Excelの丸め関数10種を完全比較|使い分け早見表

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Excelで端数を処理したいとき、「丸め関数が多すぎて、どれを使えばいいかわからない」と感じたことはありませんか。

ROUND、INT、CEILING…似た名前の関数が10種類もあります。なんとなく選んで使っていると、負の数で計算がずれたり、想定外のエラーが出ることも。

この記事では、Excelの丸め関数10種の使い分けを早見表で一覧比較します。「3ステップの選び方」と「やりがちな間違い3選」も紹介するので、もう関数選びで迷いませんよ。

【早見表】10種の丸め関数を一覧で比較

まずは結論です。10関数の役割と特徴をまとめました。

関数名丸め方向基準単位代表的な使いどころ
ROUND四捨五入桁数で指定小数の四捨五入全般
ROUNDUP切り上げ桁数で指定見積もりの安全側丸め
ROUNDDOWN切り捨て桁数で指定消費税の切り捨て
MROUND四捨五入倍数で指定50円・100円単位の丸め
FLOOR切り捨て倍数で指定時間の切り捨て(15分単位)
CEILING切り上げ倍数で指定時間の切り上げ(30分単位)
INT切り捨て整数(固定)割り算の整数部分を取得
TRUNC切り捨て桁数で指定小数部分を削除
ODD切り上げ奇数(固定)奇数枠の確保
EVEN切り上げ偶数(固定)偶数枠の確保

大きく分けると「丸め方向」と「基準単位」の2軸で整理できます。この2つを押さえれば、10関数の使い分けはシンプルです。

丸め方向別に整理する

10関数は3グループに分かれます。

  • 四捨五入: ROUND、MROUND
  • 切り捨て: ROUNDDOWN、INT、TRUNC、FLOOR
  • 切り上げ: ROUNDUP、CEILING、ODD、EVEN

切り捨てグループだけ4つもあるのがやっかいですよね。でも安心してください。この4つの違いは、次のセクションの「3ステップ」で整理します。

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シーン別にNG数式とOK数式を並べて比較したい方は「Excel端数処理の関数選び|消費税・時間・金額のシーン別早見表」もあわせてどうぞ。

Excelの丸め関数を3ステップで使い分ける

早見表で全体像はつかめたと思います。ここからは、実務で「どの関数を使うか」を迷わず決める3ステップを紹介します。

ステップ1:丸める方向を決める

最初に確認するのは「四捨五入・切り捨て・切り上げのどれか」です。

  • 金額を安全に見積もりたい → 切り上げ
  • 消費税を安く計算したい → 切り捨て
  • 統計値を一般的に丸めたい → 四捨五入

丸め方向が決まるだけで、候補はぐっと絞れます。

ステップ2:桁数指定か倍数指定かを確認する

次に「何の単位で丸めるか」を確認します。

指定方法対応関数使い分けの例
桁数指定(小数点からの位置)ROUND / ROUNDUP / ROUNDDOWN / TRUNC「小数第2位で」「1の位で」
倍数指定(任意の数の倍数)MROUND / FLOOR / CEILING「50円単位で」「15分単位で」
固定(引数不要)INT / ODD / EVEN「整数に」「奇数に」

ポイントは「桁数のマイナス指定が苦手なら倍数指定を使う」ことです。たとえば100円単位の切り捨ては、次の2通りで書けます。

=ROUNDDOWN(1234, -2)
=FLOOR(1234, 100)

どちらも結果は 1200 です。FLOORのほうが「100の倍数に切り捨て」と読めるので、数式の意図が伝わりやすいですよ。

ちなみに、ROUND系の桁数でマイナスを指定すると、整数部分を丸められます。-1 なら1の位、-2 なら10の位が対象です。

ステップ3:負の数が出る可能性があるか確認する

ここが見落としやすいポイントです。正の数では同じ結果を返す関数が、負の数で差が出ます。

=ROUNDDOWN(-4.3, 0)  → -4(0方向に切り捨て)
=INT(-4.3)           → -5(負の無限大方向に切り捨て)

返品処理や差額計算で負の数が出る可能性があるなら、INTではなくROUNDDOWNを使うのが安全です。

また、FLOOR/CEILINGで負の数を扱うときは注意が必要です。数値と基準値の符号が異なると #NUM! エラーになります。Excel 2013以降のFLOOR.MATH/CEILING.MATHなら、この制約がありません。詳しくは「FLOOR/CEILING系6関数の違い|MATH・PRECISEの使い分け」で解説しています。

似ている関数の違いを深掘り比較

「名前が似ている関数の違いがよくわからない」という声は多いです。ここでは特に紛らわしい4つのペアを比較します。

ROUNDDOWN vs INT:負の数で結果が変わる

正の数では、ROUNDDOWNもINTも同じ結果です。違いが出るのは負の数のときだけです。

=ROUNDDOWN(4.3, 0)   → 4
=INT(4.3)             → 4(同じ)

=ROUNDDOWN(-4.3, 0)  → -4(0方向に丸める)
=INT(-4.3)           → -5(負の無限大方向に丸める)
比較項目ROUNDDOWNINT
正の数0方向に切り捨て0方向に切り捨て
負の数0方向に切り捨て負の無限大方向に切り捨て
桁数指定必須なし(常に整数)

INTは「数直線で左に進む」イメージです。-4.3 の左隣の整数は -5 なので、INTは -5 を返します。ROUNDDOWNは「0に近づく」イメージで、-4 を返します。

消費税や金額計算で負の値が出る可能性があるなら、ROUNDDOWNを選んでください。

TRUNC vs ROUNDDOWN:引数省略できる・できないの差

この2つは正の数でも負の数でも同じ結果を返します。違いは「桁数引数を省略できるかどうか」だけです。

=TRUNC(3.75)         → 3(桁数省略OK、0扱い)
=ROUNDDOWN(3.75, 0)  → 3(桁数0を必ず指定)
比較項目TRUNCROUNDDOWN
桁数の省略可能(省略時は0)不可(必須)
丸め方向0方向に切り捨て0方向に切り捨て
負の数の結果同じ同じ

「整数に切り捨てたいだけ」ならTRUNCのほうが短く書けます。桁数を指定して丸めたいならどちらでもOKです。チームで統一するなら、ROUNDDOWNのほうが他のROUND系と揃って読みやすいでしょう。

CEILING vs CEILING.MATH:負の倍数の向きが逆になる

旧CEILINGは、負の数を扱うときにクセがあります。

=CEILING(-3.75, -1)  → -3(0方向に切り上げ)
=CEILING(-3.75, 1)   → #NUM!エラー

旧CEILINGでは、負の数に正の基準値を渡すとエラーになります。基準値の符号を数値に合わせる必要があるんです。

CEILING.MATH(Excel 2013以降)なら、この制約が解消されています。

=CEILING.MATH(-3.75, 1)     → -3(0方向に切り上げ)
=CEILING.MATH(-3.75, 1, 1)  → -4(負の無限大方向に切り上げ)

CEILING.MATHには3つ目のMode引数があります。Mode引数で負の数の丸め方向を制御できるのが最大の違いです。

Excel 2013以降を使っているなら、CEILING.MATHに乗り換えるのがおすすめです。FLOORも同様に、FLOOR.MATHが上位互換にあたります。詳しくは「FLOOR/CEILING系6関数の違い|MATH・PRECISEの使い分け」をご覧ください。

MROUND vs ROUND:倍数丸めか桁数丸めかを選ぶ

MROUNDとROUNDはどちらも四捨五入ですが、基準の指定方法が違います。

=ROUND(1234, -2)    → 1200(10の位を四捨五入)
=MROUND(1234, 100)  → 1200(100の倍数に四捨五入)

結果は同じでも、数式の読みやすさが変わります。「100円単位で丸める」ならMROUNDのほうが直感的です。

ただしMROUNDには注意点があります。数値と基準値の符号が異なると #NUM! エラーになります。また基準値に0を渡しても #NUM! エラーです。

比較項目ROUNDMROUND
基準の指定桁数(0, 1, -1…)倍数(50, 100, 0.5…)
負の数エラーなし符号不一致で#NUM!
基準値0常に0を返す#NUM!エラー

安全性を優先するならROUND、読みやすさを優先するならMROUNDです。

やりがちな間違い3選

ここからは、丸め関数でよくあるミスを紹介します。知っておくだけでトラブルを防げますよ。

間違い1:INTで消費税を計算 → 負の数で誤差が出る

消費税の切り捨てに =INT(金額*0.1) を使っている方、意外と多いです。正の数なら問題ありませんが、返品で金額がマイナスになると結果がずれます。

=INT(1000*0.1)    → 100(正しい)
=INT(-1000*0.1)   → -100(端数なしなのでずれない)

=INT(-1055*0.1)   → -106(ずれる!)
=ROUNDDOWN(-1055*0.1, 0) → -105(正しい)

INTは負の無限大方向に丸めるため、端数があると1ずれます。-1055 * 0.1 = -105.5 のように端数が出ると、INTは -106 を返してしまいます。消費税計算にはROUNDDOWNを使いましょう。

インボイス制度と端数処理

インボイス制度では、端数処理の方法(切り上げ・切り捨て・四捨五入)は事業者が自由に選べます。ただし、一の適格請求書につき税率ごとに1回のみ端数処理できる点に注意してください。

間違い2:表示形式で丸めた気になる → 計算は元の値のまま

セルの書式設定で小数点以下の表示桁数を変えても、計算に使われる値は変わりません。

たとえば、セルA1に 3.456 と入力して、表示形式を「小数点以下1桁」にします。画面上は 3.5 と表示されますが、計算には 3.456 が使われます。

A1の値: 3.456(表示は「3.5」)
=A1*100 → 345.6(350ではない!)

計算結果そのものを丸めるには、ROUND関数で値を変換してください。

=ROUND(3.456, 1)  → 3.5(計算値も3.5になる)
=ROUND(3.456, 1)*100 → 350(意図どおり)

「表示が丸まっているから大丈夫」は危険です。計算で使うセルには必ずROUND関数を入れましょう。

間違い3:CEILINGに負の倍数を渡す → エラーになる

旧CEILINGとFLOORには「符号の制約」があります。正の数値に負の基準値を渡すとエラーです。

=CEILING(7.5, -1)   → #NUM!エラー
=FLOOR(7.5, -1)     → #NUM!エラー

また、基準値に0を渡すと #DIV/0! エラーになります。

=CEILING(7.5, 0)  → #DIV/0!エラー
=FLOOR(7.5, 0)    → #DIV/0!エラー

対策は2つあります。

  1. 基準値の符号を数値に合わせる: 正の数には正の基準値、負の数には負の基準値を使う
  2. CEILING.MATH/FLOOR.MATHに切り替える: Excel 2013以降なら符号制約がない

Excel 2013以降を使えるなら、CEILING.MATH/FLOOR.MATHへの乗り換えがおすすめです。

シーン別おすすめ関数まとめ

ここまでの知識を踏まえて、実務シーン別のおすすめ関数を整理します。

消費税・請求金額の計算

消費税の端数処理は、社内ルールで「切り捨て」「四捨五入」「切り上げ」のどれかが決まっています。

ルールおすすめ関数数式例
切り捨てROUNDDOWN=ROUNDDOWN(A1*0.1, 0)
四捨五入ROUND=ROUND(A1*0.1, 0)
切り上げROUNDUP=ROUNDUP(A1*0.1, 0)

INTではなくROUNDDOWNを使うのがポイントです。返品や値引きで税額がマイナスになっても正しく計算できます。

勤怠・時間集計(15分・30分単位)

勤怠管理では「15分単位」「30分単位」で丸めるケースが多いです。倍数指定ができるCEILING/FLOOR/MROUNDの出番です。

やりたいことおすすめ関数数式例
15分単位に切り上げCEILING=CEILING(A1,"0:15")
15分単位に切り捨てFLOOR=FLOOR(A1,"0:15")
30分単位に四捨五入MROUND=MROUND(A1,"0:30")

時間の基準値は "0:15" のようにダブルクォーテーションで囲みます。そのまま入力するとエラーになることがあるので注意してください。

見積金額の千円・万円単位丸め

見積書や報告書で「千円単位」「万円単位」に金額を丸めたい場面です。

やりたいことおすすめ関数数式例
千円未満を切り捨てFLOOR=FLOOR(A1, 1000)
千円未満を切り上げCEILING=CEILING(A1, 1000)
万円単位に四捨五入ROUND=ROUND(A1, -4)

FLOORやCEILINGなら =FLOOR(A1, 1000) と書けます。ROUNDDOWNなら =ROUNDDOWN(A1, -3) です。チームで共有するなら、読みやすいほうを選んでくださいね。

まとめ

Excelの丸め関数10種の使い分けを解説しました。最後に選び方の3ステップをおさらいします。

  1. 丸め方向を決める: 四捨五入 → ROUND系 / 切り捨て → ROUNDDOWN系 / 切り上げ → ROUNDUP系
  2. 基準単位を決める: 桁数指定 → ROUND系 / 倍数指定 → MROUND・FLOOR・CEILING
  3. 負の数をチェック: 負の数が出るなら → INTは避けてROUNDDOWN、旧FLOOR/CEILINGはMATH版に
分類関数ひと言まとめ
四捨五入ROUND / MROUND桁数ならROUND、倍数ならMROUND
切り捨てROUNDDOWN / INT / TRUNC / FLOOR桁数ならROUNDDOWN、倍数ならFLOOR
切り上げROUNDUP / CEILING / ODD / EVEN桁数ならROUNDUP、倍数ならCEILING

各関数の詳しい使い方は、以下の個別記事で解説しています。

FLOOR/CEILING系の新旧6関数の違いは「FLOOR/CEILING系6関数の違い|MATH・PRECISEの使い分け」で詳しく比較しています。

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