VALUE関数はExcelのデータ処理において欠かせない存在です。
文字列として入力された数値を、計算可能な数値に変換することができるため、関数を入力したのに計算エラーになる場合等に利用することが多々あります。
本記事では、VALUE関数の基本構文から応用テクニックまで、具体的な事例を交えて解説します。エラー発生時の対処法や他の関数との組み合わせ方など、実務で即活用できるノウハウを余すところなくお伝えしますので最後までご覧ください。
- 数値を表す文字列を数値に変換したい
- 文字列型式の数値を数値形式に変換したい
- 入力した関数は間違っていないのに計算エラーになる
「Excel関数?」「聞いた事あるけど何か知らないな?」という方は、こちらの記事でエクセル関数について解説していますので先に確認して頂くと理解しやすいと思います。
VALUE関数とは?
VALUE関数の読み方
読み方は「バリュー関数」です。
VALUE関数って何ができるの?
数値への変換
VALUE関数では、「数値を表す文字列」を「計算可能な数値」に変換する機能にあります。
例えばCSVファイルからインポートした数値データが文字列として認識されている場合、この関数を使うことで数値計算が可能になります。
「”123″」のような文字列は文字列であるため、計算できませんが、この文字列を「123」という数値に変換することで、SUM関数やAVERAGE関数での計算ができるようになります。
日付・時刻データの処理にも
数字に注目が集まりがちですが、実は日付や時刻を表す文字列をシリアル値に変換する場面でも活躍します。
「2023/01/01」という文字列を日付データとして扱いたい場合、VALUE関数を使うことでシリアル値に変換することができます。
VALUE関数の使い方
基本構文をマスター
まずはVALUE関数の基本構文を確認しましょう。
=VALUE( 文字列 )
VALUE関数の引数は1つだけです。非常にシンプルですね。
VLOOKUP関数の引数は4つあり、全て必ず指定する必要があります。
実際に利用する場面では、以下のような式を入力することになります。
=VALUE( A2 )
VALUE関数の引数を知ろう
第1引数:変換対象の文字列
「文字列」には数値に変換したい、数値を表す文字列を指定します。
直接「”123″」と入力して指定することも可能ですが、セル参照を使って別のセルを指定することがほとんどです。
実際にやってみよう!実践編
VLOOKUP関数との連携事例
VLOOKUP関数で検索値が文字列になっている場合、VALUE関数を組み合わせることでエラーを回避できます。
以下のように関数を組み合わせて使用することで、数値と文字列の型不一致によるエラーを防げます。
=VLOOKUP(VALUE(A2),検索範囲,列番号,FALSE)
実際の業務では商品コードの照合などで重宝します。
複数シートのデータ統合
別シートのデータを参照する場合、=VALUE(Sheet2!A1)のようにシート名を明記します。別ブックを参照する場合は=VALUE([ブック名]Sheet1!A1)と記述。大規模なデータ管理でも正確な参照が可能になります。
文字列になっている金額を数値に変換する
金額がすべて文字列になっているデータでも、SUBSTITUTE関数と組み合わせて使用することで、合計値等を関数で計算することが可能になります。
例えば「1,234円」が文字列として入力されている場合は、以下の関数で数値に変換できます。
=VALUE(SUBSTITUTE(SUBSTITUTE(A1,”円”,””),”,”,””))
単位が付いている数字も同じように変換可能
「123人」のような、数字の後に単位が入力されているデータを処理する際も同様に処理できます。
=VALUE(SUBSTITUTE(A1,”人”,””))
よくある失敗と解決法
VALUE!エラーの原因と対策
エラー原因 | 解決策 |
---|---|
数値に変換できない文字列が含まれている 例:”101匹”の「匹」 | SUBSTITUTE関数で文字列を置換する |
無駄なスペースがある | TRIM関数で文頭と文末のスペースを削除する |
和暦の日付を変換しようとしている | DATEVALUE関数と組み合わせるか、SUBSTITUTE関数で「年月日」を「/」に置換する |
さらなるスキルアップを目指そう!
VALUE関数を学習した後は、更に以下の関数も内容を把握しておきましょう。
用途が似ている関数や、一緒に使うとさらにできることの幅が広がる関数です。
関数名 | 用途 |
---|---|
VLOOKUP | 指定した範囲から一致する文字列を検索 |
XLOOKUP | VLOOKUP関数より柔軟でシンプルな検索 |
SUBSTITUTE | 指定した文字列を別の文字列に置換 |
TEXT | 指定した表示形式で文字列を表示させる |
DATEVALUE | 文字列の日付をシリアル値に変換 |
VALUETOTEXT | 指定した値を文字列に変換 VALUE関数と逆のことができます |
IFERROR | 関数がエラーになった時に表示する内容を変える |
TRIM | 文頭と文末の無駄な空白を削除する |
VALUE | 文字列から数値への変換 |
まとめ
VALUE関数はデータの検索や、集計の前処理に不可欠な関数です。
VLOOKUPなどの関数と組み合わせることで、有効に活用することができますね。
今回学んだテクニックを実務で応用すれば、作業効率が格段に向上します。
SUBSTITUTE関数やTEXT関数の習得にも挑戦し、Excelスキルをさらに向上させましょう。
関数一覧
下記どちらの関数一覧からでも各関数の解説記事へアクセス出来ます。
エラー値についてのまとめ記事

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