ExcelのGAUSS関数の使い方|正規分布の確率を求める方法と実務活用例

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統計の分析で、データが平均の近くにどれだけ集まっているかを調べたいことはありませんか。

GAUSS関数を使えば、標準正規分布の平均からzσの範囲に含まれる確率を計算できます。品質管理の3σルールやテスト分析にも活用できる関数です。

この記事では、GAUSS関数の基本的な構文から実務での活用例、関連関数との違いまで解説します。

GAUSS関数とは

GAUSS関数は、標準正規分布において平均(0)からzσの範囲に含まれる確率を返す関数です。

読み方は「ガウス」です。数学者カール・フリードリヒ・ガウスに由来します。

数学的には、GAUSS(z) は標準正規分布の0からzまでの面積を返します。両側確率として解釈する場合は、2 x GAUSS(z) で「平均 +- zσ以内に入る確率」が求まります。

代表的なz値と両側確率の対応を表にまとめました。

z値GAUSS(z)両側確率 2 x GAUSS(z)意味
1約0.3413約0.6827(68.3%)平均+-1σに約68%が入る
1.96約0.4750約0.9500(95.0%)95%信頼区間に対応
2約0.4772約0.9545(95.5%)平均+-2σに約95%が入る
3約0.4987約0.9973(99.7%)平均+-3σに約99.7%が入る

この「68-95-99.7」の関係は統計の基本ルールとして広く使われています。

NOTE

GAUSS関数はExcel 2013以降で使用できます。Excel 2010以前では =NORM.S.DIST(z, TRUE) - 0.5 で同等の計算が可能です。

GAUSS関数の構文と引数

=GAUSS(z)
引数必須/省略説明
z必須確率を求める標準偏差の倍数(実数)

引数は1つだけのシンプルな構文です。

zには正の実数を指定するのが一般的です。負の値を指定した場合、GAUSS関数は奇関数のため GAUSS(-z) = -GAUSS(z) となります。実務では正のz値を使って計算することがほとんどです。

GAUSS関数の基本的な使い方

値を直接指定する

=GAUSS(1)

結果: 0.3413(約)

標準正規分布の平均から1σの範囲(片側)の確率が約34.13%であることを示します。両側確率は2倍の約68.27%です。

セル参照で指定する

=GAUSS(A1)

セルA1に入力されたz値に対して確率を計算します。z値を変えて結果を確認したい場合に便利です。

複数のz値を一覧で計算する

A列にz値(0.5、1、1.5、2、2.5、3)を入力し、B列に以下の数式を入力します。

=GAUSS(A2)

これを下にコピーすると、各z値に対応する確率を一覧で確認できます。さらにC列に =2*GAUSS(A2) と入力すれば、両側確率も一覧表示できます。

GAUSS関数の実務での活用例

活用例1: 品質管理での歩留まり計算(3σ管理)

製造業では「+-3σ以内に収まるかどうか」で品質を管理します。GAUSS関数で規格内に収まる確率を計算してみましょう。

=2*GAUSS(3)

結果: 0.9973(約99.73%)

+-3σの範囲外になる不良率は約0.27%です。1万個生産すると約27個が規格外になる計算です。

さらに厳しい6σ管理の場合は次のようになります。

=2*GAUSS(6)

結果: ほぼ1(99.9999998%)。不良率は100万個あたり約3.4個まで下がります。

活用例2: テストスコアの分析

平均60点、標準偏差10点のテストがあるとします。50点から70点(平均+-1σ)の範囲に何割が入るかを確認します。

まずz値を計算します。偏差は10点、標準偏差も10点なので z = 10 / 10 = 1 です。

=2*GAUSS(1)

結果: 0.6827(約68.3%)

約68%の受験者が50〜70点の範囲に入ることがわかります。

活用例3: 任意の正規分布に変換して使う

GAUSS関数は標準正規分布(平均0、標準偏差1)専用です。任意の正規分布で使うには、z値に変換してから計算します。

z値の計算式は次の通りです。

=(対象の値 - 平均) / 標準偏差

たとえば、平均170cm、標準偏差6cmの身長データがあるとします。160cm〜180cmの範囲に入る割合を求めるには、まずz値を求めます。

=(180-170)/6

z = 約1.67 です。

=2*GAUSS(1.67)

結果: 約0.905(約90.5%)。身長が160cm〜180cmの範囲に約90%が入ることがわかります。

任意の正規分布で累積確率を直接求めたい場合は、NORM.DIST関数が便利です。

GAUSS関数と似た関数の違い・使い分け

GAUSS関数に似た正規分布関連の関数は複数あります。違いを表にまとめました。

関数返り値使い分けの目安
GAUSS(z)0からzまでの確率平均からの偏差範囲に含まれる確率を求めたいとき
NORM.S.DIST(z, TRUE)-無限大からzまでの累積確率z値以下の確率を求めたいとき
NORM.DIST(x, mean, sd, TRUE)-無限大からxまでの累積確率任意の正規分布での確率を求めたいとき
PHI(z)z点での確率密度標準正規分布の密度関数の値を求めたいとき

GAUSS関数とNORM.S.DIST関数の数学的な関係は次の通りです。

GAUSS(z) = NORM.S.DIST(z, TRUE) - 0.5

つまり、NORM.S.DIST関数の結果から0.5を引いたものがGAUSS関数の結果です。

どちらを使うかは「0からzまでの確率が知りたいか」「-無限大からzまでの累積確率が知りたいか」で判断します。品質管理のように「平均からの偏差」を見る場面ではGAUSS関数が直感的です。

z値から確率ではなく、確率からz値を逆算したい場合は NORM.S.INV関数 を使います。標準偏差の計算には STDEV.S関数 が便利です。

GAUSS関数のよくあるエラーと対処法

エラー原因対処法
#VALUE!z引数に数値以外(文字列など)を指定した数値またはセル参照を指定する
#NAME?関数名のスペルミス、またはExcel 2010以前GAUSSと正確に入力する。Excel 2010以前では =NORM.S.DIST(z,TRUE)-0.5 で代用
結果が0z = 0 を指定したz = 0は「平均からの偏差が0」なので確率0は正常な結果
結果が負の値z に負の値を指定したGAUSS(-z)は-GAUSS(z)を返す。両側確率を求める場合は =2*GAUSS(ABS(z)) を使う

まとめ

GAUSS関数は、標準正規分布で平均からzσの範囲に含まれる確率を求める関数です。

  • 引数はzのみで、シンプルな構文
  • 両側確率を求めるには =2*GAUSS(z) を使う
  • 品質管理の3σルールやテスト分析などで活用できる
  • NORM.S.DIST関数との関係は GAUSS(z) = NORM.S.DIST(z, TRUE) - 0.5
  • Excel 2010以前では使えないため =NORM.S.DIST(z,TRUE)-0.5 で代用する

統計の分析で「平均からどれだけの範囲にデータが集まっているか」を確認したいときに活用してください。

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