この記事では、膨大なデータから重複を瞬時に除外し、ユニークな値だけを抽出できるUNIQUE関数について解説します。強力なツールです。
UNIQUE関数の基本から応用まで、実務で即戦力となる使い方を詳しく解説します。
データ処理効率の向上に必須とも言える関数ですので、是非最後までお読みください。
- 指定したリストから重複を取り除いたリストを作成したい
- 一覧から一意(ユニーク)の値を取り出したい
「Excel関数?」「聞いた事あるけど何か知らないな?」という方は、こちらの記事でエクセル関数について解説していますので先に確認して頂くと理解しやすいと思います。
UNIQUE関数とは?
UNIQUE関数の読み方
読み方は「ユニーク関数」です。
UNIQUE関数では何ができるの?
UNIQUE関数は、指定した範囲内から重複するデータを自動的に一つにまとめて、ユニークな値(重複していない値)の一覧を返してくれる関数です。
この関数はMicrosoft 365やExcel 2021以降で利用することができます。
例えば、顧客リストから重複なしの顧客名一覧を作成したり、商品コードの一覧から固有の商品だけを抽出したりすることが簡単にできます。
複数人が入力するデータには大文字・小文字や半角・全角のように細かい部分で入力データが異なる場合があります。
UNIQUE関数では文字列の種類が異なる場合も、同一の文字として判定し重複を削除してくれるため、データ抽出前のひと手間も必要ありません。
このような処理をするために複雑な数式の組み合わせや、条件付き書式を用いた手作業でのフィルタリングが必要でしたが、UNIQUE関数ではワンステップで実現できるようになりました。
元のデータが変更されると、UNIQUE関数の結果も自動的に更新されるため、データを抽出し直す必要もありません。表に入力されている様々な値を重複しないように出力する時に便利です。
UNIQUE関数の使い方
関数の基本構文をマスター
まずはUNIQUE関数の式をチェックしましょう。
※[]内の引数は省略することができます。
=UNIQUE( 配列 , [列の比較] , [回数指定] )
UNIQUE関数の引数は3つありますが、必ず指定する必要がある引数は「配列」のみです。
- すべての引数を指定する場合
=UNIQUE(A2:B100,TRUE,TRUE) - 最小限の引数のみを指定する場合
=UNIQUE(A2:B100)
関数の引数について知ろう
第1引数:配列(必須)
「配列」には重複しないリストを作成する元になる範囲を指定します。
この範囲は、単一の列だけでなく、連続した複数の列を含めることも可能です。
複数の列を指定した場合、各行の組み合わせがユニークかどうかを判断してくれます。
第2引数:列の比較(省略可能)
「列の比較」には比較する方法をTRUEかFALSEで指定する事ができます。
列の比較 | 動作の説明 |
---|---|
TRUE | 行を比較し、一意の行を返します。 |
FALSE(省略時) | 列を比較し、一意の行を返します。 |
見出しが1行目に記載されている、縦に並んだリストを扱う場合はこの引数を省略または FALSE に設定します。もし、A列が見出しになっている、横に並んだリストを扱う場合のみTRUEにしましょう。
第3引数:回数指定(省略可能)
「回数指定」引数は、「ユニーク」の判定方法を指定します。
列の比較 | 動作の説明 |
---|---|
TRUE | 範囲内で1度だけ出現する値のみを返します。 |
FALSE(省略時) | 範囲内での出現回数に関係なく、すべての重複しない値を返します。 |
例えば、リンゴ、バナナ、リンゴ、オレンジ、バナナというデータがある場合、
FALSEを指定した場合に返される値は「リンゴ、バナナ、オレンジ」ですが、
TRUEを指定した場合に返される値は「オレンジ」のみです。
実際にやってみよう!実践編
重複していないデータの抽出
表の項目から重複していない値を抽出する関数を作成しましょう。
例えば、A2:A100に商品名のリストがあり、その中から重複のない商品名のリストを作成したい場合は次のように関数を使います。
1度だけ出現する値の抽出
データの中から、一度しか出現していないデータを抽出します。
今までの売上データから、一度しか購入していない会社などをピックアップするような作業に使うことが可能です。
仕事で役立つ便利技!
SORT関数との組み合わせ
UNIQUE関数で重複しないように値を抽出後、SORT関数を使って値を並べ変えることができます。
この式では、以下の処理を行っています。
1. A2:A100の重複していないリストを抽出
2. 抽出したリストを降順に並べ替え
重複していないリストを確認しやすいようにしたい場合は、この組み合わせがおすすめです。
FILTER関数との組み合わせ
FILTER関数を利用して条件に一致するデータだけを抽出後、重複しているデータを除いて値を出力することができます。
この式では、以下の処理を行っています。
1. A列が「食品」と一致する行を探し、A列からD列までのデータを抽出
2. 重複行を削除
条件で絞った後のデータから、重複していないリストを作成したい場合は、この組み合わせがおすすめです。
COUNT関数との組み合わせ
UNIQUE関数で重複しないように値を抽出後、COUNT関数で重複していないデータの数を出力できます。
この式では、以下の処理を行っています。
1. A2:A100の重複していないリストを抽出
2. 抽出した値の個数を算出
内容は確認しなくても良いが、重複していないデータの個数だけ知りたい場合、この組み合わせがおすすめです。
よくあるエラーと解決法
関数が使えない
UNIQUE関数は2019年12月にリリースされた関数であり、Microsoft 365とExcel 2021以降でのみ使用可能です。
それよりも古いバージョンのExcelでは使用することが出来ません。
「0」が表示される
指定した範囲内に空白のセルが存在する場合、結果が「0」として返されることがあります。
空白の「0」が不要な場合は、以下のようにFILTER関数を使って以外の値を抽出するようにしてください。
#CALC!エラーの原因と対策
空白が「0」として返されるエラーを解決すると、#CALC!エラーが発生する可能性があります。
このエラーは、条件に合致するデータが存在しない場合に表示されますが、
FILTER関数の第3引数(空の場合)を指定することで発生しなくなります。
さらなるスキルアップを目指そう!
UNIQUE関数を学習した後は、更に以下の関数も内容を把握しておきましょう。
用途が似ている関数や、一緒に使うとさらにできることの幅が広がる関数です。
関数名 | 用途 |
---|---|
SORT | データの並べ替え |
FILTER | 条件に基づいてデータを抽出 |
XLOOKUP | VLOOKUP関数より柔軟でシンプルな検索 |
EXACT | 2つの文字が一致しているか確認 |
ASC | すべての全角文字を半角文字に変換 |
まとめ
関数一覧
ましゅかぶろぐではExcel関数の一覧を3パターンご用意しています。
用途に合わせてお使いください。
各一覧の文字色が青くなっている関数はクリックすると解説ページを開くことができます。
エラー値についてのまとめ記事
関数でエラーが発生した際に表示される、エラーの種類を以下の記事でまとめています。

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