「WindowsかMacか、セル上でサッと確認できたらいいのに」
「再計算モードが手動になってて数式が更新されない!」――こんな経験はありませんか?
設定画面をわざわざ開くのは面倒ですよね。しかも共有ブックだと、相手の環境がわからずトラブル対応に手間取ることも。
そんなときに役立つのがINFO関数です。セルに数式を入力するだけで、ExcelやOSの環境情報を一発で取得できます。この記事では、検査の種類7つの返り値を一覧で整理し、実務での活用例やエラー対処法まで解説します。
ExcelのINFO関数とは
INFO関数は、Excelの動作環境に関する情報を返す関数です。読み方は「インフォ」で、Information(情報)の略ですね。
取得できるのは、OSの種類やバージョン、再計算モードなどです。CELL関数が特定のセルの情報を返すのに対し、INFO関数はアプリケーションやOS全体の情報を返すのが特徴ですよ。
対応バージョンはExcel 2016以降とMicrosoft 365です。Excel Online(Web版)では使用できないので注意してください。
INFO関数の構文と引数
基本の構文はこちらです。
=INFO(検査の種類)
引数は「検査の種類」の1つだけとシンプルです。文字列で指定するため、必ずダブルクォーテーション(")で囲んでください。
| 引数 | 必須/任意 | 説明 |
|---|---|---|
| 検査の種類 | 必須 | 取得したい環境情報を文字列で指定する |
指定できる検査の種類は全部で7つあります。次のセクションで、それぞれの返り値と使い方を見ていきましょう。
検査の種類7つ|返り値と使用例
INFO関数で指定できる検査の種類をまとめました。
| 検査の種類 | 取得できる情報 | 返り値の例 |
|---|---|---|
"directory" | 現在のフォルダパス | C:UsersuserDocuments |
"numfile" | 開いている全ブックのシート合計数 | 3 |
"osversion" | OSのバージョン | OS依存の文字列 |
"recalc" | 再計算モード | 自動 または 手動 |
"release" | Excelのバージョン | 16.0 |
"system" | OSの種類 | pcdos または mac |
"origin" | 表示セルの位置 | $A$1 |
それぞれ詳しく解説していきますね。
directory(現在のフォルダパス)
ファイルが保存されているフォルダのパスを返します。
=INFO("directory")
返り値の例: C:UsersuserDocuments
未保存のブックで実行した場合は、Excelの既定の保存先が返ります。「このファイル、どこに保存したっけ?」というときに便利ですよ。
numfile(開いている全シート数)
現在開いているすべてのブックに含まれるワークシートの合計数を返します。
=INFO("numfile")
ポイントは「ブック数」ではなく「シートの合計数」という点です。たとえばシート3枚のブックを2つ開いていたら、返り値は 6 になります。
単一ブックのシート数を知りたい場合は、他のブックを閉じてから確認してくださいね。
osversion(OSバージョン)
使用しているOSのバージョン情報を文字列で返します。
=INFO("osversion")
WindowsならWindowsのバージョン情報、macOSならmacOSのバージョンが返ります。トラブル報告の際に「どのOSバージョンで発生したか」を記録するのに使えますよ。
recalc(再計算モード)
ブックの再計算モード(自動/手動)を返します。
=INFO("recalc")
日本語版Excelでは 自動 または 手動 が返ります。英語版では Automatic または Manual です。返り値がExcelの言語設定に依存する点に注意してください。
再計算が「手動」になっていると、数式の計算結果が更新されません。共有ブックでの思わぬトラブル防止に役立つ検査の種類です。
release(Excelバージョン)
Excelのバージョン番号を文字列で返します。
=INFO("release")
主なバージョンと返り値の対応はこちらです。
| Excelバージョン | 返り値 |
|---|---|
| Excel 2010 | 14.0 |
| Excel 2013 | 15.0 |
| Excel 2016以降 / Microsoft 365 | 16.0 |
バージョン固有の機能を使っているブックで、相手の環境を確認したいときに便利です。
system(OS種類)
OSの種類を短い文字列で返します。
=INFO("system")
| OS | 返り値 |
|---|---|
| Windows | pcdos |
| Mac | mac |
この返り値はExcelの言語設定に関係なく固定です。日本語版でも英語版でも同じ値が返るので、IF関数と組み合わせた条件分岐に最適ですよ。
origin(表示セルの位置)
現在ウィンドウに表示されている範囲の左上セルの位置を返します。
=INFO("origin")
返り値の例: $A$1
スクロール位置によって返り値が変わります。実務での使用頻度は低めですが、VBAでスクロール位置を記録する用途などで使われることがあります。
実務での活用例
ここからは、INFO関数を使った実践的な活用例を紹介します。
WindowsかMacかを判定する
IF関数と組み合わせれば、OSに応じたメッセージを表示できます。
=IF(INFO("system")="pcdos","Windows環境です","Mac環境です")
WindowsとMacではファイルパスの区切り文字が異なります。Windowsは (バックスラッシュ)、Macは /(スラッシュ)です。
共有ブックでパスを動的に切り替えたいとき、この判定が役立ちますよ。"system" の返り値は言語設定に左右されないので、海外拠点との共有ブックでも安心です。
再計算モードが手動になっていないか確認する
「数式を入力したのに結果が変わらない!」という問い合わせ、よくありますよね。原因の多くは再計算モードが「手動」になっていることです。
=IF(INFO("recalc")="手動","⚠ 再計算が手動です","自動(正常)")
チーム共有のブックにこの数式を仕込んでおけば、トラブルを未然に防げます。
ただし、この数式は日本語版Excel専用です。英語版と混在する環境では、次のように書くとどちらにも対応できます。
=IF(OR(INFO("recalc")="手動",INFO("recalc")="Manual"),"⚠ 再計算が手動です","自動(正常)")
環境情報を一覧で表示する
複数のINFO関数をまとめて配置すれば、環境情報の一覧表を作れます。
A列に項目名、B列に数式を入力してみましょう。
| セル | 項目名 | 数式 |
|---|---|---|
| A1 / B1 | OS種類 | =INFO("system") |
| A2 / B2 | OSバージョン | =INFO("osversion") |
| A3 / B3 | Excelバージョン | =INFO("release") |
| A4 / B4 | 再計算モード | =INFO("recalc") |
| A5 / B5 | 保存先 | =INFO("directory") |
| A6 / B6 | 開いているシート数 | =INFO("numfile") |
トラブル対応で「どの環境で問題が起きたか」を報告するとき、このシートをスクリーンショットで送れば一目瞭然です。ヘルプデスクや情シス対応の効率化に使えますよ。
よくあるエラーと対処法
#VALUE! エラー
存在しない検査の種類を指定すると #VALUE! エラーになります。
=INFO("memory")
この例では "memory" という検査の種類が存在しないためエラーです。検査の種類は7つに限定されているので、スペルミスがないか確認してください。
よくあるミスとして、"system" を "os" と書いたり、"release" を "version" と書いたりするケースがあります。
#N/A エラー
以前のExcelで使えた検査の種類を指定すると #N/A エラーが返ります。
| 廃止された検査の種類 | 旧来の用途 |
|---|---|
"memavail" | 使用可能メモリ |
"memused" | 使用中メモリ |
"totmem" | 合計メモリ |
これら3つはメモリ関連の情報を返す検査の種類でしたが、現在のExcelではサポートされていません。古いマクロやテンプレートに残っている場合は削除してくださいね。
CELL関数・SHEET関数との使い分け
INFO関数と似た機能を持つ関数との違いを整理しました。
| 比較項目 | INFO関数 | CELL関数 | SHEET関数 |
|---|---|---|---|
| 取得対象 | アプリ・OS環境全体 | 特定セルの情報 | シート番号 |
| 引数 | 検査の種類 | 検査の種類, [対象範囲] | [シート名] |
| 主な用途 | 環境チェック・OS判定 | セルの書式・参照先確認 | シート順の確認・管理 |
使い分けのポイントはこちらです。
- OS・Excelのバージョンを知りたい → INFO関数
- 特定セルの書式や参照先を調べたい → CELL関数
- シートの番号や枚数を確認したい → SHEET関数
- セルに入っているデータの型を判定したい → TYPE関数
INFO関数は「アプリケーション全体の情報」、CELL関数は「個々のセルの情報」と覚えておくとわかりやすいですよ。
まとめ
INFO関数は、ExcelやOSの環境情報をセル上でサッと取得できる関数です。
押さえておきたいポイントを整理します。
- 構文は
=INFO("検査の種類")で、引数は1つだけ - 検査の種類は7つ(directory / numfile / origin / osversion / recalc / release / system)
"system"はOS判定に最適。返り値は言語設定に依存しない"recalc"は再計算モードの確認に便利。ただし返り値は言語依存- Excel Online(Web版)では使用不可
- 廃止された検査の種類(memavail / memused / totmem)は
#N/Aを返す
WindowsとMacが混在する職場や、チーム共有ブックのトラブル防止に活用してみてください。
Excel関数の全体像を知りたい方は、Excel関数一覧も参考にしてくださいね。
