト」タブをクリック
- 「印刷範囲」→「印刷範囲の設定」をクリック
これで選択した範囲だけが印刷対象になります。Ctrl+P で印刷プレビューを開いて、指定した範囲だけが表示されているか確認しましょう。

印刷範囲を解除・追加する
設定した印刷範囲を変更したいときは、以下の方法で操作します。
解除する場合
「ページレイアウト」タブ→「印刷範囲」→「印刷範囲のクリア」をクリックすれば、印刷範囲の指定が解除されます。
追加する場合(不連続な複数範囲を印刷する)
追加したいセル範囲を選択して、「ページレイアウト」→「印刷範囲」→「印刷範囲に追加」をクリックします。これで離れた範囲も同時に印刷できますよ。
たとえばA列とE列だけを印刷したい場合、それぞれの列を選択して印刷範囲に追加すれば、別々のページとして印刷されます。
名前ボックスで「Print_Area」を確認する
印刷範囲を設定すると、Excelは内部的に「Print_Area」という名前付き範囲(範囲に名前を付けて管理する仕組み)を自動で作ります。
シート左上の名前ボックス(数式バーの左にある場所)の▼をクリックすると、「Print_Area」が表示されます。これをクリックすると現在の印刷範囲が選択されるので、設定内容をすぐ確認できますよ。
「数式」タブ→「名前の管理」を開けば、印刷範囲の参照先を数式で直接編集することもできます。

改ページを調整する
改ページとは、印刷時にページが切り替わる位置のことです。Excelは用紙サイズや余白、行高、列幅をもとに自動で改ページ位置を決めますが、見やすさを優先して手動で調整することもできます。
改ページプレビューに切り替える
改ページプレビューとは、印刷時のページ区切りを画面上で視覚的に確認・調整できる表示モードです。切り替え方は2通りあります。
- メニューから: 「表示」タブ→「改ページプレビュー」をクリック
- ステータスバーから: 画面右下の改ページプレビューアイコンをクリック
改ページプレビューに切り替えると、各ページに「1ページ」「2ページ」などの薄い文字が表示され、ページの境目が青い線で示されます。
青い実線: 手動で挿入した改ページ
青い点線: Excelが自動で挿入した改ページ
通常の表示に戻すには、「表示」タブ→「標準」をクリックします。
改ページ位置をドラッグで動かす
改ページプレビュー画面では、青線をマウスでドラッグして改ページ位置を直接動かせます。
「2ページ目に1行だけはみ出した」というときは、1ページ目と2ページ目の境目の青線を下方向にドラッグすれば、はみ出した行を1ページ目に取り込めますよ。
ただし、改ページ位置を広げすぎるとExcelが自動で拡大縮小を適用するため、文字が小さくなる場合があります。ドラッグ後はCtrl+Pでプレビューを確認しましょう。
手動改ページの挿入と削除
特定の行や列で必ずページを切りたい場合は、手動改ページを挿入します。
手動改ページの挿入
- 改ページを入れたい行または列を選択
- 「ページレイアウト」タブ→「改ページ」→「改ページの挿入」
手動改ページの削除
- 該当行または列を選択
- 「ページレイアウト」タブ→「改ページ」→「改ページの解除」
すべての改ページをリセット
「ページレイアウト」タブ→「改ページ」→「すべての改ページの解除」をクリックすると、手動改ページがすべて解除されて自動改ページのみに戻ります。
ヘッダー・フッターを編集する
ヘッダー・フッターは、各ページの上下に表示される領域です。会社名やページ番号、日付、ロゴ画像などをすべてのページに自動で表示できます。
ヘッダーとフッターはそれぞれ、左・中央・右の3つのセクションに分かれていて、別々のテキストを配置できますよ。
ページレイアウト表示でヘッダーフッターを入れる
ヘッダー・フッターを編集する一番わかりやすい方法は、ページレイアウト表示モードです。
- 「表示」タブ→「ページレイアウト」をクリック
- 画面が用紙風の表示に切り替わる
- ページ上部の「ヘッダーの追加」エリアをクリックして直接入力
- ページ下部の「フッターの追加」エリアをクリックして直接入力
入力した内容はすべてのページに自動で反映されます。ヘッダー・フッターエリアをクリックすると、リボンに「ヘッダーとフッター」タブが表示されて、特殊要素の挿入ボタンが使えるようになりますよ。
ページ番号・日付・ファイル名を自動挿入
ヘッダー・フッターには、ページ番号や日付などを自動で挿入する特殊コードがあります。
| 挿入したい項目 | 操作 | 挿入されるコード |
|---|---|---|
| ページ番号 | 「ページ番号」ボタン | &[ページ番号] |
| 総ページ数 | 「ページ数」ボタン | &[総ページ数] |
| 現在の日付 | 「現在の日付」ボタン | &[日付] |
| 現在の時刻 | 「現在の時刻」ボタン | &[時刻] |
| ファイル名 | 「ファイル名」ボタン | &[ファイル] |
| ファイルパス | 「ファイルのパス」ボタン | &[パス]&[ファイル] |
| シート名 | 「シート名」ボタン | &[シート] |
たとえばフッター中央に「1 / 5」のような形式でページ番号を表示したい場合は、&[ページ番号] / &[総ページ数] と入力すればOKです。
会社ロゴ画像を挿入する
会社ロゴをヘッダーに入れたい場合は、画像挿入機能を使います。
- 「表示」タブ→「ページレイアウト」表示に切替
- ヘッダーの挿入したいセクション(左・中央・右)をクリック
- 「ヘッダーとフッター」タブ→「図」ボタンをクリック
- ファイル選択ダイアログで画像を選ぶ
画像が大きすぎる場合は、「ヘッダーとフッター」タブ→「図の書式設定」でサイズや配置を調整できますよ。
TIP: 奇数ページと偶数ページで異なるヘッダーを設定したい場合は、「ヘッダーとフッター」タブの「奇数/偶数ページ別指定」にチェックを入れてください。両面印刷で本のような体裁にしたいときに便利です。
印刷タイトルで見出し行・列を全ページに固定する
印刷タイトルとは、特定の行または列をすべての印刷ページに繰り返し表示する機能です。複数ページにわたる長い表で、見出し行が2ページ目以降に表示されない問題を解決できます。
「タイトル行」で見出し行を毎ページ表示
見出し行を全ページに表示する手順です。
- 「ページレイアウト」タブ→「印刷タイトル」をクリック
- 「ページ設定」ダイアログの「シート」タブが開く
- 「タイトル行」の入力欄をクリック
- シート上で見出しの行を選択(例: 1行目をクリック)→
$1:$1と入力される - 「OK」をクリック
これで2ページ目以降にも見出し行が自動で表示されますよ。
複数行を見出しにしたい場合は、$1:$3 のように範囲指定します。1〜3行目までが全ページに繰り返し表示されますよ。
「タイトル列」で見出し列を毎ページ表示
左端の見出し列を全ページに表示したい場合は、「タイトル列」を設定します。手順は「タイトル行」と同じで、入力欄が違うだけです。
- 「ページレイアウト」タブ→「印刷タイトル」をクリック
- 「タイトル列」の入力欄をクリック
- シート上でA列をクリック →
$A:$Aと入力される - 「OK」をクリック
横長の表でA列に項目名を入れているケースで、横ページの2枚目以降にも項目名を表示できます。
注意: 「タイトル行」「タイトル列」のフィールドは、印刷タイトルダイアログを開いた状態でないとセル選択操作ができません。シート上のセルが反応しないときは、ダイアログを閉じていないか確認してくださいね。
印刷タイトルとウィンドウ枠固定の違い
「印刷タイトル」と似た機能に「ウィンドウ枠の固定」があります。混同しやすいので、違いを表で整理しましょう。
| 機能 | 用途 | 画面表示への影響 | 印刷への影響 |
|---|---|---|---|
| 印刷タイトル | 印刷時に見出しを全ページに繰り返し表示 | なし | あり |
| ウィンドウ枠の固定 | スクロール時に見出しを画面に固定 | あり | なし |
両者は独立した機能なので、併用も可能です。データ入力時は「ウィンドウ枠の固定」で画面上の見出しを固定し、印刷時は「印刷タイトル」で印刷上の見出しを繰り返す、という使い分けが一般的ですよ。
用紙サイズ・余白・拡大縮小をまとめて整える
印刷範囲や改ページを調整しても、はみ出しが解消しないことがあります。そんなときは用紙サイズ・印刷の向き・余白・拡大縮小印刷の組み合わせで全体を整えましょう。
用紙サイズと向き(縦・横)の設定
用紙サイズと印刷の向きは、「ページレイアウト」タブから設定します。
- 用紙サイズ: 「サイズ」ボタン → A4 / A3 / B5 / レター などから選択
- 印刷の向き: 「印刷の向き」ボタン → 縦 / 横
横長の表(列が多い表)はA4横向き、縦長の表(行が多い表)はA4縦向きが基本です。表の形に合わせて選びましょう。
余白を変更する(標準・狭い・広いの使い分け)
余白とは、用紙の端から印刷領域までの空白の幅です。「ページレイアウト」タブ→「余白」から3つのプリセットを選べます。
| プリセット | 上下 | 左右 | 使う場面 |
|---|---|---|---|
| 標準 | 1.91cm | 1.78cm | 一般的な書類 |
| 広い | 2.54cm | 2.54cm | パンチ穴を開ける資料 |
| 狭い | 1.91cm | 0.64cm | できるだけ多くのデータを入れたい |
「ユーザー設定の余白」で個別に指定もできます。「ページ設定」ダイアログの「余白」タブで上下左右をmm単位で細かく指定できますよ。
ページ中央配置: 「ページ設定」ダイアログの「余白」タブで「水平」「垂直」にチェックを入れると、印刷内容が用紙中央に配置されます。
「1ページに収める」拡大縮小印刷
拡大縮小印刷は、表のサイズを自動で調整して指定したページ数に収める機能です。3つのオプションから選べます。
| 設定 | 効果 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| シートを1ページに印刷 | 縦も横もすべて1ページに収める | 表全体を1枚にしたい |
| すべての列を1ページに印刷 | 横方向のみ1ページに収める | 縦は複数ページOK、列だけ切れたくない |
| すべての行を1ページに印刷 | 縦方向のみ1ページに収める | 横は複数ページOK、縦の表が長い |
設定方法は「ファイル」→「印刷」画面の下部にある「拡大縮小なし」プルダウンから選びます。または「ページレイアウト」タブ→「拡大縮小印刷」グループで横ページ数・縦ページ数を直接指定する方法もありますよ。
倍率を数値で指定する場合は、「拡大縮小印刷」グループの「拡大縮小」欄に10〜400%の範囲で入力します。
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PDFに出力したときの崩れが気になる方は、ExcelをPDFに変換したら崩れる・文字ずれの直し方も合わせて確認してみてくださいね。
印刷前チェックリスト10項目
印刷ボタンを押す前に、以下の10項目を確認すると印刷トラブルを大幅に減らせます。
- [ ] 印刷範囲は意図した範囲に設定されているか
- [ ] 印刷プレビューで全ページの内容を確認したか
- [ ] 2ページ目以降に見出し行が表示されているか(印刷タイトル)
- [ ] ヘッダー・フッターの内容は正しいか(日付・ページ番号など)
- [ ] 用紙の向き(縦・横)は表の形に合っているか
- [ ] 余白は適切か(パンチ穴を開けるなら左余白を広めに)
- [ ] 改ページ位置で表が見にくく分断されていないか
- [ ] フォントが小さすぎないか(拡大縮小で縮みすぎていないか)
- [ ] 印刷品質はカラー / 白黒で意図通りか
- [ ] 必要な部数とプリンター設定は合っているか
このチェックリストを印刷前のルーチンにすると、「印刷したら見出しがない」「2ページ目に1行だけ出てた」といったトラブルがほぼなくなりますよ。
よくあるトラブルと対処法
ここでは、印刷時によく起きるトラブルとその対処法を3つ紹介します。
一部の列だけ次ページにはみ出る
横長の表で、最後の1列だけが2ページ目にずれてしまうケースです。対処法は3つあります。
- 拡大縮小印刷: 「ファイル」→「印刷」→「すべての列を1ページに印刷」を選ぶ
- 用紙の向き変更: 縦向きから横向きに変えて横幅を確保
- 余白を狭く: 「ページレイアウト」→「余白」→「狭い」で印刷領域を広げる
通常は1の拡大縮小印刷が最も簡単で確実ですよ。
印刷プレビューで文字が小さすぎる
拡大縮小印刷で「シートを1ページに印刷」を選ぶと、データ量が多い場合に文字が読めないほど小さくなることがあります。
対処法としては、「すべての列を1ページに印刷」または「すべての行を1ページに印刷」のどちらか一方だけを選ぶと、必要以上の縮小を防げます。あるいは用紙サイズをA4からA3に変更するのも有効ですよ。
カラー設定なのに白黒で出る
シート上は色付きなのに、印刷すると白黒になるケースがあります。チェック箇所は2つです。
- ページ設定の白黒印刷: 「ページレイアウト」→「ページ設定」のダイアログ起動 →「シート」タブ →「白黒印刷」のチェックを外す
- プリンター側の設定: 「ファイル」→「印刷」→ プリンター名の下の「プリンターのプロパティ」でカラー印刷に設定
両方確認すれば、カラーで印刷できるはずですよ。

印刷ではなくPDF出力後に崩れる場合はExcelをPDFに変換したら崩れる・文字ずれの直し方を、印刷自体を自動化したい場合はVBAでシートをPDF出力・自動保存する方法を参考にしてみてください。
まとめ|印刷設定4機能の使い分け早見表
Excelの印刷設定の4つの主要機能について、最後に使い分けの早見表で振り返りましょう。
| 機能 | 解決できる悩み | 設定場所 |
|---|---|---|
| 印刷範囲 | どこを印刷するかを指定したい | ページレイアウト→印刷範囲 |
| 改ページ | ページの区切り位置を変えたい | 表示→改ページプレビュー |
| ヘッダー・フッター | 会社名・ページ番号を全ページに入れたい | 表示→ページレイアウト |
| 印刷タイトル | 見出し行・列を全ページに表示したい | ページレイアウト→印刷タイトル |
これに用紙サイズ・余白・拡大縮小印刷を組み合わせれば、Excelの印刷でほぼすべてのトラブルに対応できます。
印刷前には、本記事の「印刷前チェックリスト10項目」をルーチンとして使うと、印刷トラブルをグッと減らせますよ。
Excelの基本機能をもっと体系的に学びたい方は、Excel初心者完全マスターガイドもぜひチェックしてみてくださいね。

