ExcelのCOT関数を使おうとしたけれど、思った通りの値が返ってこない。そんな経験はありませんか。COT関数はコタンジェントを求める関数です。ただし引数にラジアンを使う必要があり、知らないとまったく違う計算結果になってしまいます。
この記事では、COT関数の基本構文からラジアン変換のコツ、TAN関数との逆数関係、よくあるエラーの対処法まで解説します。代表角の早見表もあるので、手元のリファレンスとして活用してくださいね。
ExcelのCOT関数とは?基本構文と引数
COT関数は、指定した角度のコタンジェント(余接)を返すExcelの関数です。読み方は「コタンジェント」です。
コタンジェントとは、直角三角形の「隣辺÷対辺」にあたる三角比のことです。タンジェント(対辺÷隣辺)の逆数にあたります。
対応バージョンはExcel 2013以降です。Excel 2010以前では使えないので注意してください。
構文:=COT(数値)
=COT(数値)
引数は「数値」の1つだけです。シンプルな関数ですね。
引数はラジアン単位で指定する
| 引数 | 必須/省略可 | 説明 |
|---|---|---|
| 数値 | 必須 | コタンジェントを求めたい角度をラジアンで指定します。0は指定できません |
ラジアンとは、円の半径と弧の長さの比で角度を表す単位です。360度が2π(約6.2832)ラジアンに相当します。
引数に「45」と入力しても、45度のコタンジェントにはなりません。Excelは「45ラジアン」として計算します。度数法で入力したい場合は、次のセクションのRADIANS関数と組み合わせてください。
また、数値の絶対値は2^27(約1億3,421万)未満である必要があります。これを超えると#NUM!エラーが発生します。
度数で入力するにはRADIANSと組み合わせる
基本パターン:=COT(RADIANS(角度))
度数法の角度からコタンジェントを求めるには、RADIANS関数で変換してからCOT関数に渡します。
=COT(RADIANS(45))
この数式は1を返します。RADIANS(45)で45度をラジアン(約0.7854)に変換し、その値をCOT関数に渡しています。
別の書き方として =COT(角度*PI()/180) もあります。ただしRADIANSを使うほうが読みやすいのでおすすめですよ。
代表角度のCOT値一覧(0度~180度)
主な角度でCOT関数を使った結果を表にまとめました。
| 角度 | 数式 | 結果 | 数学的な値 |
|---|---|---|---|
| 0° | =COT(RADIANS(0)) | #DIV/0! | 未定義 |
| 15° | =COT(RADIANS(15)) | 約3.7321 | 2+√3 |
| 30° | =COT(RADIANS(30)) | 約1.7321 | √3 |
| 45° | =COT(RADIANS(45)) | 1 | 1 |
| 60° | =COT(RADIANS(60)) | 約0.5774 | 1/√3 |
| 90° | =COT(RADIANS(90)) | 約6.125E-17 | 0 |
| 120° | =COT(RADIANS(120)) | 約-0.5774 | -1/√3 |
| 180° | =COT(RADIANS(180)) | 約-8.166E+15 | 未定義 |
0度ではsin(0°)=0のため分母がゼロになり、#DIV/0!エラーが発生します。一方、90度では数学的にはcot(90°)=0です。ただしExcelでは浮動小数点誤差(コンピュータの小数計算で生じるわずかなズレ)により、ゼロに近い極小値が返ります。
COT関数とTAN関数の関係
コタンジェント=タンジェントの逆数
COT関数とTAN関数には、次の数学的な関係があります。
COT(x) = 1 / TAN(x) = COS(x) / SIN(x)
つまり、TAN関数が返す値の逆数がCOT関数の結果です。TAN(45°)=1なので、COT(45°)も1になります。TAN(30°)≒0.5774なので、COT(30°)≒1.7321(=1÷0.5774)です。
1/TAN()で代用できるが注意点あり
Excel 2010以前ではCOT関数が使えません。その場合、次の数式で代用できます。
=1/TAN(RADIANS(角度))
ただし注意点があります。TAN(0)は0を返すため、=1/TAN(RADIANS(0)) は#DIV/0!エラーになります。COT(RADIANS(0))も同じく#DIV/0!エラーなので、結果は同じです。
180度付近では、TAN(180°)が浮動小数点誤差でゼロに近い極小値を返します。そのため 1/TAN(RADIANS(180)) は巨大な値になります。COT(RADIANS(180))も同様の動作なので、実質的な違いはありませんよ。
よくあるエラーと対処法
#DIV/0!エラー(0を指定した場合)
COT関数に0を渡すと、#DIV/0!エラーが発生します。
=COT(0) → #DIV/0!エラー
=COT(RADIANS(0)) → #DIV/0!エラー
cot(0) = cos(0)/sin(0) で、sin(0)=0のため分母がゼロになるのが原因です。0度を扱う可能性がある場合は、IFERROR関数で回避しましょう。
=IFERROR(COT(RADIANS(A1)), "未定義")
#VALUE!エラーの原因と修正方法
COT関数に文字列を渡すと、#VALUE!エラーが発生します。
=COT("四十五") → #VALUE!エラー
=COT(A1) → A1が文字列の場合は#VALUE!エラー
数値以外のデータが混在するときは、ISNUMBER関数(セルの値が数値かどうか判定する関数)で事前チェックすると安全です。
=IF(ISNUMBER(A1), COT(RADIANS(A1)), "数値を入力してください")
#NUM!エラーの原因
引数の絶対値が2^27以上の場合、#NUM!エラーが発生します。通常の角度計算でこの値を超えることはまずありません。もし発生した場合は、引数の値が正しいか確認してみてください。
#NAME?エラーの原因
関数名を「COTT」や「COOT」のようにスペルミスすると、#NAME?エラーが表示されます。正しいスペルは「COT」(3文字)です。
また、Excel 2010以前のバージョンではCOT関数が存在しません。正しいスペルでも#NAME?エラーになります。お使いのバージョンを確認してみてくださいね。
三角関数シリーズ一覧
ExcelにはCOT関数以外にも多くの三角関数があります。目的に応じて使い分けてください。
| 関数 | 読み方 | 機能 |
|---|---|---|
| SIN | サイン | 正弦を求める |
| COS | コサイン | 余弦を求める |
| TAN | タンジェント | 正接を求める |
| COT | コタンジェント | 余接を求める(この記事) |
| ASIN | アークサイン | サインの逆関数 |
| ACOS | アークコサイン | コサインの逆関数 |
| ATAN | アークタンジェント | タンジェントの逆関数 |
| ACOT | アークコタンジェント | コタンジェントの逆関数 |
| RADIANS | ラジアンズ | 度→ラジアン変換 |
| DEGREES | ディグリーズ | ラジアン→度変換 |
まとめ
COT関数は、指定した角度のコタンジェント(余接)を求める関数です。
ポイントを整理しておきましょう。
