MMULT関数はExcelで行列の積を計算するための関数です。
数学的な計算が必要な場面でとても役立ちますが、使い方が少し難しく感じるかもしれません。
この記事では、初心者の方でも簡単に使いこなせるように、MMULT関数の基本から実践的な活用法まで詳しく解説します。
- 複数の商品の価格と数量から総売上を一括計算したい
- 統計分析や財務モデルなどの複雑な計算を効率的に行いたい
- 工学計算やシミュレーションを実行したい
「Excel関数?」「聞いた事あるけど何か知らないな?」という方は、こちらの記事でエクセル関数について解説していますので先に確認して頂くと理解しやすいと思います。
MMULT関数とは?
MMULT関数の読み方
読み方は「エム マルト」関数です。
「マトリックス マルチプリケーション」関数とも呼ばれます。
MMULT関数では何ができるの?
MMULT関数は、2つの配列(行列)の積を計算する関数です。具体的には、2つの行列を掛け合わせて新しい行列を生成します。この機能は以下のような場面で活躍します
行列計算は手動で行うと非常に手間がかかりますが、MMULT関数を使えばボタン一つで複雑な計算が可能になります。
MMULT関数の使い方
関数の基本構文をマスター
まずはMMULT関数の基本構文をチェックしましょう。
※[]内の引数は省略することができます。
=MMULT( 配列1 , 配列2 )
MMULT関数の引数は2つあり、どちらも必ず指定する必要があります。
=MMULT(B2:D2,F2:F4)
関数の引数について知ろう
第1引数:配列1(必須)
「配列1」引数には行列積を求めたい2個の配列の内、片方の配列を指定します。
第2引数:配列2(必須)
「配列2」には行列積を求めたい2個の配列の内、もう一方の配列を指定します。
「配列1」に指定した列数と、配列2の行数が一致している必要がありますので注意しましょう。
実際にやってみよう!実践編
セル参照を使って別のセルの値を指定する
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=MMULT(A1:B2,A4:B5) |
仕事で役立つ便利技!
TRANSPOSE関数との組み合わせ
MMULT関数とTRANSPOSE関数を組み合わせることで、行列の転置計算が簡単にできます。
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=MMULT(A1:C3,TRANSPOSE(A1:C3)) |
MINVERSE関数との組み合わせ
MMULT関数とMINVERSE関数を組み合わせれば、連立方程式を解くことができます。
例えば、AX=Bという連立方程式の解Xは以下の関数で求めることができます。
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=MMULT(MINVERSE(A1:C3),D1:D3) |
よくあるエラーと解決法
#VALUE!エラーの原因と対策
エラー原因 | 解決策 |
---|---|
配列のサイズが異なる | 引数に指定した配列の列数と行数を一致させる |
非数値データが含まれている | 指定した範囲内に、空白や文字列が含まれていないことを確認する |
さらなるスキルアップを目指そう!
MMULT関数を学習した後は、更に以下の関数も内容を把握しておきましょう。
用途が似ている関数や、一緒に使うとさらにできることの幅が広がる関数です。
関数名 | 用途 |
---|---|
TRANSPOSE | 行列の行と列を入れ替え |
MINVERSE | 行列の逆行列を計算 |
MDETERM | 行列式を計算 |
SUMPRODUCT | 範囲または配列の積の合計を返す |
まとめ
MMULT関数は、Excelで行列計算を効率的に行うための非常に強力なツールです。
はじめは複雑に感じるかもしれませんが、基本を理解して少し練習すれば、MMULT関数を使いこなせるようになります。行列計算が必要な業務では、作業効率が大幅に向上するでしょう。
似たような用途で利用する関数としてSUMPRODUCT関数があります。
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関数一覧
ましゅかぶろぐではExcel関数の一覧を3パターンご用意しています。
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エラー値についてのまとめ記事
関数でエラーが発生した際に表示される、エラーの種類を以下の記事でまとめています。

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